●アクリル絵具で制作したグループ展示用作品の制作
今回は2022年1月12日からMOUNT tokyoで開催されるグループ展示『Say Hello 2022』に出展予定の、アクリル絵具で制作した作品の制作工程をご紹介させていただきます。
・アイデア
私のInstagramを見たギャラリーから、色面で構成する女性のタッチの要望がありました。新年の企画なので、中国の春節の躍動感を表現したいと思いました。
・下絵を描く
Procreateでアイデアスケッチ(写真1)を行い、徐々に整理して下絵を作ります(写真2)。配色はカラフルに多色を使いながらも、まとまりが出るように、白の分量感を一番に考えます。配色とフォルムに関してはiPad上で完成させます。次に下絵をプリントアウトしてトレース台を使い、筆圧がかからないように軽くシャープペンで水彩紙に写します(写真3)。
写真3:シャープペンで水彩紙に遷す。(クリックで拡大)
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・調色
塗り作業に集中するために、使用する色をあらかじめ決め、先に調色してタッパーに保存します(写真4)。アクリル絵の具、ガッシュ、ジェッソ、それぞれの特徴を踏まえて塗りやすさ、艶感、マット感、立体感を想像しながら好みの色を調整します。
写真4:使用する色は先に調色しておく。(クリックで拡大)
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・塗り
ムラなく塗るために、絵の具を薄めて2~3回乾かしながら塗り重ねます(写真5)。薄い色から順に塗り進め完成です(写真6)。
・所要時間
別の仕事と同時進行するため、アイデアから完成まで1日2時間くらいを1週間かけて作ります。
・使用ツール
Procreate(iPad Pro):スケッチから下絵の制作。
アルシュ水彩紙(極細):フラットな表面感が気に入っています。
ゴールデンアクリリックス:艶感と粘りあるが透過性があるためムラが出やすい。
ターナーアクリルガッシュ:マットで発色が良いが艶と立体感が足りない。
リキテックスジェッソ白と黒:安価で大量に使用するとき。または艶を抑えたい時の色調整。
百均の小さいタッパー:調色した絵の具の保存用。
安いデザイン筆:広い面積で使用。買い換えやすさが重要。
インターロン画筆417短軸(スクリプト):細かい作業用。毛先のばらつきが出にくいのが気に入っています。
次回はシライケンさんの予定です。
(2021年12月9日更新) |