○ディテールの描写にこだわって仕上げる
ノイズ処理の基本方針が決まったら、最後はディテールの描写をコントロールする。「高度なノイズ除去」で「詳細」を強調すると、ノイズ除去で失われやすいディテールを復活させてくれるが、強くかけすぎるとノイジーになる。「粒子」は逆に粒子感を出す処理で、ほどよくざらついた感じにしたいときにいい。
もう1つ「シャープニング」の調整も大切だ。これはエッジをシャープにするもの。「しきい値」(閾値)はエッジかどうかを判断する基準を変えるもの。これを下げると全体がシャープになり(ノイズも強調される)、これを上げるとシャープネスがかかるところとかからないところが出てくる。
「シャープニング」は、強くかけすぎるとエッジが極端に浮いて不自然になるが、弱すぎると全体に甘い感じの写真になる。どのくらいがちょうどいいか。これ、被写体や出力先次第なところがある。
被写体によって多少ざらついた方が臨場感が出ていいこともあるし、ちょっとしたノイズが気になることもある。画面で100%表示(いわゆる等倍表示)でチェックして問題なくても、全体表示にして(つまり少し縮小した状態で)見ると違和感があったり、画面ではよくてもプリントすると甘く見えたり(一般にプリントするときはシャープネスを強めにかけた方がいい)、これはもう最終出力と元データのノイズ次第。
ただ、もともと高感度で撮ったものは、元データ全体にノイズが乗っているので、どれだけノイズ除去をかけても低感度で撮ったときの滑らかな写りにはならない。個人的には、暗い場所で感度を上げて撮ったのだから、そのざらついた感じを適度に生かしたいかなと思う。
[1] [2] [3] [4]
|