●スポーツ選手を描く
雑誌Numberのコラムのカットのお仕事を担当しました。その作業行程についてお話しします。
完成イラスト。 |
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・テーマ
テーマは編集部の方からメールで説明していただきます。今回は女子スキーの大回転の選手についてのコラムでした。
・ドローイング
まず、テーマになっているスポーツ選手の動画をなるべくたくさん見ます。この時はカットの構想などはあんまり考えず、ただスピード感や動きのダイナミックさとかを楽しんで見ます。
その後、かっこいいなとか、ぴんと来る場面をドローイングしていきます。この時もカットの構想はそんなに考えません。カットには使えないかもな、と思っても描いてみたいと思ったら描いてみます(写真01)。
写真01。(クリックで拡大) |
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・ペン入れ
ドローイングの中から、使えそうかなと思うものを竹ペンで描いていきます。ドローイングを下絵にしてトレースして描くのですが、この時ドローイングの線をなぞるように描くのではなくて、下の絵はアタリくらいの感じで、再度竹ペンでドローイングするような感じで描きます。
今回は、和紙(お習字用の紙です)を使いました。画用紙や水彩紙で描く場合もあります
(写真02)(写真03)。
写真02。(クリックで拡大) |
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写真03。(クリックで拡大)
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・Photoshopでスキャン
ペン入れした原画をスキャンしてPhotoshopに取り込みます。ここで、画面に合わせて構図を考えます。いくつか描いたドローイングに合わせて2~3パターン作っていきます(写真04)。
写真04。(クリックで拡大) |
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・色
構図をある程度決めたら、色をつけていきます。空の部分は、テクスチャー用に作った画像に色をつけて貼り付けていきます(写真05)(写真06)(写真07)。
写真05。(クリックで拡大) |
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写真06。(クリックで拡大)
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写真07。(クリックで拡大) |
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その後選手の部分をPhotoshopのブラシツールなどで色をつけていきます。全体の雰囲気がざっくりでき上がったら、この時点で編集の方に確認をしていただきます。ラフの確認なのですが、私は制作途中のものを確認していただいていました
(写真08)。
写真08。(クリックで拡大) |
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・仕上げ
編集の方から、OKのお返事をいただいたら、最終の仕上げをしていきます。雪原に細かい影をつけたり、雪っぽい感じや選手の細かい箇所を描いていきます。ですが、あまり細かく緻密に描き込んでしまわないように、ザックリ感を残しつつ仕上げていきます(写真09)。
写真09。(クリックで拡大) |
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次回は富田 茜さんの予定です。
(2019年6月12日更新) |