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リレーコラム
カメラマンの独り言
-CG、生成AI時代の写真生活-


第6回:弥永拳太/写真家


2000年代に入り「写真」はデジタルテクノロジーにより大きく変貌した。そして最近では生成AIやCGレンダリングといった写真によく似た「新ビジュアル表現」が台頭してきている。そんな時代にカメラマン、フォトグラファーはどう対応していけばよいのか? そんな思いを語っていただくリレーコラムです。




Photographer's Murmur 06

弥永拳太:1991年福岡県北九州市生まれ。九州産業大学工学部住居・インテリア設計学科卒業。音楽制作兼撮影事務所アシスタントを経て、京都の呉服屋でカメラマンとして勤務。現在はプロモーションへの参加、CP+への登壇、記事執筆、そして全国を旅しながらの写真家活動をしている。

●スーパーカブで紡ぐ人間とAIのクリエイション

「さあ、行こう」。朝焼けを背にスーパーカブのエンジンをかける瞬間、私はいつもわくわくした気持ちになる。日本全国をこの頼れる愛車で走り回り、道すがら出会った風景や人々を写真に収める……そんな旅を続けるうちに、気づいたことがある。それは、ただ形として存在するだけの風景が、私たち人間の五感を通してはじめて「ドラマ」を帯びるということだ。

●AIがまだ踏み出せない“リアルな旅”の先

AIは近年、写真の自動補正から画像生成、さらに文章の作成に至るまで、クリエイティブな領域に浸透してきた。特にここ数年の進化は目を見張るものがある。一方で、AIが得意とするのは膨大なデータをもとにした解析やパターン生成だ。言葉を選ばずに言えば、すでに「持っている情報」の再構築がAIの強みでもある。

しかし私たち人間は、「持っていないもの」や「未知の体験」を求めて外へ出かける。旅先で遭遇する予想外の出来事や、その土地ならではの匂いや温度感、あまり人が踏み入れないような道の先にある風景。そんな、頭の中だけでは想像し得ない“リアルな刺激”こそが私たちの感性を震わせ、写真家としての創造力の源泉になっている。

AIは画像検索を通じて「見たことがないような光景」を合成するかもしれないが、「行ったことのない場所で受け取る驚きと感動」は、今のところ再現する術がない。バイクの上で突風にあおられたり、気温や湿度に悪戦苦闘したり、道端で地元の方と交わす何気ない雑談……そうした体験の小さな断片が、写真の中に息づく物語を豊かにしてくれると私は信じている。

早朝、川沿いに響くスーパーカブのエンジン音を背に、モノクロの景色が広がる。空気の冷たさを感じながら撮影した1枚。(クリックで拡大)。
 

●“人間だからこそできる”クリエイティブ

私は、自身の作品の軸を「人間の五感を通じて体得するリアリティ」だと考えている。例えば早朝の漁港では、かじかむ指先でシャッターを切れば、その寒さの記憶が写真ににじみ出るような気がするし、夕暮れの無人駅で切ない気持ちを抱えながら撮った写真には、その一瞬の空気感が封じ込められる。AIがいくら計算や構成を「最適化」してくれても、そこで肉体と感情を通して“何をどう感じ取ったか”までは算出できないのだ。

だからといって、AIを否定しているわけではない。私自身、旅先で撮影した写真を整理するときに、AIが自動でタグ付けしてくれたり、簡単なレタッチを提案してくれたりする機能には大いに助けられている。AIが得意とする部分を上手に利用すれば、膨大な撮影データの中から「今まで忘れていた印象的な1枚」を掘り起こしてくれる可能性だってある。

柔らかな風に揺れる花々と山並み。広がる自然の中を走る道は、未知の旅路への期待に満ちている。(クリックで拡大)。
 


夕暮れ時、ドラマチックな雲が立ち込める。橋の向こうに沈む光が、新しい発見を約束してくれるかのようだ。(クリックで拡大)。
 


日没直後の穏やかな海。遠くの島々が霞む中、光が優しく水面を染める。旅の終わりに感じる安らぎ。(クリックで拡大)。
 

●AIと人間の“共作”を見据えて

今後、AIと写真家の関係は「敵対」でも「一方的な道具」でもなく、「共作」という形へシフトしていくのではないだろうか。人間が新たに体験し、そこで得た感覚を写真に写し取る。一方で、AIは私たちの記憶やデータベースを解析して、まだ自分でも気づかなかった視点や構図を示唆してくれる。たとえば、「この風景と過去に撮ったあの写真を組み合わせると面白いんじゃないか」といったアイデアをAIが提示し、そこから新しい作品が生まれる……そんな未来がすぐそこまで来ているようにも思えるのだ。

ただし、「共作」を成功させるには、写真家自身が「何を感じ」「何を表現したいのか」をしっかり持つことが大前提となる。AIにすべてを委ねてしまうと、旅の発見も喜びも見失ってしまう。だからこそ、「どう旅をするのか」「なぜ写真を撮るのか」を自分の言葉で語れることが、これからの写真家には必要なのではないだろうか。


澄み切った夜空と雪山が織りなす神秘的な風景。息を呑む美しさに包まれた瞬間をカメラに刻む。(クリックで拡大)。
 

●旅は続く……人間の可能性を信じて

エンジンを切れば静寂に包まれる野宿地で、夜空を見上げながら思う。私たちがカメラを手にする理由は、まるで“人生の証明”を刻むかのように、感動や驚きを何らかの形で残しておきたいからじゃないだろうか。AIがどれほど優れた画像を生成できるようになっても、自分の足と目で築いた物語には、やはり特別な重みと魅力がある。

今この瞬間にしか生まれない光や空気を捉えるのは人間の仕事だ。そして、そこから先の整理や編集をAIの力で後押ししてもらう。私はそうやって、人間とAIが“得意なこと”を補完し合う未来のクリエイションに期待している。いつかAIがバイクにまたがり、まるで人間のように未知の道へ旅する日は来るかもしれない。しかし、その未来が訪れるとしても、私たちが五感をフルに使って体験する現実の旅の価値は色褪せないだろう。

スーパーカブのエンジン音が聞こえる限り、旅は続く。風を切る感覚も、アスファルトから伝わる振動も、そして、1枚の写真に焼き付けられた物語も、すべては私たち人間のものだ。AIとの共作が切り拓く新たなクリエイティブの扉を意識しつつも、私は今日もどこかの道を走り、シャッターを切り続ける。


※この文章はChatGPT o1を使用して生成された記事です。
※この記事で使われた画像はRecraft V3 を使用して生成された画像です。



次回のコラムは村田一朗さんの予定です。

(2025年2月12日更新)

 

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