●「ヘンゼルとグレーテル」をテーマにしたイラスト
ギャラリーハウスmaya主催の装画コンペvol.22に応募するために描いたイラストです。装画コンペでは課題図書の中から本を選び、本の装画を自分のイメージで描きます。課題図書の中からグリム兄弟の「ヘンゼルとグレーテル」を選択し本イラストを描きました。物語の大まかなストーリーは知っていましたが、今回の応募をきっかけに本を購入し、物語を読み進めながら、装画のイメージを膨らませました。
コンペの結果は最終選考止まりでしたが、自分なりに作品を汲み取って描くことができたイラストだと思います。今回のコンペに応募したことで、実際の仕事で装画を描いてみたいと強く思いました。
完成イラスト。(クリックで拡大) |
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●構想、アイデア
物語の中でヘンゼルとグレーテルはお菓子の家に辿り着き、色々なお菓子を貪るように食べる場面があります。本イラストではヘンゼルとグレーテルは描かず、食べかけのお菓子や魔女が振る舞うお菓子、果物等を自分なりにイメージして描きました。
そのようにした理由は、この装画を見て物語の前後関係を想像して読み進めてほしい、またヘンゼルとグレーテルを描くことは読者が創り上げるヘンゼルとグレーテルの人物像を邪魔してしまうと思ったためです。
●使用ツール
紙(A4コピー用紙)、鉛筆、iPad Pro、Pro Create。
●絵のポイント
お菓子やその他の食べ物で人の気配を感じて欲しいと思います。物語を読み進めてこの装画の意図を感じ取る、また絵だけを見ても「ヘンゼルとグレーテル」を読んでみたいと思っていただきたいです。
●使用した技法、テクニック
基本的にデジタルツールを使用して描いていますが、アイデアスケッチは紙に鉛筆で描きます。アイデアスケッチを基にiPadを使用してラフスケッチから着色まで行います。デジタルの強みは全体のバランスを整えるなど、修正力が長けている点だと思っています(拡大縮小、一部分を切り取るなど)。デジタルらしい着色はほとんど使用していません。今後覚えていきたいと思っています。
●アイデアスケッチ
「ヘンゼルとグレーテル」を読み進めながらアイデアスケッチを描きます。
▲アイデアスケッチ。(クリックで拡大) |
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●ラフスケッチ
アイデアスケッチを基にラフスケッチを描きます。ラフスケッチではお菓子の配置を意識して描いています。ラフスケッチを描いた後は、一旦手を止めて翌日、ラフスケッチの確認を行います。一気に作品を描き進める事も可能ですが、時間を空けると別の視点で絵を見ることができます。
主観的に描いて、客観的に見ることを意識します。これらのバランスがイラストを描く上では重要だと自分は思っているので、時間を空けることは自分にとって効果的な手段です。他にも効果的な手段があると思うので、作品制作を通して研究しています。
▲ラフスケッチ。(クリックで拡大) |
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●線画~完成
そのあとはレイヤーごとに線画、着色と分けて描きます。
▲線画。(クリックで拡大)
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●着色
最後に陰影を描いて完成です。
完成イラスト。(クリックで拡大) |
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次回はふくさんの予定です。
(2024年2月8日更新)
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