○ノイズを上手にコントロールする
今回はもうひとネタ。デジタルカメラはその構造上、ISO感度を上げれば上げるほどノイズが増える。それでは困るので、JPEGで撮影するときはカメラ側でデジタル的なノイズ低減処理をかける。
ノイズを減らしすぎるとディテールが失われて、もやっとしてしまう。ディテールを保とうとするとノイズも残っちゃう。この辺のさじ加減が難しく、各社とも新製品が出るたびにノイズ低減処理を進化させてきた。
だがしかし、あまりノイズを消されてもその分不自然になっては台無し。時には高感度時のざらつきを残したいこともある。ノイズをどのくらい残したいかどのくらい消したいかはどんな意図でどんなテイストの写真を撮りたいかで変わるのだ。
RAWデータは「ノイズ低減処理をかける前」のデータなので、CaptureOneを使えばノイズ除去の具合を細かく調節できる。ノイズ除去は「詳細」タブで行う。まずは、ノイズ除去を「ゼロ」にした状態。
ここからコントロールしてみる。ノイズには一般に「輝度ノイズ」と「色ノイズ」の2種類がある。輝度ノイズというのは写真のピクセルごとに輝度(まあ、明るさ)のバラツキがどんどんランダムに出てくること。
すごくザラザラした感じになる。色ノイズは偽色ノイズということも多く、ピクセルごとにあり得ない色の点がランダムにまじってくること。上の例だと白いはずのところに青や緑や紫やそんな色が混じってるのが分かると思う。どっちが気持ち悪いかというと、だいたい偽色ノイズの方。不自然なノイズになる。なのでこちらから。ノイズ除去の「カラー」を強くかけてみる。
見事に偽色が消えてざらつきだけが残った。逆に輝度ノイズだけを消してみる。CaptureOneでは「ルミナンス」と表示されている。
そうするとざらつきは減ったけど、不自然な偽色は残ってる。思い切って全部最強にしてみる。
そうすると、確かにノイズは消えて滑らかになったけど、のっぺりして不自然な絵になってしまった。ディテールもちょっともやっとしている。これはなんだか気持ち悪い。
で、あれこれ自分でその写真のテイストに合わせて微調整するのだ。彩度を下げてノイズ除去も少なめにしてわざとざらつきを強調してもいいし、逆に全体に明るくノイズもなく撮影環境の暗さを消す方向に調節してもいい。
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