●3D CGを用いたイラスト制作
・特徴
私は3D CG(ソフトはShade)ですべての絵を構築しています。つまりソフトの新規画面を立ち上げると仮想の空間ができ、そこに立体物をモデリングして光源を配し、カメラアングルを決めレンダリング=作業中のワイヤーフレーム状態からコンピュータの計算で絵を描画させて完成する。つまり立体作家と照明、カメラマンを1人で行っている感じでしょうか。
その制作方法に伴い、絵も2パターンの作り方をします。1つは頭に浮かんだ画面構成を再現する方法。つまり普通の絵の描き方と同じですね。もう1つは作りたいオブジェクトがあり、それをまず作ってからライティングやカメラアングルを模索し、後付けで画面構成を決めていく方法です。
・今回のテーマ
普段は仕事でもオリジナルでも手描きのラフは描かないですし途中過程も残さないので、この記事のためのオリジナルを作ることにします。“スポーツカーの真横からのアングル”が浮かんだのでそれをメインにバックに何かオブジェを置くことに。上記の方法論だと後者に近いでしょうか。車を制作する以外は未定。そして、ラフモデリングの車と後ろに鳥居を配置。正方形でCDジャケットなどをイメージしています。オリジナルを作る際も何らかの媒体を想定しながら作ることは大事だと思います。
画像1:ラフの作成(クリックで拡大) |
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・詳細なモデリング
まず車のモデリングを完成させます。これは実在の車のデザインではなく、いくつかのイメージから作ったオリジナルです。この段階で後ろの鳥居案はボツ。車との対比でもっと抽象的にしようと、駅前にあるようなオブジェ(笑)を作ってみましたがこれもボツ。
画像2:別のバージョンを試作(クリックで拡大) |
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画像3:モデリングの過程(クリックで拡大) |
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・完成
その後、柱が車を貫いているような物を作っていく過程でこのような感じに。その形が「7」に見えたのでカーナンバーを付け、それを7にすることに。ボディの色も水色に変更し、光沢などもトライ&エラーで納得がいくまで繰り返します。光源の位置もトライ&エラー。カメラアングルは今回“スポーツカーの真横からのアングル”がイメージとして決まっていたので、振り幅を多少調整しただけ。角度を左下がりにしたことによって絵が決まったように思えたので、これでレンダリングし(絵のリアル度やサイズによって数分から数時間かかる)、Photoshopで多少不自然な部分を修正、色補正などして完成とします。
今回はこの記事用の作品、つまりWeb上で表示させることが目的なので、RGBで表現できる色合いにしています。
画像4:完成図(クリックで拡大) |
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次回はフジイカクホさんの予定です。
(2017年8月18日更新) |