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「Capture One」スタートアップ講座

○露出ツールでハイライトとシャドウを救う

デジタルカメラについてまわるのは「ダイナミックレンジ」の問題。一般に撮像素子が大きければ大きいほど、ダイナミックレンジは広くなるが、それでも足りないことは多く、露出を変えて撮影した写真を合成してダイナミックレンジを広げる「ハイダイナミックレンジ」(いわゆるHDR)という手法が一般的になっているほどだ。

だがしかし、RAWデータにはJPEGで保存した写真よりずっと広いダイナミックレンジのデータが含まれている。

今回の例は撮像素子が小さなマイクロフォーサーズで撮っているのだけれども、それでもこれだけ残っているのだ、という話。

たとえばこの写真。朝の海を逆光で撮ったもの。構図のちょっと上に太陽があり、空はそのせいでかなり白飛びしてる。



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▲逆光気味で空が白くなっている(クリックで拡大)

ここで「露出」ツールから「ハイダイナミックレンジを実行してみる」。注目は「ヒストグラム」。ヒストグラムは左がシャドウ部で右がハイライト部。元写真のヒストグラムを見ると右端にピークがある。白飛びしてるのが一目瞭然だ。「ハイダイナミックレンジ」の「ハイライト」のスライダーを右端に持って行ってみる。すると白飛びしていた空が復活した。



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▲ヒストグラムを見ると、ハイライト部がぐっと抑えられたのが分かる(クリックで拡大)(クリックで拡大)

RAWデータに残っていたハイライト部の情報をギリギリまでひっぱりだしたのである。どのくらい残っているかはもうカメラ次第で、撮像素子が大きなカメラならもうちょっと残っているだろう。コントラストが強い日向と日陰が混在する路地でもこのように。

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▲逆にシャドウ部を復活させることも。古い小さな造船所越しに見た海。露出を屋外に合わせたので影の室内は暗くつぶれてる。でもシャドウ部を持ち上げてやるとほんのりと復活して様子が見えてくる(クリックで拡大)


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▲コントラストが強い炎天下で撮ったカットは、「コントラスト」を調整して弱めるより、ハイライトやシャドウをそれぞれ調節した方がイメージ通りに仕上げやすい。順光で撮った小さな漁港の写真を例に。空の青さは多少明るさを抑えた方が色が濃く出る。ハイライトを抑えて彩度をちょっと上げてやるだけで印象がずいぶん変わるのだ(クリックで拡大)

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▲まず自分のカメラの実力を…特にダイナミックレンジと高感度時のノイズについてはこういった極端な処理をしてチェックしておくのがよいかと思う(クリックで拡大)


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