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リレーコラム
女子フォトグラファーの眼差し

本ページは、女性フォトグラファーの皆様によるリレーフォトコラムです。カジュアルなプライベートスナップから作品まで、仕事とも一味違う、リラックスしたパーソナルショットを拝見できればと思います。カメラはiPhoneなどスマホもOKです!

 

第37回

高杉記子

東京出身。写真家。ロンドン芸術大学大学院 London College of Communication卒。ポートレートを中心に、アイデンティティ、人と土地などが主なテーマ。Taylor Wessing Photographic Portrait Prize 2015(ナショナル・ポートレート・ギャラリー、ロンドン)”Fukushima Samurai”, Photoquoi 2015(ケ・ブランリー美術館、パリ)、コニカミノルタフォトプレミオ2014入賞、野馬追ダイアログ(2016 福島県立博物館)など。
http://www.norikotakasugi.com

 


▲「シバタ、2016年11月3日の記憶」
(iPhoneで撮影)
 


▲「シバタ、2016年11月3日の記憶」
(iPhoneで撮影)
 


●シバタ

写真は時空を超える。

その時そこにあったものを光と時間で記憶した物質にして、未来のどこかに連れて行く。

先日初めて訪れたシバタという町は、明治時代、ハワイに出稼ぎ移民する人々が多い地だったそうだ。

日本からハワイに移住したある男性がいた。病気のため、夫と一緒に行く予定だったハワイ行きをあきらめ、シバタに残った女性は、なんとか心を共にしていたいと、2人の幼い息子を連れて地元の写真館を訪れる。当時、裕福な人しか家族写真を撮ることができなかった時代だ。女性は男性の帰りを待ったが、彼は二度とシバタの地に戻ることはなかった。

それから約100年の月日が発った。何も事情を知らず、その男性のひ孫にあたる男性はハワイに留学した。
そしてひ孫は母から、初めて曾祖父の話を聞く。

ハワイの日系人に自分の曾祖父の親戚がいないか調べてみたものの、らちがあかずあきらめていた頃、ハワイの友人から曾祖父の家族らしき存在がいることを知る。曾祖父はハワイで地元の女性と結婚し、大きな家族を持っていた。訪ねて行ったとき、「日本の親戚に会いたかった」と家族はあたたかく歓迎してくれた。家族の1人から、曾祖父がいつも胸のポケットに入れていたある写真を渡された。

曾祖母が日本から送った、幼い2人の息子とともに写った日本の家族の写真だった。誰にも言うことなく持っていたその写真を、亡くなる直前に娘に渡したものだという。

写真は台紙に貼られており、そこに撮影したシバタの写真館と写真師の名が金色の文字で印刷されていた。ひ孫は、いてもたってもいられずシバタを訪れ、そこにその写真館が今も営業していることを知る。

撮影をしたのは、現在写真館を営む6代目のひいおじいさんだった。初めて訪れたシバタは、どこか懐かしい町だったという。その写真は、今もひ孫が大切に持っているのだが、そのことがきっかけで彼は現在シバタで暮らしている。

写真は時空を超える。

時間と場所を超えて、伏線をたどり、人と遠い記憶を引き合わせる。
そんな話を聞いて、私はまた写真の魅力にとりつかれてしまうのだ。



次回は奥山美由紀さんです。
(2016年11月14日更新)


●連載「女子フォトグラファーの眼差し」のバックナンバー

 

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