・カメラマンにとっての3D CG基礎知識

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・プロカメラマンのための撮影データ管理術

・3ds Maxを用いた新時代写真術

・Capture One 徹底使いこなし術

・PCJライティング講座





「Capture One Pro」 (以下C1Pro)はカメラマンがRAWファイルを最適化する際、色再現や画質のブラッシュアップなどの一連の作業を大幅に向上させるツールだ。ここでは実際の作業からC1Proの使いこなしを考えていこう。


No.14


Capture One 6.2でキヤノン、ニコンのカメラコントロール





文:湯浅立志
1961年、群馬県生まれ。東京写真専門学校卒業後、広告写真スタジオの社員カメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、Web媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。デジタル集団「電塾」の運営委員としてデジタルフォトの啓蒙活動にもつとめる。
有限会社Y2代表。(社)日本広告写真家協会会員。


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「Capture One Pro 6 Box」 49,800円
対応OS:Windows XP/Vista/7、
Mac OS X 10.5.8〜10.6

日本総代理店:DNPフォトルシオ
http://www.fotolusio.jp/business/
captureone/index.html

Phase One
http://www.phaseone.com/




去る4月末にアップデートされたCapture One 6.2だが、すでに日常的にお使いのフォトグラファーも多いと思う。僕もその1人だが、アップデート後、かなり不安定な印象を持っていた。その改善としてマイナーバージョンアップがリリースされている。

Capture One 6.2.1

このリリースは特に8コア以上の Mac での安定性が改善されているということだ。僕が仕事で使っているMacProは2台とも8Coreだったので、6.2がかなり不安定だと思ったのはここに原因があったと思われる。6.2.1にバージョンアップ後は安定感で言えばかなり改善されている。仕事で使うのに新しいバージョンをまだためらっているフォトグラファーにも、そろそろ使ってもよいレベルだとお薦めできるようになったと思う。

今回は6.2のバージョンアップの中で、僕が最も便利だと思う機能を紹介したい。前回でも触れたが、連結撮影したニコン、キヤノンのカメラのシャッタースピード、絞り、ファイル形式などがC1から変更できるようになったことだ。

過去に連結撮影についてはこの連載で何度も書いているが、今回のバージョンアップでますますC1の使い勝手は上がった。もはや連結撮影では他のアプリケーション(カメラメーカー純正も含めて)とは比較にならないほど洗練されて来たと思う。



6.2からカメラツールに連結撮影対応のカメラをPCに接続すれば、このように認識される。

ここから接続されたカメラの各設定が可能だ。


◀ファイル形式。

これはカメラに準じる。左の例はニコンD7000。

◀キヤノン1Dsmk3の例。


◀ISO感度。


◀ホワイトバランス。

◀カメラコントロールツールではシャッタースピード、絞りなどの調整ができる。

◀「プログラム」はカメラの撮影モードのことだ。左の例ではキヤノン1Dsmk3だが、このカメラのようにソフト的に撮影モード切り換えができる機種もある。ニコンD7000などはカメラ側が物理的なスイッチでモード切り換えをするので、C1側でのモード切り換えはできない。

左の例はニコンD7000。プログラムがグレーアウトしている。ここはカメラ側で手動で切り換える。

なお、絞り、シャッタースピードのステップも1/3、1/2と切り換えができる。


◀シャッタースピード。
◀絞り。 ◀露出補正。

実際にスタジオなどで使ってみれば分かるが、C1でカメラ設定のほとんどが替えられるのは本当に便利だ。

さて、ここまで便利になったカメラコントロールだが、やはりPCライブビューが使えないことが残念な点だ。以前からこの要望は多くのフォトグラファーから上がっていると思うが、実現はしていない。

現状、その妥協として、C1を使いつつメーカー純正アプリも併用という方法を解説しよう。


◀キヤノンを例に取る。

まず、C1ではカメラをPCに接続すると自動認識されてしまう。

これをカメラツールからカメラ「なし」にすれば切り離される。


◀カメラをC1から切り離したら、カメラメーカー純正のキャプチャーソフトを立ち上げる。キヤノンの場合は「EOSUtility」

これで再びPCとカメラが接続されたことになる。ここでその設定を変える。

EOSUtilityの環境設定から「保存先フォルダ」をC1が使っている「キャプチャフォルダ」に変更する。つまり、C1とEOSUtilityで同じフォルダに撮影画像が入るようにする。


◀C1のキャプチャファイル設定で撮影画像がどのフォルダに入るかが分かる。この撮影先とEOSUtilityの保存先を同じフォルダにする。


◀次にもう一工夫。

C1での撮影と、EOSUtilityでの撮影が混在する撮り方をする時はファイルネームも同じにしておくと便利だ。

この例では「IMG_00001」のように「名前_5桁のカウンター」というようにC1とEOSUtilityは同じ設定にした。

◀EOSUtilityを使って撮影、それをC1ですぐに表示させたい。それにはC1側の設定で「ホットフォルダを有効」にチェックを入れる。ホットフォルダは先に設定したキャプチャフォルダだ。


◀さらにEOSUtility側でも連携が取れるようにする。

EOSUtilityの環境設定から、「連携ソフト」を「CaptureOne」にしておく。

こうすると、シャッターを切ったら、すぐにC1の画面表示が手前にくるようになる。


◀C1とEOSUtility併用の画面はこんな感じになる。メーカー純正のキャプチャーソフトなので当然、PCからライブビューも可能だし、縦位置横位置を事前に替えておくことも可能だ。

シャッターを切ったらすぐにC1で表示されるので、使い勝手としてはよいと思う。

◀PCライブビューでの撮影がほとんどというフォトグラファーも多いだろう。いちいちC1がカメラを自動認識してしまい、その度に「なし」を選ぶのは面倒だという人にはカメラの認識をしない設定もある。

C1の環境設定から「キャプチャ」の項目でプロバイダーを使用カメラメーカーのチェックを外してしまえば自動接続されないようになる。左ではキヤノンのカメラを認識しないようにしたところだ。


◀この変更をするとC1の再起動が必要となる。再起動後はキヤノンのカメラは認識されないようになる。

この設定は自分で認識しないようにしたことを忘れてしまうと、いざ、キヤノンのカメラでC1を使いたい時に接続できないで慌てることになる。チェックを外したらくれぐれも忘れないようにしたい。



ニコン、キヤノンでの連結撮影が6.2によってかなり便利になったことがお分かりいただければうれしい。

今回、PCJのレビューページで
C1でコントロールできるストロボ、「プロフォトD1」の解説も書いている。これを組み合わせると、C1からカメラもストロボも一元的にコントロールできるようになる。スタジオ撮影の多いフォトグラファーにとって、これほど快適な環境が簡単に手に入るのは驚くことだろう。ぜひこちらもお読みいただきたい。

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