このコラムでは、毎回1人のイラストレーター、絵師の皆様に旬の作品を見せていただき、その作品作りのきっかけ、コンセプト、世界観、制作テクニックなどを語っていただきます。リレーコラムですので、掲載クリエイターには次の方にバトンを渡していただきます。
トミイマサコ:埼玉県在住。漫画・イラスト描いてます。最近はイラストがメインになってます。書籍の装画などを描かさせていただいております。著:赤川次郎氏「夫は泥棒・妻は刑事シリーズ」(徳間書店)、著:輪渡颯介氏「古道具屋 皆塵堂シリーズ」(講談社)etc.の装画を担当。
http://tomii.gozaru.jp/
こちらはオリジナルイラストです。
散歩してる時に見た、凛々しい顔をした女の子が大きな犬を連れてる姿がとても印象深かったので、イメージを膨らまして私なりに1人と1匹を描きました。
絵に面白さ不思議さを加えたかったので、犬のサイズを極端に大きくしました。何気ない身近な物・事に非現実的な要素をそろりと流し込むのが好みでよく描いてます。
私の作品は大体が「“ブキミ”と“のほほん”の混在」がテーマです。
・ラフ(画像下)
スケッチブックに4Bシャープペンシルで簡単にラフ線。スキャンしてPhotoshopであたりの色を置いていきます。ラフは10×10cmで収まるくらい小さいサイズです。
・使用ツール
Photshop CS5、Intuos5、4B芯シャープペンシル。
線画も同じく4Bシャープペンシルでスケッチブックに描きます。
スキャン後、塗りやすくするためにPhotoshopで線を色補正→バリエーション後にフェードでオーバーレイ50%。色つきのメリハリある線ができます。
まずはこの線を使い色を塗っていきます。私の塗りは通常ペンツール30~45%で地道に塗り進めます。
最初は肌から。使い馴染んでいる肌色は5色保存してあります。その後は髪→衣類→犬とおおまかに全体に色を塗っていきます。
主線の上に色が乗っても気にせずにそのまま塗っていきます。
私はアナログで描いたようなカラーを目指しているので、シャープペンシルで描いた線はなるべく形を残していきます。
色が乗ってしまい薄くなった主線は焼き込みカラーペン20~30%でなぞっていきます。
濃いカラーでなぞるとキツメに浮き出てくるので、薄いカラーで。自分は「寒色・暖色のブラウン(薄い)」をよく使用します。
上記の作業を何度も繰り返していき、じわじわと形を整えていきます(この作業が多ければ多いほど目の細かいイラストになっていきます)。仕上げに細かいパーツと陰影をつけます。
・犬の毛
通常ペンツールで濃い色から薄い色と毛並みにそり線をいれていきます。仕上げは焼き込みカラーペンツールで毛並みを描き込む。リボンは目立たせたかったのでビビットな青に。
ラフの段階では下からの光を使い威圧的な影をつけてましたが、描き進めていく内に大きな犬が愛らしく見えてきたので、影の効果はなくして春らしい暖色カラーを流し込みました。
完成イラストのベースとなった線画。
次回は松尾モノさんの予定です。
(2015年2月18日更新)