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Portfolio NOW!

このコラムでは、毎回1人のデザイナーに旬のデザインを見せていただき、その作品作りのきっかけ、コンセプト、世界観、制作テクニックなどを語っていただきます。リレーコラムですので、掲載クリエイターには次の方にバトンを渡していただきます。

 

Illustrator FILE 55

しらいしののこ

しらいしののこ(shiraishi nonoco):イラストレーター。千葉県在住。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。イラストレーション青山塾第17、18期生。第203回イラストレーション ザ・チョイス準入選。ペーターズギャラリーコンペ2018峰岸達賞 次点。
https://shiraishinonoco.tumblr.com/

 


●ウェルカムボードの作成

友人から依頼された、結婚パーティーに飾るウェルカムボードの制作についてお話しいたします。今回はご夫婦で大切にされているものを描いて欲しいということで、実物を送っていただき実際に見ながら描きました。


完成。



・ラフの作成

面白いと思った要素を拾うことや立体を平面的に落とし込むことを意識して、実際に手にとっていろいろな角度からものを観察していきます。

今回のモチーフである猫の形のポットカバーは、もともと立体感が少なくペタッとしており普通の猫の絵になってしまう恐れがあったので、中が開くことや縫い目を表現できるようにいくつかラフスケッチをしていきます。画面のサイズ感も友人と相談して、今回は写真一番右のものになりました。


今回のモチーフ。(クリックで拡大)

手描きラフ。(クリックで拡大)


・下地作り

350mm×350mmにカットしたBBケント紙のイラストレーションボードを使用します。ホワイトとグレーのジェッソ、パーマネントイエローディープのガッシュを混ぜてボードに塗っていきます。その上に白のオイルパステルを乗せ、ティッシュで慣らします。


ジェッソの上からオイルパステルをかけていく。(クリックで拡大)


モチーフを描いていく
鉛筆で薄くあたりをつけます。絵の具の水気が多いとオイルパステルに弾かれてしまうので、少し重めに溶いたアクリルガッシュでモチーフ全体に色を乗せ、そのあと描き込んでいきます。正確に描くというよりはものの印象を合わせていくイメージです。


おおまかに色をのせる。(クリックで拡大)



細部を表現する
竹串や先を尖らせた割り箸を使って、絵の具を削るようにモチーフの縫い目を描いていきます。猫の柄が立体的で妙な立体感が出ていたので、あえて縁取るようにまわりも削っていきます。また、「もの」感の出る文字などは積極的に描いていきます。


絵の具を削って下の色を出す。(クリックで拡大)


仕上げ
もう一度色や形、線と面のバランスを調整していきます。描き過ぎないように手を止めるタイミングにも気をつけます。最後にお願いされていた入籍日とサインを入れて完成です。


並べて確認する。(クリックで拡大)



使用した画材
イラストレーションボード、ジェッソ、オイルパステル、アクリルガッシュ、筆、竹串、鉛筆。

今回使った画材。(クリックで拡大)

 

次回は金子幸代さんの予定です。
(2019年4月15日更新)

 

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