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リレーコラム
女子フォトグラファーの眼差し

本ページは、女性フォトグラファーの皆様によるリレーフォトコラムです。カジュアルなプライベートスナップから作品まで、仕事とも一味違う、リラックスしたパーソナルショットを拝見できればと思います。カメラはiPhoneなどスマホもOKです!

 

第42回

叶野千晶

かのう ちあき:1971年千葉県生まれ。京都造形芸術大学通信教育部芸術学部美術科写真コース卒業後、千住博ザ・スーパー・アートスクールで学び第1期生修了。企画個展「永遠なるもの-something eternal」(2015年軽井沢ニューアートミュージアム)、企画展「風景のかたち-前田真三と現代日本の風景写真」(2016年足利市立美術館)など。第六回松蔭芸術賞受賞(2014年)。パブリックコレクション(足利市立美術館)。
http://tokyo-ga.org/photographers/kanochiaki/



 


▲「TOKYO_reflection」。キヤノン EOS 7Dで撮影
 


▲「TOKYO_reflection」。キヤノン EOS 7Dで撮影
 


▲「something eternal」。キヤノン EOS 7Dで撮影
 

●東京の記憶

カメラでとらえた造形や情景が、日を追うにつれ美しく光輝いて見えてくる時がある。写真はとらえてしまえばそれはすべて過去のものになってしまう。けれど、いまこの瞬間がいつかは消えゆく運命にあるかもしれないということに思いを馳せることが、一番心に安らぎを与えてくれる。

関東地域に生まれた私は、東京の住処に身を置き、振り返ればこの地に20年近く暮らしている。高等学校在学中に患った心身症の完治が切っ掛けになり、20代から14カ国に及ぶ国外への1人旅から始まった写真制作は、孤独であった私の心を解放し、生きる希望を蘇らせてくれた。

軽井沢での個展制作のため、4年前から東京の名勝庭園のランドスケープを撮影し始めた。人工物が多い東京でも、史蹟を辿ると自然を感じる場所は思いのほか多く存在する。かつて、幕府の時代に武家の江戸藩邸があった庭の心字池の水面を中心に撮影しながら、16世紀に存在していた記憶に耽る。

葛飾北斎が描いた鳥瞰図の錦絵のように眺めて見たいと、スカイツリーの350メートルの高層展望台に昇った。震災後に見た東京の展望は、建物や隅田川など遠くに見える景色が歪み、霞んで消えていくように見えた。

心象を描くように、夜のライトと展望の景色をレイヤーで重ねた。それは、アウラに姿を変えた魂との交信であり、生死無常の眼差しを秘めている。生と死に対する問い掛けが心の中で鳴り響く。



次回は宇井眞紀子さんです。
(2017年4月10日更新)


●連載「女子フォトグラファーの眼差し」のバックナンバー

 

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