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・カメラマンにとっての3D CG基礎知識

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・プロカメラマンのための撮影データ管理術

・3ds Maxを用いた新時代写真術

・Capture One 徹底使いこなし術

・PCJライティング講座





「Capture One 5 Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.07


ファイルブラウズからアルバムの作成まで
ショートカットをカスタマイズしてセレクトを簡単に。






文:湯浅立志
1961年、群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオの社員カメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。デジタル集団「電塾」の運営委員としてデジタルフォトの啓蒙活動にもつとめる。
有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。

http://homepage3.nifty.com/y2/
Flickr:http://www.flickr.com/photos/tatsphoto/
Facebook:http://www.facebook.com/tatsphoto
Twitter:http://twitter.com/#!/tatsphoto





「Capture One 5 Pro」 49,800円
「Capture One 5」   12,800円
対応OS:Windows XP/Vista/7、
Mac OS X 10.5.8〜10.6

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




はやいものでこの連載も7回目、半年が経ちました。

当初、この企画で解説を書いていくのに、「何回続くのか?」というのが分からない状態で書き始めていた。とりあえず僕が書きたいこと、そして、C1Proの他メーカーの追従を許さないほど絶対的なメリットの部分にフォーカスして書いてきた。結果的に好評なようだが、そういった流れだったので、どうしても「虫食い状態」の解説になってしまっている。そんな反省もあり、今回からもう少し基本的な使いこなしから改めて書いていきたいと思う。これまでの6回と合わせて、これからの連載でC1Proの「使いこなし術」として1つの形にしていきたい。

第13回で、セッションと連結撮影に関しての最低限の使いこなしは終了しているので、今後は現像関係がメインとなる。

今回は現像にいく前の段階、ファイルブラウズとセレクトについて書いてみたい。

さて、この連載のようなアプリケーションの解説では、「誰」を対象にしているか? が大きな問題になる。同じ写真を撮っていても、アマチュアとプロカメラマン、写真家ではそれぞれ使い方が違うからだ。特に撮影された写真をどうセレクトして、保管しておくか? と言う観点では、立場の違いで方法が大きく違ってくる。

短期間に大量の撮影をする職業カメラマンでは、写真データの保存よりも、どうやっていらない写真を捨てて、必要なカットだけ残していくか? が大きな問題になり、アマチュアカメラマン、作家的な写真家では、基本的に撮影された写真をよほどのことでないと捨てない。

この立場の違いを超えて、一律、同じ解説はあり得ないと考えている。もちろん、1枚の写真を調整、現像することに関しては同じだが。これから本文中では職業カメラマンのスタンスを「一過性の仕事」と仮に名付けて分けて解説していく。

今回のファイルブラウズ、そしてセレクトはその立場の違いがもっとも出てしまう作業だ。

前置きは長くなったが、ファイルブラウズから。

まず、第1回でも触れたセッションだが、「一過性の仕事」では仕事ごとにセッションを分けて管理した方が楽だろう。納品が終わればそのセッションフォルダごと作業上のハードディスク(以下HDD)から削除してしまえばいい。

かたや「アーカイブ的な仕事」ではデフォルト状態のセッションのまま使って、何ら不都合はない。むしろすべての写真が1つのセッションになっていた方が使い勝手が良いというフォトグラファーも多いと思う。セッションについては、「どうしてもそう使わなければならない」と言うものではない。自分の好きにしてかまわないが、いろいろなやり方があると言うことは頭に入れておいた方が良いだろう。




◀これがC1pro(バージョン5.2)のデフォルト画面。



◀左上にあるタブの中、左端のフォルダマークがファイルブラウズをする画面だ。

ちなみにこのタブを左から右に順番にたどって調整していくと、1つの現像が完成するという流れになっている。

タブの移動はショートカットで「option+command+→カーソル」で右に移動する。「option+command+←カーソル」で左に移動するので、覚えておくと便利。



◀フォルダは一般的なディレクトリ構造で表示されるので、目的のフォルダをマウスクリックして、中の画像ファイルを表示させる



◀画像ファイルを表示させたら、写真をセレクトするわけだが、セレクトには個人個人のやり方がある。ここでは僕のやり方を紹介する。

他社の現像ソフト同様C1でも画像ファイルにカラータグを打てる。左のように7色のカラータグが用意されている。この中で赤、黄、緑についてはショートカットが用意されていて、そのショートカットを使いセレクトするのが一般的だろう。

「一過性の仕事」ではこのカラータグを付けてセレクトするのが適していると思う。


◀ カラータグ以外ではレーティングもある。今更説明もいらないと思うが、気に入った順番に星を付けていくというやり方だ。

レーティングの星にはそれぞれショートカットがあり、数字キーの1~5が星の数になっている。

「アーカイブ的な仕事」では上のカラータグにプラスして、レーティングを付けてセレクト作業すると効率的だと思う。


◀さて、このままデフォルト状態で使ってもかまわないが、実際のところ、使いにくい。もちろん、C1しか使わないというフォトグラファーなら、デフォルト状態で慣れてしまえばいい。

多くのフォトグラファーの場合、いろいろなアプリケーションを用途に応じて使い分けていると思う。その使用アプリケーションごとにショートカットが違っていて、その度に覚えていくの面倒だ。どのメーカーを使っても同じショートカットが使えれば、相当便利になるはずだ。

C1はそういう希望を叶えてくれる非常に柔軟性の高いアプリケーションだ。

上記のデフォルト状態のショートカットを変更してみよう。




◀「キーボードショートカットを編集...」を選ぶとこのような画面になる。

C1もバージョンアップでショートカットが変わってきているが、古くからのユーザーが戸惑わないように、バージョン3のショートカットセットも用意されている。

ここから自分好みにショートカットを変更できる。

他社アプリケーションではショートカットキーが変更できないものが多いので、C1のショートカットキーを他社アプリケーションに合わせてしまうやり方が現実的な方法だ。



◀ ここではAdobe Bridge、そしてLightroomと同じショートカットキーを設定してみよう。

まずBridgeの環境設定から「ラベル」の設定で上の「コマンドキーを使用してラベルやレーティングを使用」のチェックを外す。これで数字キーを押すだけでカラータグが付けられるようになる。

6:赤 7:黄 8:緑 9:青 と言う具合。



◀ これはAdobe Lightroomのカラーラベル。

つまり、上のやり方でBridgeとLightroomのショートカットは同じになったわけだ。



◀ちなみにLightroomのレイティングは左のようなショートカットになっている。

デフォルト状態でC1と同じだ。



◀C1に戻り、カラータグを変更する。まず、ショートカットセットを複製して、適当な名前を付けておく。

レイティング、カラータグの変更は「調整」の項目の中にある。キーをダブルクリックして使用したいキーを入れる。

6:赤 7:黄 8:緑 9:青 と言う具合。

レイティングはデフォルト状態でAdobe Bridge、Lightroomと同じなので、そのまま。

ウィンドウを閉じればすぐに変更されたショートカットキーが使えるようになる。

たったこれだけで使い勝手は相当便利になるはずだ。



◀参考までにキヤノンのRAW現像ソフトDPP(デジタルフォトプロフェッショナル)のショートカットは左のようになっている。連結撮影でキヤノン純正ソフトを使っている人は、こちらでセレクトしていると言うこともあるだろう。

このような時も、C1をキヤノン純正ソフトと同じショートカットに仕立てることも可能だ。



◀さて、こうやって効率的に写真をセレクトしたら、セレクトした写真を表示させたくなるはず。



◀サムネイルブラウザのタブを変更すればそれもあっと言う間だ。



◀カラータグを優先してソートさせるなら、このようにカラータグを選ぶ。

他にもソート順をここで選べる。



◀「一過性の仕事」では1つのフォルダの中でのセレクト、それを現像することで、作業は終わるが、「アーカイブ的な仕事」では撮影時期、場所が多岐にわたっていて、それを1つのテーマでまとめるという流れになる。1つのフォルダの中だけでのセレクトでは完結しないだろう。複数のフォルダにまたがってセレクト、一覧表示させるには、セッションアルバムという機能を使うと便利だ。

画像のサムネイルをフォルダタグの中の「セッションアルバム」にドラッグ&ドロップすれば、新しいアルバムが作成される。。



◀「セッションアルバム」にドラッグ&ドロップすると「無題のアルバム」というのが作られる。

名前の変更はアルバム名を右クリックすれば変更ができる。

アルバムはいくつも作れるし、同じ画像ファイルを複数のアルバムに登録することも可能だ。いらなくなったアルバムは削除もできるので、ちょっとまとめたい、という時など、気軽に作って便利に使える。

このアルバムは画像本体へのリンクを作っているようなものなので、実際の画像ファイル本体がここにあるわけではない。修正、変更などはそのままできるので、画像ファイル本体と何ら変わりはない。ただ、画像ファイルをアルバムから削除しても、その画像ファイル自体は削除されていないので、注意したい。



今回はここまで。

写真がデジタルフォトになって、大量に撮影するようにスタイルが変化した。そんな状況の中、どうやって効率的に写真をセレクトしていくかは、個人個人違う。

今回は僕が実際に行っている方法を紹介したが、必ずしもこれがベストではないだろう。

アプリケーションの使い方を知り、自分なりの方法論を作っていく助けになればうれしい。


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