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第5回:アンコールワットをPhase One IQ160で撮る part2-2

ホテルでは朝食を食べた後、ゆったりと過ごしたというお話しは前回に書きました。中庭にプールがあるので、その周辺にある花がきれいです。

朝食後はこれらの花を撮って過ごします。

マニュアルフォーカスの120ミリMacroで、手持ちで花を撮るのは至難の業です。この写真の100%画像を見ていただくと分かると思いますが、花の最先端にしかピントが合っていません。ここに合わせるのに10枚近く撮った中の1枚です。IQ160の背面液晶で100%拡大してピントチェック。それを何度も繰り返しました。
実はこの前日にも撮影しているのですが、その時は「まあ大丈夫だろう」とその場でのチェックをしていなくて、夜、パソコンで確認したら使えるカットがなかったのです。愕然として、翌朝に撮り直したという顛末でした。

photo

Mamiya 120mm F4 Macro
ISO400 1/500 f6.3

ベイヨンで夕方ギリギリまで撮影していた時です。アンコール遺跡群では夜の立ち入りは禁止されています。観光客は夕方6時までに退去しないとなりません。普通のツアーではそんなにギリギリまでいられないのですが、僕たちは個人旅行なので、追い立てられるギリギリまで撮影していました。

遺跡群は基本的に寺院としても使っているようで、あちこちに線香や花が手向けられています。この写真はそんな場所で出会った1人の老女でした。

 

photo

Schneider AF55mm F2.8 LS
ISO400 1/160 f6.3

この時は夕景を撮っていたら、地元の少年たちが話しかけてきました。「僕たちはここの小学生で遺跡の保護のために活動している」みたいなことを英語で話してきて、こちらも「それは素晴らしいことだね!」と言っていたら、最後に寄付をしてくれ、ということで、結局お金と言うことになり…笑。やられたね~と女房と苦笑い。しかも20ドルだったか? 賢いことに、寄付ノートを持っていて、いろいろな国の人がこの金額を寄付してくれています、というのを見せてくる。外国の人たちは50ドルとか寄付していたりで…まさかと思うけど、そこまで巧妙な仕掛けというのは考えたくないことですが。

最後に「君たちの写真を撮りたい」と言うと、すんなりとOK。

でも、この写真を撮った後に「1人1ドルずつ」って! 笑

 

photo

Schneider AF80mm F2.8 LS
ISO200 1/80 f3.2

夕景を撮っているところに、奥の寺院から僧侶が出ていらっしゃいました。

「素晴らしい景色ですね」などと言いながら、写真を撮らせて欲しいというと、すんなりOKをいただき、立っていただきました。

すでに現地では6時近く、観光客は僕たちだけしかいません。静かな夕暮れだけが遺跡を包みます。こういう感じが本来の姿なんだろうなと、蝉の声を聞きながらホテルに戻りました。

 

photo

Schneider AF80mm F2.8 LS
ISO200 1/13 f5.0

町中にはこういう露天商が至る所にあります。固定した店舗を持っていない、たぶん、持てないのだと思いますが。このお店は鍵屋さんです。現代は携帯電話があればどこでも商売できますからね。それは日本もカンボジアも同じです。

僕も英語はできないので、「Photo OK?」みたいなことを言いながら、カメラを手に持っていれば、それで通じます。カンボジアでは断られることはありませんでしたし、お金を要求されることも少なかった。写真を撮るには良い国だなと、感じました。

 

Photo

Schneider AF55mm F2.8 LS
ISO400 1/125 f5.0

町中を歩いていると、子供が人なつこく笑ってきます。瞳がきれいです。

645DFは中心部にしかAFポイントがありません。僕はカスタムファンクションで親指AFオンに設定しています。これはよく使うキヤノンでも、そのような設定をしているからです。35でも中判でも同じように撮りたい。それが理想だと思います。

645DFは35デジタル一眼と同じとは言えませんが、近いレベルでの撮影は可能です。

 

Photo

Schneider AF55mm F2.8 LS
ISO400 1/250 f10

ツゥクツゥクで遊んでいる子供たち。

 

Photo

Schneider AF55mm F2.8 LS
ISO400 1/200 f9.0

シェムリアップの中にオールドマーケットと呼ばれる市場があります。海外に行った時、時間に余裕があれば市場に寄るのですが、どの国も活気に満ちあふれていて楽しい場所です。どこかの小説家が言った言葉に「その国を知るために最も早い方法は、朝の市場と夜の風俗街に行くことだ」と言ってましたが、まさにその通り。

日本の女性にはかなり厳しい場所ですが…ニオイと、置いてある物が強烈です。

ここは照明もなく、天井からの光だけです。このように暗い場所では、高感度に上げられる35デジタル一眼の方が有利です。Phase One IQシリーズには、sensor+と言って、画素を1/4に落として、その分高感度に上げられる機能が付いています。ここではそれがあったおかげでこの写真が撮れました。

現像時にもっとノイズは減らすことは可能ですが、このくらいにしておいた方が臨場感があると思い、ほとんどデフォルトで現像しています。

 

Photo

Schneider AF55mm F2.8 LS
ISO3200 1/100 f4.5

オールドマーケットから出てきたところ、町行くバイクと、中側のオールドマーケットの対比が面白かったので撮りました。

この写真は失敗です。先ほどのオールドマーケットの中の設定のまま、この写真を撮ってしまいました。sensor+を使って、ISO3200のままだったのです。そんなことよりもシャッターを切りたかった。

 

Photo

Schneider AF55mm F2.8 LS
ISO3200 1/1500 f20

ホテルの庭にて。

Macroレンズを持っていくと、こういう楽しみがあります。

 

Photo

Mamiya 120mm F4 Macro
ISO400 1/200 f5.0

Photo

Mamiya 120mm F4 Macro
ISO800 1/1250 f5.6

僕たちが到着した時にはまだつぼみだった蓮の花が咲きました。

ここまでマクロで寄ると、良いところにピントを合わせて、ブレずに撮るという基本が、本当に難しい。中判デジタルを使っていて、あまりに成功率が低いので、落ち込むことがあります。それは今のデジタルカメラが誰が撮ってもそこそこきれいに、そして失敗がないように撮れてしまうから、それと比較してなんです。信じられないような高感度、そして強力な手ぶれ補正…それと比較すると中判デジタルの失敗の確率は異常です。

でもそれで決まった時の感覚を味わうと、35デジタル一眼できれいに撮れても満足感を感じられないようになってしまいます。

 

Photo

Mamiya 120mm F4 Macro
ISO400 1/1000 f4.5

現地の足として使われているツゥクツゥク。欧米からのおばちゃん4人組を乗せています。拡大してみてみると、ホンダの125ccなんですね。日本のバイクの優秀さに驚きます。

 

Photo

Schneider AF55mm F2.8 LS
ISO400 1/180 f11

最終日、遺跡の上で夕日を見てから、その足で空港まで行きました。その日の23時のソウル行きの飛行機で帰ります。

帰る時間のギリギリまで写真を撮っていられるのは幸せなことです。

夕日の色はその国によって違います。ここでは乾期のせいか、ホコリが空中に多いのか、黄色い夕日になります。

そんな夕日を堪能して空港に行きました。空港でTシャツ短パンから、ダウンジャケットに着替えて、真冬の日本に戻りました。

 

Photo

Mamiya AF 35mm F3.5
ISO400 1/400 f5.6

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