●車をテーマにしたコラムの線画イラストを描く
雑誌「ゴルフダイジェスト」(ゴルフダイジェスト社)で連載中のコラム「見つけた!道ラクツアラー」のイラストを描きます。
「見つけた!道ラクツアラー」は、毎回1台の車に焦点を当てて、その車の機能や特徴を紹介するコラムになります。ここでは、そこで使用するイラストの制作過程、いかに分かりやすく車の特徴や機能を表現するかなど紹介していきます。
今回のテーマはヒュンデの電気自動車「IONIQ 5」で、特徴としてはシャープで近未来的なデザイン。編集の方の要望は「ゴルフ場から出ると、自分のIONIQ 5の前になにやら人だかりができていて、みんな何の車か気にしているというシーンです。中には写メを撮る人もいたりして…そんな賑わっている感じを出したいです」。とのことなので、それを頭に入れながら進めていきます。
誌面に掲載された完成イラスト。(クリックで拡大) |
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・使用ツール
紙、鉛筆、Illustrator、MacBook Pro。
・ラフ製作
まず最初に簡単なラフを描きます。これは人に見せるというよりは、自分の頭の中に浮かんだ映像を忘れないように描き留めておくためのものです。オリジナルでも仕事でも頭に浮かんだ映像をノートなどに簡単に描きます。
頭に浮かんだイメージを描き留める。(クリックで拡大) |
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・イラスト制作
実際の制作に入ります。僕は、鉛筆で描いたラフを取り込んだり、トレースしたりしてイラストを完成させるのではなく、Illustratorの曲線ツールを使ってそのままパソコンに描きこむスタイルなので、ラフイラストが、完成に近い色付きのイラストになります。修正が入った場合も、ラフのデータを直接触って修正する形になります。
それではメインの車のイラストから描きます。編集の方にいただいた資料やHPなどを参考にしながら最初は写真に忠実に描いて、そこからかなりデフォルメさせていきます。今回は車を目立たすように遠近感を強調したり、近未来的になるようにグラデーションを多めに入れます。
イラストはIllustratorで直接描いていく。(クリックで拡大) |
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車が完成したので、それに合わせて背景や周りの人物を入れていきます。まずは背景から描きます。ざっくりとでよいので、地平線と消失点を頭に入れて描き進めるとパースが崩れずに絵が楽に描けます。
背景はパースを意識する。(クリックで拡大) |
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今回は分かりやすいように線を引いてますが、普段は目分量で描きます。ただ、このパースは絶対ではないので、絵に強調させたい部分などがある場合は、パースを崩して描く場合もあります。
背景に合わせて人物も配置していきます。今回は群衆が多いので、皆同じポーズにならないように、コミカルに描いていきます。
人物を追加していく。(クリックで拡大) |
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ほぼイラストの要素が描けたので、背景に色を入れたり、テクスチャーで絵に表情をつけたりします。最近はIllustratorでもPhotoshopのような加工ができるようになりました。効果メニューのアーティスティックなどで表情が簡単につけられるのでお試しください。
今回は地面の部分などに、粒状フィルムの加工を入れています。あと、線なども、アートブラシツールを使うことで手書き風の線を表現することもできます。自分で新規のアートブラシを作成することもできるので、それらを使うことで、表現の幅が広がると思います。
絵が完成しました。一度こちらで編集部にチェックしていただきます。
彩色して完成したイラスト。(クリックで拡大) |
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今回は修正がなかったので、このまま納品となります。
次回は山本祥子さんの予定です。
(2022年5月12日更新)
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