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「Capture One」スタートアップ講座

○RAWデータとJPEGは何がどれだけ違うのか。

・ホワイトバランス

では実際に、RAWデータはJPEG画像と何がどのくらい違うのか。たとえばデジタルカメラには「ホワイトバランス」という項目があり、光源に合わせて色を調整してくれる。

実は、RAWデータはホワイトバランスを決定する前のデータ、JPEGはホワイトバランスを決定した後のデータだ。

だから、白熱灯の下で撮った場合、白熱灯の赤みを生かしたいときもあれば、消したいときもある。撮影前にそのようにホワイトバランスをセットしてもいいが、RAWデータならあとからホワイトバランスを自由に変えられるのだ。

例を見てみよう。白熱灯下で、太陽光モードで撮った写真をCaptureOneで開いたものだ。当然ながら、白熱灯のオレンジ色が強く出ている。

右写真①〜③

せっかく白熱灯下で撮ったのに、照明の雰囲気が消えるのはちょっと、と思ったら少し赤みを残せばいい。この辺の色の調整が自在なのがRAWの良さだ。

 

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①白熱灯のオレンジ色が強くかぶった写真になっている(クリックで拡大)。RAWとJPEGの両方で撮影したので、まずはJPEGの方で色を調整してみよう(↓)

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②JPEGで白いところが白くなるように補正しようとしたが、JPEGにした時点で青成分が失われているので不自然な色にしかならない(クリックで拡大)。対してRAWデータだとどうか(↓)

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③白いところが白くなるよう補正すると、しっかり元の色が再現された(クリックで拡大)

・露出

次は露出の話。いうまでもなく露出はシャッターを押した時点で決定してるので、いくらRAWデータとはいえ後からどうこうすることはできない。でも実は、JPEGデータに比べるとハイライト部やシャドウ部の情報量がRAWデータの方が遙かに多いのだ。JPEGにする時点で不要なハイライト部やシャドウ部をかなり捨ててるのである。

だから、RAWデータなら±1段くらいなら後でも余裕で調整できる。どのくらい余裕を持ったデータになっているかはカメラの性能によりけりだが、フルサイズのデジタル一眼レフクラスならかなり調整の余地があるのだ。

たとえばここに、露出オーバーの桜の写真がある。その前のカットのセッティングそのままで撮ってしまったからである。JPEGとRAWでハイライト部の復活を試みてみよう。

右写真④〜⑥

RAWデータならこれだけハイライト部が復活する。分かりやすいよう極端な例を2つあげてみたが、RAWデータならあとからこれだけ調整できるのだ。

他にも、色合いや彩度のコントロール、高ISO感度で撮ったときのノイズ低減処理(わざとざらつきを残したいこともあるしね)も調整できる。

いくらRAWデータでもどうしようもないものはあるが(少なくともフォーカスやブレはシャッターを切った時点で決まってるのであとから直すことはできない。多少ごまかせる程度だ)、それ以外はかなり自由にイメージを作れるのだ。具体的にどうするかは、今後のお楽しみということで。

[1] [2] [3]

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④桜の花びらにマクロレンズで寄ってみた。でも花が白飛びしてしまっている。間違ってプラスの補正で撮ったから(クリックで拡大)

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⑤JPEGでハイライト部の復活を試みてみる。当然、白飛びしたところが暗くグレーになっていくだけなのでどうしようもない(クリックで拡大)

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⑥RAWデータで同じ処理をしてみたらどうだろう。失われたと思っていたハイライト部がちゃんと復活して花びらのディテールが見えてきた(クリックで拡大)




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