●人物を描く(オリジナル作品)
今回は、実際に友人から貰ったお気に入りのイヤリングに合う女の子をイメージして描いてみました。
完成した作品。(クリックで拡大) |
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●使用ツール
色鉛筆、カラーインク、アクリル絵具。
●ワークフロー
・ラフスケッチ、下絵
大まかな線であたりをとった後に、細部を描き込み、表情をつけていきます。0.3のシャーペンを使用し、下絵はシンプルな線で仕上げるよう心がけています。
▲ラフはシャーペンでシンプルな線を描く。(クリックで拡大) |
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・線画を描く、ベースの色を乗せる
顔のパーツを中心に、仕上がり線をブラウンのカラーインクで描いていきます。下絵と同様に繊細な線が描けるようGペンを使用します。髪は筆の質感を残したいので、はっきりとした輪郭線は描かずに下絵のあたりが分かる程度にしておきます。
素肌部分にコーラルピンクでベースの色を乗せていきます。アクリル絵具特有の発色の良さが、後の色にも影響して全体のトーンがまとまりやすくなります。
▲Gペンで仕上がり線を描く。(クリックで拡大) |
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・顔のパーツを描き込む
瞳や唇にも色を入れていきます。バランスを見ながら、さらにコーラルピンクを重ねて陰影をつけ、少しずつ顔に立体感を出していきます。目元や口元の描き方1つで表情が変わってしまうので、下絵の雰囲気から離れないよう慎重に着色を進めます。
▲陰影を意識して立体感を出していく。(クリックで拡大)
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・ハイライトを入れる
瞳の反射光などの部分に、ハイライトを入れます。今回使用した画用紙が生成色に近いため、ホワイトはポイントとなる部分にのみ使用します。
▲瞳などにハイライトを入れる。(クリックで拡大) |
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・髪を描く
筆跡を残しながら流れを意識して描いていきます。毛先やほつれ毛は細筆で全体のバランスを見ながら最後に描き足します。
▲流れを意識しながら髪を描く。(クリックで拡大) |
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・その他のアイテムを描き込む
今回は実際のイヤリングを見ながら描きました。素材の質感を意識して描き分けます。人物がメインなので、細密な描き込みはしません。瞳や髪の色と馴染む色合いのアイテムを合わせるよう心がけています。
▲最後にイアリングを描いて仕上げる。(クリックで拡大) |
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●使用した技法、テクニック
アクリル絵具には透明水彩と不透明水彩の2種類があり、イラストの持ち味や表現によって使い分けできる面白さがあります。私はあえて水彩絵具のように色を重ねる描き方をしています。速乾性に優れているため加減が難しい部分もありますが、馴染ませたり際立たせたりとさまざまな表情を出せるところが気に入っています。
●絵のポイント
人物を描くときは表情を印象付けたいので、細かいニュアンスが出るようじっくり時間をかけて描き込んでいきます。瞳のハイライトの入れ方や、眉の角度など微妙な違いによって印象が大きく変わるので、試行錯誤を繰り返しながらしっくり来るポイントを探す作業が楽しいです。
私が描くイラストはリアルに近いものが多いのですが、あえて色ムラを残したり、線画に残る僅かな緊張感など、写真作品にはないアナログイラストならではの良さが表現できたらいいなと思っています。
次回はささきさとみさんの予定です。
(2023年5月2日更新)
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