●ドイツのお客様からご依頼いただいた絵を描く
ドイツに住むスポーツトレーナーの方から診療所に飾る絵をご依頼いただきました。テーマは「世界へ羽ばたく」。そして日本を感じられるワンポイントを入れてほしいとのことでした。
●使用ツール
ワトソン紙、透明水彩絵の具、水彩色鉛筆、綿棒、つまようじ。
●アイデア、構想、描くきっかけ
打ち合わせを重ね、モチーフとして、メンテナンスが重要で1人でなくチームで運転することで力強く走る蒸気機関車を提案し、それを描くことに決まりました。
ただ地面を走らせるだけでなく夜空へ羽ばたくイメージでとのリクエストをいただき、また浮世絵を連想するような富士山を背景に取り込んで構図を決めていきました。
●ラフスケッチ
iPadでザックリとラフ画を描き、クライアントに色や構図など確認をとります。

▲iPadで描いたラフ画。(クリックで拡大) |
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●ワークフロー
(1)ラフ画をもとに、水張りしたワトソン紙に鉛筆で下描きを描いていきます。

▲鉛筆で描いた下描き。(クリックで拡大) |
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(2)下描きが完成すると、透明水彩で大まかに色をのせていきます。

▲使う色の水彩絵具を用意。(クリックで拡大) |
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▲着色は背景から。(クリックで拡大)
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(3)水彩でのせた色が乾いたら、水彩色鉛筆で塗っていきます。水を付けた綿棒で溶かしながら何度も塗り重ねて深さを出していきます。

▲木々を細かく描いていきます。(クリックで拡大) |
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▲複数のグレーを塗り分けます。(クリックで拡大)
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▲光のグラデーションをなめらかに。(クリックで拡大) |
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(4)すべての色を入れたら、最後に透明水彩絵の具で星空を描いていきます。絵具をつまようじに付けて1つずつドットを描いていきます。

▲色鉛筆は完成です。(クリックで拡大) |
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▲ラストに星空を仕上げます。(クリックで拡大)
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(5)額装して完成です。

▲額装。(クリックで拡大) |
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▲完成。(クリックで拡大)
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●こだわりポイント
いろんな色を塗り重ねていく中で深さを出していきます。紙の凹凸が消えるほど水で溶かしては何度も塗り重ねてグラデーションを作っていきます。もし僕の作品を観ていただくことがありましたら、近くでその部分を見ていただけたらと思います。
この絵が診療所でドイツの方に、またはるばる試合や遠征にやってきた日本のスポーツ選手に楽しんでいただけたら幸いです。
次回は内橋未央さんの予定です。
(2025年4月13日更新) |