●ダークメルヘンな女王を描く
数年前に不思議の国のアリスの「ハートの女王」をモチーフにした女性のイラストを描き、続編を作成したいなあと考えていました。今回は私がもっとも好きなヴィランである白雪姫の女王をテーマに、美しく聡明で影のある女性を描こうと思います。
完成イラスト。(クリックで拡大) |
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・使用ツール
CLIP STUDIO、iPad Pro 、Apple pencil。
iPadを購入してからは、思い立ったらすぐに絵を描けるため、描く頻度が上がりました。
・ワークフロー
ラフ(手描き)→下描き・線画→下塗り→影をつける→色乗せ→光を入れる→テクスチャ→色味調整
上記の工程で作成します。
・ラフ画・人物像を創る
どんなイラストにしようかなーと考えながらアナログで描きます。服装、全体のライン、イメージカラーなどなど、資料を見ながら決めていきます。自分がよく見るのは、近年開催されたブランドのコレクション画像など。この時点で自分の中で人物イメージが決まります。
今回の人物イメージは「澄んだ美しさがある」「爽やかな甘さの重厚感」「高貴な女性」「百合や芍薬のような香りがする」「全体カラーは黒と寒色系」。人物イメージができればできたも同然。後は頭の中の人物を描くだけです。
ラフというか、メモ感覚なのでゴチャゴチャですが、自分用に要点をまとめるためのものなのでかまいません。自分が分かればよいです。(クリックで拡大) |
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・陰影を塗る
・下書き、線画・下塗り後、影つけまで行った状態。
影はペンツールを使用してアニメ塗りのように塗った後、ぼかしツールでぼかします。線の感じを残したいところ、完全にぼかしたいところで分け、ぼかし具合を調整しながら行います。
・影レイヤーは2枚、多くて3枚くらいに留めます。
あまり影レイヤーを増やしすぎると、印刷の際に真っ黒になってしまうので、気を付けています。
まだ素っぴんです。影は後から色調補正でいくらでも変更できるので、その時思いついた色で塗ります。今回はアッシュグリーン。(クリックで拡大) |
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・化粧をする
影を付け終わったら、お待ちかねのメイクアップです。乗算・焼き込みレイヤーを中心に塗り重ねます。リップも同様。濃い色部分から広がるグラデーションがネックになるかなと思います。ここを何色にするかで、人物の印象がガラっと変わります。
グラデーションを作るように。重厚感を出したいところは焼き込みで入れます。。(クリックで拡大) |
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・色を置く
肌部分には暖色系、他部分には寒色系を中心に水彩等で色を載せます。テーマカラーに黒が入っていますが、基本的にカラーイラストに黒(#000000)は使用しません。そのほうがなじむ気がするので。
基本はオーバーレイですが、場合によっては乗算レイヤーで色を置きます。(クリックで拡大) |
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・仕上げ
テクスチャ・光を入れた後、各レイヤーの色味を調整。後光を線ツールで描き加えて完成です。
コントラストもバランスを見て調整します。(クリックで拡大) |
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・ポイント
テーマとなった女王は、高貴で残虐、プライドの高い「かつては世界でもっとも美しかった」人物です。表情、仕草、色味、あしらったモチーフなど、イメージと乖離がないよう作成しました。
・最後に
自分にとって大切な感性・拘りがある方は大事にしてください。自分の世界に「好き」と言ってくれる人は必ずいます。周囲の評価も気になるところでありますが、貴方だけの世界を大事にしてください。
次回はあかふちかいりさんの予定です。
(2020年7月9日更新) |