クールジャパン(Canon 5D Mark IIIで撮影。以下同)。(クリックで拡大) |
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●クールジャパン
まったく個人的なことだが、私はロスジェネ世代なのでニューアカブームを少し知っている。端折ると、ニューアカとは「逃走論」だと思うのだが、その30年後の未来が今だと思うと何とも言えない気持ちになる。ニヒリズムは役に立たないな、クールなふるまいでかわし続けた先には何もなかったなと。
あの時代のあの楽観的な、ポジティブな、万能感は一体なんだったんだろう? どこから間違い始めたのかを考えたくなるほど、今パッとしない時代に生きている。ああ、地上げ屋やジュリアナ東京がなつかしい…子供だったからよく知らないけど…。
現代思想のニューアカのクールのたどり着いた場所は悪夢のような「クールジャパン」なんじゃないかと思う。現代思想なんてもう誰も言わないし、そういえば雑誌はまだあるのだろうか? リベラルな思想が政治にのみ込まれ、いつの間にか経済活動に組み込まれている。
このクールなジャパンの現実は、疲弊した地方都市、延々と続く同じ景色。田んぼ、幹線道路、チェーン店、コンビニ。コンビニのヤンキー、よくならない景気、金のない若者、あとひきこもりのロスジェネ。
この「悪い場所」からは、元ニューアカかぶれ的に言うと、クールなふるまいとしてではなく「逃げろ!」。 逃げたほうがいい。全力で。
次回は近藤みどりさんです。
(2019年10月18日更新)
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