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Portfolio NOW!

このコラムでは、毎回1人のイラストレーターに旬のイラストを見せていただき、その作品作りのきっかけ、コンセプト、世界観、制作テクニックなどを語っていただきます。リレーコラムですので、掲載クリエイターには次の方にバトンを渡していただきます。

 

Illustrator FILE 113

ふく

兵庫県丹波市出身。富山大学芸術文化学部卒業。デザインの仕事をしながら、イラストを描いています。いきものを描くのが好きです。
Instagram:@fukur_io
note:note.com/shiny_broom729

 

●クラフトフェア「ツギノテ」で使用されるイラスト作成


クラフトフェア「ツギノテ」のポスター。(クリックで拡大)

●使用ツール
絵具(アクリルガッシュ)、筆、鉛筆、細いペン、筆ペン、画用紙(ハガキサイズ)、スケッチブック。


使用している画材。(クリックで拡大)

●アイデア、構想、描くきっかけ
描くきっかけは、富山県高岡市で行われたクラフトフェア「ツギノテ」(https://tsuginote.jp)で使用されるイラスト作成のご依頼をいただいたことです。メインビジュアルのイラストと挿絵を描かせていただきました。

デザイナーさんからものづくりやクラフトに関するモチーフ(招き猫、仏具など)の写真を数点いただき、それらを元にイラストを作成していく流れでした。いただいたモチーフをそのまま描くのではなく、少し丸みを持たせてデフォルメさせたり、間抜けな表情にすることを意識しました。

招き猫、職人、仏具などのイラストを描かせていただきましたが、今回は黒いだるまの描き方を紹介します。

●ワークフロー


(1)下描き
ハガキサイズの画用紙を使います。モチーフの写真を見ながら、鉛筆で下描きをします。この段階では完全には形を決め切らず、大まかに描きます。


モチーフの黒いだるまの写真。(クリックで拡大)



黒いだるまの下描き。(クリックで拡大)

(2)ベースを塗る
水は少なめの絵の具で、ベースになる色をべた塗りします。基本的には下描きを元に塗っていきます。輪郭は絵の具をのせながら調整します。

(3)影や光を描く
下地の上から影や光になる部分を描き、立体感を出します。特に意識していることは、失敗を恐れず描くことです。そうすることで生まれる筆のタッチや、色の重なりを楽しみながら描いています。


▲頭の光部分。(クリックで拡大)

(4)顔のパーツ・模様を描く
(3)までで使用した絵の具の色が混ざらないようにパレット、筆、水を一度綺麗にし、顔や模様を描き始めます。だるまの表情でイラストの印象が変わってくるので、黒目などの特に細かい部分は、絵の具を用いるのではなくペンで描きます。


▲顔部分。(クリックで拡大)

最後に、気になる部分を絵の具やペンで仕上げます。完全に乾いたら、はみ出た下描きを消しゴムで消して完成です。


黒いだるまの完成。(クリックで拡大)


(5)デザイナーさんにお渡しする
でき上がったイラストをデザイナーさんにお渡しし、チェックをいただいた上で、チラシやポスターにデザイン展開していただきます。文字や背景の色をきれいに組んでいただきメインビジュアルの完成です。


クラフトフェア「ツギノテ」のポスター。(クリックで拡大)

(6)キャラクター化
リーフレットやSNS用の挿絵として、メインビジュアルのだるまと招き猫に表情・動きをつけキャラクター化します。


筆ペンで描きました。(クリックで拡大)



クラフトフェア「ツギノテ」リーフレット。(クリックで拡大)

●絵のポイント
丁寧に描こうとすると上手く描けないため、勢いや思いきりで描くように心がけています。そうすることで筆のタッチや色の重なりも活き、自分自身も楽しく制作できます。



次回はいけがみのりえさんの予定です。


(2024年3月7日更新)

 

 

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