●ビル街にて実写テスト
DNPフォトルシオさんよりレンズをお借りしていた10月に東京は台風に見舞われ、テスト予定だった週末がほとんどつぶれてしまいました。ようやく外に持ち出せたのは返却期限の前日のたった1日でした。本来ならどこかに出かけての撮影予定でしたが、時間的余裕がなく近場での撮影になりました。
最初に行った場所は赤坂の日枝神社です。駐車場から歩いて行くと石段があり、その先に門が見えます。暗い石段の先に見える門は、更に神聖なものと感じられました。
P45+でISO400は実用上、最高感度です。三脚を使えないところでは、明るいレンズと、高感度は必須ですが、ここではその限界とも言える状況でした。開放近くでも十分な描写力があります。
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PHASE ONE AF45mmF2.8D
ISO400 1/160sec f3.5
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開放での撮影です。ピントの合っている部分はあくまでもシャープ。そこを外れるとぼけてきますが、二線ぼけの傾向があるようです。
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PHASE ONE AF35mmF3.5D
ISO400 1/80sec f3.5
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これも開放での撮影でした。画像の周辺部、空と屋根の境目でのハイライトのにじみがあります。絞り開放で、しかも周辺部という最悪の部分ですから、このくらいは出てしまうでしょう。中心部の看板の金色など、質感描写は開放でありながら、ここまでの描写というのは驚きます。
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PHASE ONE AF35mmF3.5D
ISO400 1/125sec f3.5
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西側の階段ですが、都市部の神社なので、西日がビルに遮られます。昼でもそれほどまでは明るくない場所です。
ここも絞り開放で撮るしかない状況でした。1/30秒なので若干のブレがあります。中判デジタルを手持ちで撮るという意味で、限界点と言えるでしょう。
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PHASE ONE AF35mmF3.5D
ISO400 1/30sec f3.5
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秋の日が北側にあるビルに反射して境内の裏手を照らしていました。ビルの反射が好きで、よく写真を撮るのですが、ダイレクトに画面の中に入れたときに、きれいな光芒が出るものと出ないものがあります。光芒は好みがあるので、何とも言えませんが、僕はこの35ミリよりも次の45ミリの光芒が好きです。
ビルのシルバーの壁と、手前の樹木部分、輝度差が激しい状況でしたが、中判デジタルの広い階調域で普通の現像でもこのくらい描写します。さらにC1の現像設定で、ハイライトもシャドーももっと出すことは可能です。葉1枚1枚の解像感も画面隅々まで申し分ない描写です。
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PHASE ONE AF35mmF3.5D
ISO100 1/250sec f10.0
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上と同じ場所でレンズを45ミリにして撮影しました。上でも書きましたが、35ミリよりもこちらのレンズの方が光芒がきれいだと思います。
また、葉の1枚1枚の表現がスゴイです。先の35ミリでも十分でしたが、この45ミリを見てしまうと、35ミリは甘いかな? と思ってしまうくらい。
中判デジタルの写真のデメリットは、スゴイ描写になれてしまうという点です。一度それを味わってしまうと、解像感のない写真が我慢ならなくなってしまいます。
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PHASE ONE AF45mmF2.8D
ISO100 1/250sec f12
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境内の銀杏はまだ色づいていませんでした。太陽光が斜めに当たり、樹皮の質感をさらに強調していました。それを写し取るにはこのレンズがうってつけでしょう。このシャープ感はたまりません。
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PHASE ONE AF45mmF2.8D
ISO100 1/125sec f5.0
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お賽銭箱の彫金に光が当たっていて輝いていました。この45ミリは非常にシャープ。でも、そのピントはごくごく浅いです。ピントから外れるととたんに柔らかくぼけていきます。100%画像で彫金部分を見ていただくとよく分かると思います。
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PHASE ONE AF45mmF2.8D
ISO100 1/250sec f8.0
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