●シャッターに絵を描く
いつもは1人で描いているのですが、今回は「越谷技博」というイベントでやらせてもらったプロジェクトをご紹介します。
完成した作品。(クリックで拡大) |
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いろいろな技を持った人たちがそれを伝授する1ヶ月間。埼玉県越谷市のあらゆる場所で、幅広い分野のワークショップがたくさん開かれました。私は越谷市場にある倉庫のシャッター15枚に参加いただいた皆さんと絵を描かせてもらうことになったのですが、1ヶ月では終わらず4ヶ月ほどかけて完成させました。
1枚につき3~10人ほど参加してくれたのですが、わたしの役割としては、みなさんの年齢などを見ながら誰にどの部分を担当してもらうかデザインを考えて、あとはどれだけここで楽しい気持ちで過ごしてもらえるか、寂れた雰囲気の越谷市場が一般の人も近づきやすい明るく開かれた場所になるには何をしたらいいのかを全力で考えて、毎日コツコツやり続けることだったのかなと思います。
制作に対する基本的な想いは同じですが「越谷技博」は参加型なので、1人で描く時とはまた違った方法で進めていきます。
参加のみなさんには
(1)シャッター掃除
(2)ペイント実践
(3)完成まつり
の3日間参加してもらいました。
ペイント実践の前後は、わたしが1人で描き進めました。
▲参加された皆さま。(クリックで拡大) |
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▲同じく参加された皆さま。(クリックで拡大)
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●使用ツール
やすり、高圧洗浄、雑巾、水性ペンキ。
●ワークフロー
(1)シャッターの掃除
みんなでシャッターの掃除をします。錆びている場合はやすりでこすってから高圧洗浄します。高圧洗浄の機械がない場合はホースやバケツの水でブラシを使ってゴシゴシ洗います。
洗ったらしっかり雑巾で水分を拭き取るのがポイントです(汚れた水がそのまま跡に残ってしまいます)。
溝に溜まっている水分はなかなか取れないので、1日乾かします。
▲シャッターの掃除を行う。(クリックで拡大) |
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(2)テーマを決めて下地作り
みんなが描きに来てくれる日までに、まずは1人でステージ(下地)を用意しておきます。シャッター15枚にそれぞれテーマを決め、どこを誰にどんな風に参加してもらうか作戦を練り、描きたい気持ちが高まるように、そしてそれぞれのテーマのイメージがわいてくるようにしておきます。
今回は市場のお店、運送トラックなど、市場にあるものを15枚に盛り込んだデザインにしました。
▲下地を描いている筆者。(クリックで拡大)
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(3)いよいよペイント実践!
それぞれの持ち場をテーマに沿って描いていきます。方向性はちゃんと伝えつつ、自由に描いてもらうようにしています。色も皆さんで作って、何を描くかも各自で考えます。
▲ペイントの実践。(クリックで拡大) |
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▲子供たちも参加。(クリックで拡大)
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(4)仕上げ
みんなが描いてくれた後に、わたしがさらに描き足して完成を目指します。
(5)完成まつり
描き終わったらまたみんなに集まってもらって、自分のサイン(マーク)を入れてもらって完成!!!
自分が描いたところを紹介したり、三味線、カホン、ブラジリアンパーカッションのみなさんが演奏してくれたり、市場の方が焼き芋焼いてくれたり、飲食店の方が協力してくれたり、みんなで完成をお祝いしました。
▲完成まつり。参加された皆さんでサイン入れ。(クリックで拡大) |
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▲完成まつりで盛り上がる。(クリックで拡大)
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・絵のポイント
描く方法を書いてきたのですが、シャッターペイントで一番大切なのは、その場の空気づくりだと思います。シャッターは街中にあるものなので、そこを通るみんなに好きになってもらいたい。
通りすがりの人とおしゃべりしたり、いろいろ食べ物もらったり、想像を超えるステキで面白い出会いを重ねながら、たくさんの方に応援してもらって、今回は4か月ほどじっくり時間をかけてやってきました。描いてくれた全員の写真を載せたかったのですがまったく載りきらなかった。本当にたくさんのみなさん、一緒にやってくれてありがとうございました。描いた後も長く愛される場所になったらうれしいです。
※1日中日陰だったこともあり、寒すぎて街中で遭難しそうになったので、春と秋にやるのがオススメです◎。
次回ははまださなえさんの予定です。
(2023年6月12日更新) |