●制作中の絵本から
普段は主線なしのイラストを描いているので、現在制作中の絵本の制作をご紹介させていただきます。
完成イラスト。(クリックで拡大) |
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・使用ツール
Wacom MobileStudio Pro、CLIP STUDIO PAINT
制作時間:2時間
・イラスト完成までのワークフロー
絵本『悪魔の失態』は、国が1つになった未来の話です。人間のストレスが高まり生まれた破壊の悪魔、ニョロイが世界を破壊するまでのお話を描く怪獣絵本です。このコラムでは地上で大暴れした後、トイショップで眠るニョロイを描いていこうと思います。
(1)ラフ制作
イメージを具体的に描きだす前に、一度大ラフでレイアウトを描きだしておきます(どんな絵になるか具体的にイメージしやすくするため)。
まずは液晶タブレットでラフを描く。(クリックで拡大) |
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(2)本番制作を開始
描いたラフは見ないで描きます。彩度の低い暗めのカラーの上から中間色で画面に表示させるオブジェクトを描いていきます(この時少しだけ陰影を薄く描きこんでおきます)。
CLIP STUDIO PAINTで本番制作。(クリックで拡大) |
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(3)光源を追加
時間帯に合わせ光源の色を決め、加算発光で不透明度40%~30%で②の上から一色で描き重ねます(このイラストではクリーム色を重ねています)。
時間帯を意識し高原の色を決める。(クリックで拡大) |
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(4)環境光の追加
光源を追加した後に色調補正で彩度を明度を調整した後に環境光を追加します(画面右端からの青い光)。窓から入る外の空の色をイメージして描きます。
環境光を加えていく。(クリックで拡大) |
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(5)仕上げ
(3)で作成した光源のレイヤーをコピーします。コピーしたレイヤーをガウスぼかしを60px入れ、不透明度40%で重ねた後、加算発光でほこりを描き入れ、別レイヤーを作り、フィルター/描画/パーリンノイズでスケールの値を3にし、ソフトライトで不透明度30%で重ね完成です。
仕上げの調整を行い完成。(クリックで拡大) |
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・描き方ポイント
基本的に彩度の高い色は使わず、できるだけ現実に近い色を使うように心がけて描いています。影を描くために黒は使わない(色がくすむので)。色相・彩度・明度の値を変化させて描いていきます。ファイルメニューのレイヤー/新規色調補正/色相彩度明度を選び、それぞれの値を
色相-5
彩度+10
明度-15
にして、マスクを利用して影を描いていくと分かりやすいかもしれません。
・最後に
描きたいイメージをうまく伝えるために、場所や時間によって色彩がどのようにふるまうのかに目を向けていただける機会になると幸いです。
Twitterでは多くの作品を発信していますので、見ていただけると幸いです₍₍(ง ˘ω˘ )ว
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次回は隠れんぼさんの予定です。
(2021年2月12日更新)
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