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PCJのライティング講座では、実際の仕事の現場から、さまざまな事例を紹介していく。今回は色鮮やかな商品撮影のテクニック。別撮りした2枚の写真を合成することで、メリハリのある写真に仕上げていく。

No.01


赤と白の色が鮮やかなスキーウェアを撮る




写真・文:奥富信吾
1959 年生まれ。主に広告、出版、Web サイトなどの商品撮影に携わる。企業と消費者、出版社と読者をつなぐ仲介者と位置づけ、浸透力のあるビジュアルコミュニケーションを目指す。
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使用カメラ:ニコン D2X
ストロボ:フォトナ
パソコン:Mac Pro
ソフト:Photoshop CS3





●製品の魅力を際立てるテクニック

製品写真は、一瞬で見てどういう物かが判断される重要なカットです。イメージ写真の撮影とはベクトルが違い、製品写真の被写体は、撮る角度とライティングで表現しなければなりません。それ故、明快で分かりやすい写真に仕上げるには、撮影後のレタッチ処理でのさまざまなテクニックやそれらの組み合わせが重要となります。製品写真はごまかしが効きませんし、偶然性に頼ることもできないジャンルです。
今回はスキーウェアを例に、色鮮やかな写真を作るテクニックを紹介します。ライティングは左右傘トレで、商品を挟み込んで撮影。露出はウェアに向かって右側のライトを1段半落としています(写真1)。




▲写真1:修正前の写真(クリックで拡大)



▲写真2:修正後の写真(クリックで拡大)

●2枚の写真を重ねる
スキーウェアの地色の赤色とストライプの白の部分の反射率が違うために、赤の適正露出(レイヤー上部)で撮った写真と、白の適正露出(レイヤー下部)で撮った写真を、Photoshop上で重ねます。そしてレイヤー上部の白の分を切り取り、下部レイヤーの白の部分が見えるようにします。
次に別途ライティングを変えて撮影したロゴ部分を切り抜き、貼り付けて終了。修正前と修正後を比べると、くすんだ赤から抜けのよい赤になりました。ロゴも白く前面に出てきて全体がすっきりまとまりました(写真2)。


●ロゴは別撮り
ロゴをきれいに見せるためのカットを別途撮影します。向かって右側にトレペをたらして(直のライトにトレペを1枚かぶせて)、ライティングして撮影しました(写真3の上)。写真3の下のロゴはウェアと一緒に撮ったものです。



▲写真3:ロゴは別撮りで白のメリハリを生かす(クリックで拡大)



レイヤーに同じ写真を重ねる場合、きっちりと重なっているかどうかを簡単にチェックする方法があります。
レイヤーのダイヤログボックスを開き、上下同じ写真にします。上のレイヤーをアクティブにしておき「通常」を「差の絶対値」にすると、ちゃんと重なっていれば真っ黒になり、ずれていると写真4のようになります。

▲写真4:上下のレイヤーがずれている状態(クリックで拡大)


協力:株式会社フェニックス

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