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第4回:アンコールワットをPhase One IQ160で撮る part1-2

●IQ160による作例

ここに上げてある写真はすべてIQ160で撮影されています。Flickrに100%高解像度の画像がありますので、ダウンロードしてご覧いただければ、中判デジタルのすごさがご自身で体験できるでしょう。

なお、画像には写真情報と、GPSデータも入っていますので、地図を参考にされるとより楽しめると思います。

今回の旅行は旅行サイトのエクスベディアで自分で手配しました。仕事で行く海外は代理店などがすべて手配してくれるのですが、個人だと自分でそのあたりは手配することになります。以前は勝手が分からなかったのと、今のようにインターネットが普及していなかったので、旅行代理店でのツアーで行ったことが多かったのですが、余計な時間を取られる(おみやげ物店に連れて行かれるとか)ので、最近はこのようにネットで自分で手配しています。

利点としては、好きなだけ撮影現場にいられる点。今回はとにかく観光地で人が多いだろうと言うことを見越して、個人で動くことを決めていました。

シェムリアップ国際空港からホテルまではタクシーを使ったのですが、そのタクシー運転手から「明日はどうするの?」と聞かれて、アンコールワットに行くと答えたら、自分のタクシーをチャーターしてくれ、と営業されました。僕たちも何もプランを考えていなかったので、ちょうどよいからと言うことで、そのタクシーを頼むことにしました。

アンコールワットの付近では国際的観光地と言うこともあり、ほとんど簡単な英語で何とかなります。

翌朝、ホテルまで迎えに来てもらったそのタクシーで、アンコールワットに行きました。アンコールワットへは入場するのにチケットを買わないとなりません。そのブースも相当混んでいるのですが、運転手の案内で迷うこともありませんでした。

無事にアンコールワット遺跡まで移動して、タクシーと別れます。遺跡内部には歩いて入るしかありません。タクシーはその外で僕たちの帰りを待っています。

右の写真はアンコールワットに入った最初のところです。12月31日でした。世界中からここに来ている、その観光客がどれだけ多いか、おわかりいただけるでしょう。

photo

Schneider AF80mmF2.8 LS
ISO200 1/320 f12

観光地に行って、観光写真ではないものを撮りたい…誰しも思うことです。でもなかなか難しいことです。

人がひっきりなしに通る場所を避ける、人がいなくなるのを待つ…フォトグラファーにできることはわずかです。

メインの通路から一歩入った回廊です。ちょうど若い僧侶がいらしたので撮影させていただきました。CaptureOne7でモノクロームにして、袈裟の色だけ残しました。

 

photo

Mamiya AF 35mmF3.5
ISO200 1/125 f5.0

アンコールワットの随所に仏像があります。内戦の時代には多くの仏像が破壊されていますが、少しずつ修復しています。撮影の際もここは今でも宗教施設だと言うことを忘れないようにします。

建物の中はほとんど照明がないので、差し込んだ太陽光がないところでの撮影は高感度で対応します。三脚は持っていきますが、施設内では使用禁止です。IQ160では最高感度がISO800なので、ここではその最高感度まで上げて撮りました。35ミリという広角レンズですが、このクラスの画素数の中判デジタルは手ぶれに非常にシビアです。と同時に開放なのでピントの位置もシビアです。撮れる時は何枚も撮って、背面液晶で100%拡大して確認する、という方法を使います。IQシリーズはタッチパネルなので、この一連の流れが非常に楽です。

 

photo

Mamiya AF 35mmF3.5
ISO800 1/60 f3.5

アンコールワットの中心部に登ることができます。

ここに限りませんが、どこも急峻な階段で、カメラを担いで上るのは僕の年齢(52歳)でも大変なことです。この写真で細部を見ていただければ分かると思いますが、もっとお歳の方も多いのがさすが世界遺産ですね。

 

photo

Schneider AF55mmF2.8 LS
ISO400 1/250 f10

アンコールワットに行くにあたり、レンズをどうしようかと悩んでいました。手持ちの広角はこのマミヤの古い35ミリです。ヤフオクで中古で買ったものですが、絞って使うとてきめんに解像感が落ちてしまい、しかも、IQ180などの高解像度のデジタルバックだと、その傾向が顕著なレンズです。

せっかく憧れだったアンコールワットに行くのに、古いレンズで撮って、どうしようもない写真になったらがっかりだな、と思っていました。でも、さすがに買うわけにも行かず…結局、持っていって使いましたが、結果は悪くないと思います。

この写真ではシャッタースピードが遅いので、手ぶれを起こしていますが…。

手の何本かを修復しているのが分かりますね。

 

Photo

Mamiya AF 35mmF3.5
ISO400 1/30 f3.5

橋の欄干にあるモニュメントです。カンボジアでの宗教上のものらしいです。

これも半分が修復されているのがよく分かります。現地ではそんなことにも気がつきませんでしたが、パソコンでよく見るとそれが分かります。こんなところに高解像度の中判デジタルのすごさが伝わりますね。

逆光ですが、C1で空の色を出しています。これも、ダイナミックレンジの広い中判デジタルとC1の組み合わせならではでしょう。

 

Photo

Mamiya AF 35mmF3.5
ISO400 1/30 f3.5

ようやく日が暮れてきます。

熱帯地方ですが、1月は乾期になります。雨は降らず乾いた暑い日が続きます。観光には適している時期ですが、ホコリっぽく、昼間は暑くて身体に応えます。

写真的にも昼間の高い光よりは、朝夕の光の方がよほど良い写真が撮れますね。団体で動くツアー客も夕方になると少なくなってきますから。この写真もそんな時刻の1枚です。

 

Photo

Schneider AF80mmF2.8 LS
ISO200 1/250 f7.1

翌日の1月1日元旦の初日の出を撮りに行きました。アンコールワットではこの日の出の写真は名所中の名所です。世界中の人がこの時間、ここを目指してきます。

僕もそれを目指していきました。が、あろうことか、三脚をホテルに忘れて出発してしまったという大失態…三脚なしで撮れるわけないのです。ですが、もう引き返して取りに行くわけにも行かず、そのまま手持ちで現場に行きました。現場に行って驚いたのは4時半くらいの早朝なのに、すでに池の撮影に良い場所は人で一杯だったこと。ここは管理された場所なので、朝5時にゲートが開くのですが、その時間に行ったのではすでに遅いのです。係官が早めにオープンにしてしまうので、この写真を撮りたい人は4時くらいに行った方がよいかもしれません。

現場について、池に面した場所を探します。そうでないとこのように水面に映ったアンコールワットにならないので。まだ僕たちは早めの方だったのですが、後から来る人がどんどん割り込んできます。たいていはマナーの悪い中国系の人ですが…。

それはさておき、三脚がないので、なんとかぶれずに撮る方法を模索していました。IQシリーズにはsensor+と言って、画素数は落ちるが、感度を上げるテクノロジーがあります。それを使って感度を上げて、さらにミラーアップして何枚も切った中のカットが右の写真です。

 

Photo

Schneider AF80mmF2.8 LS
ISO1600 1/40 f3.2 sensor+

こちらは少し明るくなってから、sensor+を使わずにISO200で撮ったもの。ピントの位置が前過ぎですね。

ピント位置はライブビューを使ったり、AFを使ったりしましたが、三脚なしではどちらも厳しい。それでも数枚は何とかなったカットが撮れたのはラッキーだったでしょう。

 

Photo

Schneider AF80mmF2.8 LS
ISO200 1/50 f3.2

遺跡とは反対側の池の畔です。この位置がベストポジション。でもここの場所を陣取るのはかなり早い時間から行かないと無理です。世界中からここに来ているのがよく分かりますね。

 

Photo

Schneider AF80mmF2.8 LS
ISO200 1/80 f2.8

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