・カメラマンにとっての3D CG基礎知識

・スチルカメラマンにとってのムービー撮影を考える

・プロカメラマンのための撮影データ管理術

・3ds Maxを用いた新時代写真術

・Capture One 徹底使いこなし術

・PCJライティング講座





PCJのライティング講座では、実際の仕事の現場から、さまざまな事例を紹介していく。今回は、撮影した写真のライティングを、Photoshopによってガラリと変えてしまうテクニックを紹介します。

No.03


化粧品の写真をPhotoshopで仕上げる




写真・文:奥富信吾
1959 年生まれ。主に広告、出版、Web サイトなどの商品撮影に携わる。企業と消費者、出版社と読者をつなぐ仲介者と位置づけ、浸透力のあるビジュアルコミュニケーションを目指す。
→メール

使用カメラ:ニコン D2X
ストロボ:フォトナ
パソコン:Mac Pro
ソフト:Photoshop CS3





▲筆者による作品例



現在のカメラマンは、撮影技術とデジタル技術の両面を生かして仕事をすることが主流になっています。特に物撮りの場合など、撮影をどこまでしておくか、どこからデジタル加工などの後工程で仕上げるか、あるいはワンショット写真で進めた方が良いのか、さまざまなアプローチが考えられるため、判断が難しいところです。
今回は男性用香水と口紅を例に、撮影とデジタル加工による撮影アプローチを紹介します。

●作例1:男性用香水

まずカメラで撮影を行います。商品のライティングはフロントトップで、バックを白く飛ばします(写真1)。最終的に瓶の上部に水滴を加えて撮影終了。撮影後に問題点がいくつか発生したので、Photoshopを用いてデジタル処理を加えることにした。

1点目の問題点は、キャップがフラットに見えてしまうのでライティングをフロントトップから右サイドに変更した。2点目は、ミスト用のチューブと瓶の内側の黒いラインが気になるので、スタンプツールを用いて消去。最後に3点目は、香水のブルーの色が浅くなっているため、新規調整レイヤー~トーンカーブ、色相、彩度を使って調整し、深みのある青に変更した。そして完成したのが写真2となります。




▲写真1:最初のカット(クリックで拡大)



▲写真2:完成写真(クリックで拡大))

●作例2:口紅
次に口紅の物撮りの例です。白バックで撮影してしまった写真をグレーバックにする方法として紹介します。

白バックで撮影した元画像(写真3)をPhotoshopに読み込み、レイヤーパレット上部(背景ではなく)をアクティブにし、メニューバー〜フィルター〜表現方法〜ソラリゼーションを選択します(写真4)。このままだと黒くなりすぎるので不透明度、塗りを40%くらいにします。まだ商品がアンダーになってしまうのでソラリゼーションを感じさせながら口紅部分を消しゴムツール(不透明度30%、流量30%くらい)で消去して完成としました(写真5)。



▲写真3:白バックで撮影(クリックで拡大)



▲写真4:ソラリゼーションで背景を黒くする(クリックで拡大)



▲写真5:完成写真(クリックで拡大)



↑Page Top

| ご利用について | 広告掲載のご案内 | プライバシーについて | 会社概要 | お問い合わせ |
Copyright (c)2010 colors ltd. All rights reserved