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Portfolio NOW!

このコラムでは、毎回1人のデザイナーに旬のデザインを見せていただき、その作品作りのきっかけ、コンセプト、世界観、制作テクニックなどを語っていただきます。リレーコラムですので、掲載クリエイターには次の方にバトンを渡していただきます。

Designer FILE 05:内山尚志

「シクラメン「キミノナミダ」のジャケット制作」

内山尚志(うちやましょうじ):artdirector、graphic designer。
1979年生まれ。名古屋市出身。多摩美術大学卒業。バタフライ・ストローク・株式會社など広告制作会社を経て2008年よりANSWR inc.に参加。マネージメントセクションA/M所属後、2014年5月より、”THE HAPPY DESIGN HOUSE”という屋号のもと、フリーランスとして独立。広告、音楽、ファッション、飲食など様々な分野でグラフィックデザインを軸に、Interactive、映像、空間など媒体を横断した制作活動を行う。
http://shojiuchiyama.jp/works/

●TOY'S FACTORYのPOPユニットシクラメンの最新シングル
「キミノナミダ」のジャケット制作について紹介します。

●アイデア、世界観
今作について、いままでのアーティストの方向性とは違う新たなアプローチの提案を依頼され、2.5D(http://2-5-d.jp/)の中川くんと一緒に、リード曲である「SAMURIDER」のトーンを全面に押し出した、

「90's+HIPHOP+GEISHA+MACHINE+FASHION」
のワードからなるMIXを凝縮したようなビジュアルを考案しました。

今までにない新鮮なぶっ飛んだ方向になりつつも、あくまでかっこ良く仕上げることが僕の責務でした。

また今回最も重要なモチーフとしてHondaのバイク「NM4-01」を提案、起用できたことがとても大きかったです。メカニカルで前衛的なスタイルは、まさに今作にピッタリかと確信していました。

シクラメンてすごくPOPでみんなに好かれるような、すごく気持ちの良い曲が多いのですが、それとは裏腹な見え方が逆に彼らぽさを表している気がして、新しいファン層にもささったら良いなと制作しました。

発売週のオリコンウイークリーチャートでは無事9位にランクインすることができました。

また今作はジャケットだけではなく、それに基づいたTシャツやパーカーなどのgoodsやツアーロゴなどのデザインも制作しましたが(写真下)、どれも1つひとつ、涙と笑いに溢れたデザインに仕上げることができました。

●デザイン作業

ラフスケッチ

●ラフスケッチ
ビジュアルコンセプトの提案シートの一部です。

●デザインのポイント
カメラマンの間仲宇さんの撮影するファッションで硬質な写真に対し、お店のPOP文字や、SF映画、ゲームソフトのロゴなどのようなトーンをあえて組み合わせたアンマッチ感が、新しいビジュアル感を生み出すことができました。

●使用した技法、テクニック
撮影美術のカツラを制作するために、実際に紙のコラージュや、さまざまな雑貨を改造したり組み合わせて仕上げましたが、そういったアナログな作業工程が写真を通してよい味を出せたかなと思っています。

●新しいデザインの必要性
デザインという言葉だけでもかなりのとらわれ方や仕事ができていて、少し飽和してきているとさえ感じますが、揺るぎない妥協のないクリエイティブの現場の中で自分も精進して作っていきたいと思っています。

また常に新しい技術、Webなどのサービスにとどまらず、ロボットやガジェットなどのプロダクトによって新しいデザインの必要性が生まれてくることに興味や刺激をかき立てられます。

 



次回は石黒篤史さんの予定です。

(2015年3月27日更新)

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