・カメラマンにとっての3D CG基礎知識
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・プロカメラマンのための撮影データ管理術
・3ds Maxを用いた新時代写真術
・Capture One 徹底使いこなし術
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「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。
ショートカットやカスタマイズによるC1の使いこなしは、もうすでにここでは何度か取り上げている話だが、今回は特にベーシックな露出と色温度の調整について、効率的な調整をテーマに考えてみよう。撮影されたデータを調整するには露出と色温度の調整は欠かせないものだし、ザックリとした最低限の見栄えを整える上でもこの調整だけは必要になるはずだ。
撮影された写真がオートホワイトバランス、自動露出で撮影されていても、多少のバラツキはどうしても出てくる。いろいろな現像ソフトには自動補正という機能が付いているが、これ一発でだいたいOKとなることはない。これはC1とて同じだ。
そこで1枚ずつ補正と言うことになるわけだが、撮影カットの多い仕事をお持ちのフォトグラファーだと、マウスを持っている右肩だけ凝るとか、身体への負担は相当だ。
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◀まず、基本的なことから。C1の場合、各調整スライダーの上にマウスカーソルを乗せた状態(オンマウス)だと、マウスのホイールを回転させればスライダーを動かすことができる。
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◀また、スライダーの右にある数値ウィンドウをダブルクリックで全選択した状態では、キーボードの上下矢印(カーソルキー)で数値を変えられる。露出スライダーでは0.1刻みで動く。
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◀細かく調整をしたい時はこのカーソルキーでの調整は便利だが、そのままショートカットで違うツールを使おうとすると受け付けない。選択がこの数値ウィンドウになっているためだ。左のようにホワイトバランスのスポイトツールを使おうとして「W」キーを押したがツールの変更ではなく、直接の数値入力になってしまった。
こうなった時の対処法はエスケープキーを押すことで脱出できる。
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◀オンマウスでスライダーを動かす際、使用しているマウスで動きが違うことに注意したい。
このタイプはアップルの最近のマウスだが、物理的なホイールがないので指のちょっとした動きに反応しやすい。慣れればそれなりに快適に使える。
露出スライダーでは0.01刻みで動く。
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◀これは旧型のMagic Mouse。ホイールには若干のグリグリ感があるので動かしている実感がある。
露出スライダーでは0.01刻みで動く。
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◀小型の持ち歩き用マウス。
露出スライダーでは0.02刻みで動く。
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◀ワコムのペンタブレットをお使いのフォトグラファーも多いだろう。これはintuos4の専用マウス。
以上のマウスは当然ながら環境設定でホイールのスピードを変えることでスライダーの動きの刻みが変わる。画像処理専用のマシンを使っているユーザーならいざ知らず、大抵のユーザーは同じ設定でWebブラウザも見たりするので、ホイールのスピードは速い設定になっていると思う。
僕の場合もまさにそれで、このintuos4の専用マウスでC1を操作すると露出スライダーなどは0.3刻みで動いてしまう。そんなユーザーも少なからずいると思うので、解決策はないか? と考えた。
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◀ショートカットをカスタマイズしての方法だ。ショートカットのカスタマイズは以前も書いている。(No.7 ファイルブラウズからアルバムの作成まで ショートカットをカスタマイズしてセレクトを簡単に。) こちらも参考にして欲しい。
今回は露出などの調整のためのショートカットのカスタマイズだ。
まず、カスタマイズの前に現在の自分が使っているC1のショートカットを確認しておこう。ヘルプから「キーボードショートカット概要」を選択。ウェブブラウザでキーボードショートカットの一覧が出る。これをプリントアウトしておくと便利だ。
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◀変更するのは露出と色温度の調整にした。
僕の経験上、写真の明るさと色の変更が最も多いと思ったからだ。これはフォトグラファーそれぞれ、考えや価値観が違うので、ご自身の使いやすい調整箇所をショートカットに登録して欲しい。
以下の表が変更箇所と割り当てキーだ。割り当てキーは自分のやりやすいキーで良い。ノートPCをお使いのフォトグラファーだと矢印キーが独立していないこともあるので、他のキーにした方がよいかもしれない。
もちろん、デフォルトのままでショートカットを覚えてもよい。ただ、キーコンビネーションが3つのキーを同時押しは、僕にはやりにくく感じる。
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ショートカット |
デフォルト |
カスタマイズ |
露出を上げる |
⌃⌘+ |
+ |
露出を下げる |
⌃⌘- |
- |
コントラストを上げる |
⌃⇧⌘+ |
⌃⇧⌘+ |
コントラストを下げる |
⌃⇧⌘- |
⌃⇧⌘- |
彩度を上げる |
⌃⌥⌘+ |
⌃⌥⌘+ |
彩度を下げる |
⌃⌥⌘- |
⌃⌥⌘- |
色温度を上げる |
⇧+ |
⇧ 上矢印 |
色温度を下げる |
⇧- |
⇧ 下矢印 |
色合いを上げる |
⇧⌘+ |
⇧ 右矢印 |
色合いを下げる |
⇧⌘- |
⇧ 左矢印 |
ブラシのサイズを大きくする |
] |
] |
ブラシサイズを小さくする |
[ |
[ |
ブラシの硬さを上げる |
⇧] |
⇧] |
ブラシの硬さを下げる |
⇧[ |
⇧[ |
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◀僕のカスタマイズはあくまでもワンキーでしかも直感的なキーにこだわったものだ。
露出スライダーの上げ下げは「プラス」「マイナス」キーにした。フォトグラファーなら誰でも連想できるものだろう。
キーを1回押すごとに0.1刻みの上げ下げができる。
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◀色温度の調整は「シフトと矢印(カーソル)キー」での調整にした。
これも色座標からの連想で、上下方向は色温度を上げる下げる、左右方向はマゼンタとグリーンの調整、とフォトグラファーならすぐに連想できるはずだ。
矢印上下キーを1回押すごとに色温度なら50ケルビン刻みの上げ下げで、左右矢印キーを1回押すごとに色合いが1刻みでスライダーが動く。
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なお、画像の移動はカーソルキーでできる。参考までに「コマンド カーソルキー(矢印)」で一コマずつ移動する。
マウスを握り続けての調整は長時間になるとかなりつらい作業になる。すこしでも負担を少なくする工夫を今回は提案した。
人それぞれいろいろなやり方があると思うので、今回のカスタマイズで少しでも参考になればうれしい。
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