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PCJのライティング講座では、実際の仕事の現場から、さまざまな事例を紹介していく。
今回は写真に後からハイライトを加える方法を紹介する。


No.05


ライティングは撮るから描くへ、
写真に「ハイライト」を加える




写真・文:奥富信吾
1959 年生まれ。主に広告、出版、Web サイトなどの商品撮影に携わる。企業と消費者、出版社と読者をつなぐ仲介者と位置づけ、浸透力のあるビジュアルコミュニケーションを目指す。
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使用カメラ:ニコン D2X
ストロボ:フォトナ
パソコン:Mac Pro
ソフト:Photoshop CS3






●Photoshopでハイライトを加える

デジタル写真が主流となった現在、撮影画像の加工や合成が短時間でできるようになり、Photoshopをはじめとするグラフィックソフトは、カメラマンにとってもなくてはならない道具となりました。今では、撮影の現場では後に加工することを考えてどこまで撮影を進めるかを見極めることが、最終的な写真の出来を大きく左右するところとなります。

今回紹介する作例は、後処理を加えることを想定し、撮影を一歩手前で終了させ、後はデジタル加工に委ねる方法を取っています。

では2つの作例を紹介していきましょう。今回は、実際の撮影でハイライトが思ったように入らない場合があるので、そういったときに使いたいテクニックです。

●チューリップに窓からさし込んだ光を加える


▲撮影したばかりの「元画像1」(クリックで拡大)


▲「完成画像1」(クリックで拡大)

まずチューリップの撮影を行います。ハイライトを後の作業で描き加えることの方が良いと判断したため、通常のライティングで撮影しました。このハイライトのないチューリップの写真(元画像1参照)に、窓からの日差しを描き加えるテクニックを紹介します。

まず「元画像1」に、ペンツールで窓枠を作って加えます(画像1)。次にレイヤーパレットのパスから選択範囲を作成します(画像2参照)。選択できたら窓枠をグレー値(R90、G90、B90)で塗りつぶし(画像3)、それを反転させガラス面を白(R250、G250、B250)で塗りつぶします(画像4)。

次に窓をぼかします。メニューバーからフィルター~ぼかし~ぼかし(ガウス)を選択し、半径25ピクセルに設定して窓をぼかします。不透明度70%、塗り70%に設定し、背景になじませます(画像5)。レイヤーパレット通常からオーバーレイにして完成です(「完成画像1」)。

写真はレイヤーにしておくことによりハイライトを自由に移動したり変形させることができます。


▲画像1(クリックで拡大)


▲画像2(クリックで拡大)


▲画像3(クリックで拡大)



▲画像4(クリックで拡大)



▲画像5(クリックで拡大)


●口紅にハイライトを描き加える



▲撮影したばかりの「元画像2」(クリックで拡大)


▲「完成画像2」(クリックで拡大)


口紅の写真は、ハイライトが納得のいく形にならないことが多いので、後から加えることを想定して撮影を行います。

撮影した「元画像2」に、ペンツールを使いハイライトを加えていきます(画像6)。レイヤーパレットのパスから選択範囲を作成します(画像7)。選択範囲を白(R250.G250.B250)で塗りつぶします(画像8)。

次に先ほどと同様にハイライト(半径15ピクセル)をぼかします(画像9)。口紅と口紅の間を消しゴムツールを使い消していきますハイライトのレイヤー不透明度90%塗り90%にします。

レイヤーパレットを通常からオーバーレイにして終了です(「完成画像2」)。



▲画像6(クリックで拡大)


▲画像7(クリックで拡大)


▲画像8(クリックで拡大)



▲画像9(クリックで拡大)


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