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Portfolio NOW!

このコラムでは、毎回1人のイラストレーターに最近の作品を見せていただき、その作品作りのきっかけ、コンセプト、世界観、制作テクニックなどを語っていただきます。リレーコラムですので、掲載イラストレーターには次の方にバトンを渡していただきます。

 

Illustrator FILE 67

白黒灰脂

東京都出身/在住のイラストレーター。ボールペンでの密度の高いイラストレーションや墨を使った漢字グラフィティなど白黒を主体とした描画スタイルで各地のライブペイント、アートバトルイベントに出演。2020年2月の初自主企画「描鳴前夜-KAKUMEIZENYA-」を成功させ、Youtubeチャンネル開設、バンド活動と、絵描きとしてできる多角的なアプローチを模索している。LIMITSデジタルアートバトル2018世界戦出場、2019年ロンドン出展、第49回純展優秀賞。
https://twitter.com/monochro_haiji
https://monochrorme-haiji.jimdofree.com/
https://suzuri.jp/monochro_haiji

 

●「登場人物の呼吸感」を意識したイラスト制作

今回のイラストは展示用に作成したボールペンイラストです。キャラクターの多さが特徴のため、ギミックや表情で静止している登場人物にその場で生きているという「呼吸感」を表現することを念頭に置いております。それっぽく言うならば「フィクションの中のリアル」ですね。

・使用ツール
イラストボード(B5/182×257mm)、主線用/ゲルペン(uniball signo0.38)、ベタ用/筆ペン(ふでごこち)。
画材の調達のしやすさと種類、在庫多数の安心さから、小さな画材屋さんやコンビニでも売っているゲルインクボールペンを採用しております。描き味も気持ちいい。油性インクや水性インクよりも紙にインクが乗りやすくて滲みにくい、SARASAやuniball signoなどのゲルインクボールペンを重宝しています。


ゲルインクボールペンを愛用。(クリックで拡大)


・アイデア、構想
・モチーフを1つ設定する。
前述したように僕は1枚の絵に「登場人物の呼吸感」が感じられるように描いております。 人がいて集団になり、街を作る。アプローチが世界観の中でブレ過ぎないために「〇〇な世界」といったモチーフを1つ取り決めておくようにします。今回は「妖怪」と「中華料理」をモチーフに描きました。

・音楽を聴く。
構想を練る時のルーチンワークです。自分の作家性に問いかけて世界観を膨らませる「アンプ」のような役割です。こういう構想段階では個人的に好きなパンクロックやミクスチャーロックより「ゲスの極み乙女。」や「Yellow Studs」など、ピアノの入ったバンドサウンドを聴いてます。

・制作手順
・まず描き出す。


まず描く。(クリックで拡大)

モチーフやテーマに沿って描き始めます。最初の一筆目は緊張しますが乗り越えれば大丈夫。特にここまで下描きは必要ありません。

・重ねて描き出す。


関連する絵を追加していく。(クリックで拡大)

最初に描き出したものに派生するように関連するものや人物をさらに描き出していきます。まだここまで下描きはいらないです。

・世界観をまとめるように描き出す。


世界観をまとめる。(クリックで拡大)

ここまでくると世界観もまとまってきてブレにくく疲労感から少しハイになり楽しくなります。ここまでくれば下描きはもういりません。僕はここらへんで「ビレッジマンズストア」や「嘘とカメレオン」を聴きながらスパートをかけます。

・余白がなくなれば完成。


完成。(クリックで拡大)

余白がなくなったら原画完成です。スキャンして少し明度をいじって完成です。以前は2週間くらいかけて描いてましたが、いまは超特急で3日で描けました。継続は力なりですね。

・最後に

今回、技法よりも作家性について書かせていただきました。技術も経験も実績もなかった僕を最初に歩かせたのは「やるかやらないか」という自問自答でした。「常識は…」とこぼすよりも、気になる方はまずペンを握って見ましょう。白黒灰脂でした。


次回は旦虎さんの予定です。
(2020年4月21日更新)

 

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