このコラムでは、毎回1人のデザイナーに旬のデザインを見せていただき、その作品作りのきっかけ、コンセプト、世界観、制作テクニックなどを語っていただきます。リレーコラムですので、掲載クリエイターには次の方にバトンを渡していただきます。
エンリコ・チック(Enrico Ciccu):株式会社HINATAのアートディレクター兼、映像プロダクションマネージャー。SHIBUYAという自分のデザインスタジオの作品でベストウェブデザイナー賞を2010年に受賞。そしてイタリアでPVプロダクションに移り、日本では映画のディレクションまで手がける。Webコミュニケーションを専攻として大学院を卒業したあと、イタリアで小さなデザインスタジオを建てる。このスタジオは後程大きなTV企業に吸収され、その企業でIPTVのチャンネルデザイナーとして仕事を始める。2013年から日本に滞在するのと同時に、写真への道も始めることに。
https://www.behance.net/WelcomeToMyMondo
●コンセプト
「TOKYOINSIDE」は、今も進行中であるフォトプロジェクト。
このプロジェクトは、東京という都市がどれだけそこに住んでいる外国人たちを変化させていくのか、魂の刺青のように深く心の奥まで影響していくことを語るために作られた。
このプロジェクトに関わる人々に、「東京に対する想い」を文章にしてもらい、その人々の画像に、東京のどこかのイメージをデジタルペインティングしていった。場所のセレクトは各々のキャラクターと文章に合うように選別した。
●ワークフロー
このプロジェクトは今まで2回制作されている。
始めは対象の人物の写真を撮り、合成したい風景の撮りにに出る。風景の視点は、モデルのポーズによって決めることにしている。その後はPhotoshopで長い時間合成や調節などを行う。
ワークフローは、露出や肌のトーン、目などの補正するためLightroomから始める。同じソフトで風景写真も調整を行う。そして、Photoshopの出番。イメージとしている明かりや影の感じを出すため、各々の写真が数多いレイヤーやマスクを必要とされる。1枚の作品のために、撮影からは少なくとも4日は必要だった。
https://www.behance.net/gallery/21059129/PHOTO-tokyoinside
次回よりJapanCreatorsにて更新いたします。
(2016年7月26日更新)