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企画展「SAKE TO ART」のための刺繍作品制作
・イラストのアイデア
今回紹介する作品は、年明けにタンバリンギャラリーで開催された企画展「SAKE TO ART」に出したものです。さまざまなジャンルのアーティストがお酒をテーマに自由に作品を制作しました。 私は刺繍したワインボトルバッグを作りました。
アイデア、モチーフ選びは、日常的に自分で撮った写真や面白いと思った資料を集めたストックから選ぶことが多く、今回もそのストックから、“お酒を楽しむ席の様子”がイメージされる資料を選びました。選んだ写真から絵を起こしていきます。
完成作品のアップ(クリックで拡大) |
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・使用ツール
刺繍糸、布(今回は合皮)、ハトメ、持ち手のロープ 、チャコペーパーなど。
制作の材料に用いたチャコペーパーや刺繍用コピーーペーパー。(クリックで拡大) |
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・ワークフロー
まずは下描きを作成します。この時、色はまだ決めませんが、ほとんど完成系に近い状態にします。文字は絵と別に描いておきました。チャコペーパーを使い下描きを布に転写します。布にもよりますが、けっこう力を入れて下描きをなぞります。
下描き。(クリックで拡大) |
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転写していく。(クリックで拡大) |
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転写ができたら刺し始めます。刺繍が完成したら霧吹きなどで水を吹きかけ、下描きの線を消します。普段はパネルに張ったり額装して展示をするのですが、今回はテーマに合わせてワインボトルバッグを制作することに決めたので、ミシンを使いバッグに仕上げました。
・使用した技法、テクニック
線をなるべく細かく出したいので、6本にまとまっている刺繍糸から1本だけ抜き取り、2本取りにして手で刺していきます。先にアウトラインの部分から刺していき、中の色を埋めていく手順で刺繍しています。お仕事で色の細かい指定がない限り、色は制作しながらその都度決めていきます。刺繍枠は21cmのものをよく使います。
特に変わった刺し方(ステッチ)はしないのですが、作品を見てくれた人から「埋めていった部分が畳みたいに見えるね」と言われたことから、自分でタタミステッチと勝手に呼んでいます。
完成作品。(クリックで拡大) |
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次回は宮島亜希さんの予定です。
(2018年5月16日更新) |