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Portfolio NOW!

このコラムでは、毎回1人のデザイナーに旬のデザインを見せていただき、その作品作りのきっかけ、コンセプト、世界観、制作テクニックなどを語っていただきます。リレーコラムですので、掲載クリエイターには次の方にバトンを渡していただきます。

 

Illustrator FILE 57

富田 茜

イラストレーター。東京都生まれ。多摩美術大学工芸学科を卒業後、青山塾でイラストレーションを学ぶ。アウトドア、街歩き、人物などのゆったりした雰囲気のイラストが得意です。TURNER AWARD2017 イラストレーション部門 未来賞受賞。
https://tomitaakane.tumblr.com/
https://scrapbox.io/tomitaakane/

 


●コラムのカットイラストを描く

隔月誌「TURNS(ターンズ)」連載中のコラム「オフグリッドな移住実験」のカットイラストの制作過程についてお話しします。


完成したコラムのカットイラスト。(クリックで拡大)


・イラストのテーマ
この連載は北川真紀さん(以下執筆者)が文化人類学の研究として福井県大野市に移住し「オフグリッド(電気やガス、水などの供給網に頼ることなくエネルギーを自給すること)」な生活を調査、実験していくコラムです。

執筆者に、今回のコラムのテーマをお聞きして大まかな概要を把握します。初稿が上がっている場合は読ませていただきます。執筆者が取材用に撮った写真で資料になりそうなものがあれば送っていただきます。

一般的にこういったイラストの仕事は、編集者とのやりとりだけの場合がほとんどだと思いますが、このお仕事では執筆者と編集者の両者とやりとりしています。

・ラフスケッチ
今回は「新しい狩猟のかたち」というテーマ。「狩猟用のオレンジと黄色のジャケットを着て、双眼鏡を覗いている人物」という案を執筆者からいただいているので、その案に大きくずれない中で、自分のテイストを出せるようなラフを考えます。

雑誌の雰囲気も明るいポップなイメージなので、「狩猟」の対象である動物たちを尊い存在として描きつつ、イラストとしての可愛らしさもあるように心がけます。

ラフはコピー用紙に鉛筆で描いていきます。


コピー用紙にラフスケッチを描く。(クリックで拡大)

ラフスケッチをスキャンして、モノクロでおおまかな明度設計をしながらラフを仕上げます。iPadのアプリProcreateで色を塗ります。線画だけだと着彩の時に不安なので、ラフの段階で目立たせたい部分を意識しながら明度設計をします。


モノクロで明度設計。(クリックで拡大)

明度設計はProcreateで行う。(クリックで拡大)

ラフを2、3枚描いたら執筆者と編集者に送ります。修正や指定がある場合もこの段階で言っていただきます。今回は1枚目の動物が前面にいる構図のものになりました。

本描き


水彩紙に黄色で本描き。(クリックで拡大)


本番用の画材は水彩紙とアクリルガッシュです。

下描きはしますが、固くなりすぎないように大まかな部分は筆で描きます。失敗しても目立たない黄色を選んでいます。

面積の広い部分から着色。(クリックで拡大)


完成が想像しやすいように面積の広い部分から塗りますが、筆を自由に動かすよう心がけます。


使用するアクリルガッシュは7色程度。(クリックで拡大)


使う色はだいたい7色程度(+白色と黒色)に絞ります。できるだけ色数が少ない方が画面に統一感が出るため、多くなりすぎないようにしています。

本描きをスキャンして、Photoshopで少し明るさや色味を調整します。確認していただき、問題なければ完成です。



次回は安藤巨樹さんの予定です。
(2019年7月12日更新)

 

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