●雑誌コラムのイラストレーション制作
ファッション誌、『CLASSY.』(光文社) の連載コラムのイラストレーション制作過程についてお話します。誌面の見開き2ページのコラム記事の下方に載る横長サイズのものです。
『CLASSY.』 2021年2月号のコラムに掲載。(クリックで拡大)
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・使用ツール
ペン(STEADLERのpigment linerを主に使っています)、鉛筆、紙(最近はmuseのtouchⅡをよく使っています)、透明水彩絵の具、筆、iMac、Photoshop、スキャナ、ペンタブレット、ライトテーブル(手描きの絵の部分的な修正時もよく使います)。
主な使用画材。
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・ラフ、下描き
まず、編集者の方からメールでコラムの内容、イラストレーションのイメージを言葉でお伝えいただきます。それを受けてラフを制作します。
最初に描いたラフ。(クリックで拡大)
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最初に制作したラフ。コピー用紙に鉛筆やペンで線を描き、スキャンして取り込み、分かりやすいようにPhotoshopで簡単に色つけします。
最初のラフのフィードバックとして1つの家庭に2つの国があるようなイメージをさらに強調するようにとのことでしたので、この時は電話での会話で出てきていた「お城」のキーワードで再ラフを制作しました。
「お城」のキーワードから再度ラフを制作。(クリックで拡大)
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ラフのOKが出た後、ラフを元に清書します。ライトテーブルで下描きを透かして見ながら描きます。トレースはせず、下描きをだいたいのアタリとして描いていきます。
着彩は透明水彩です。線と色を分けて描くこともありますが、この時はそのまま着彩しました。最近は固形の水彩絵の具を使っていますが、チューブから出す手間が省けるのがよいです。
ライトテーブルを使って清書していく。
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・Photoshopで仕上げ
スキャナーがA4サイズなのでA4の紙に分けて描き、取り込み後、Photoshopでつなげます。つなげる時はスタンプツールが便利です。要素ごとに描いたものも編集します。ページの真ん中(ノド)に要素がこないように注意します。
清書をスキャンしてPhotoshop上で仕上げる。
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完成したPSDファイルをファイルサーバにアップし、ダウンロードリンクを送って納品します。こちらのイラストレーションは色などなるべく明るい雰囲気になるようにということと、横長のスペースを生かして描くこと、心がけています。
完成したイラスト。(クリックで拡大)
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・まとめ
その他、描く時になるべく意識していることは、色をたくさん使いすぎるとまとまりがなくなるので、あらかじめ使う色をいくつか決めておくこと。線を描くとき、色を塗る時に自分が心地よい、楽しめる作業だけ行うようにしています。
次回は松浦由美子さんの予定です。
(2022年3月16日更新)
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