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リレーコラム
女子フォトグラファーの眼差し

本ページは、女性フォトグラファーの皆様によるリレーフォトコラムです。カジュアルなプライベートスナップから作品まで、仕事とも一味違う、リラックスしたパーソナルショットを拝見できればと思います。カメラはiPhoneなどスマホもOKです!

 

第36回

佐藤美喜子

北海道斜里郡小清水町生まれ。幼い頃から暗室でフィルム写真を自分で現像・プリントすることを夢みて、写真を始める。展示を中心に作品を発表している。

http://mikityphoto.tumblr.com/

 


▲「北海道の東の方01」
iPhoneで撮影
 


▲「北海道の東の方02」
iPhoneで撮影
 


●達成感と罪悪感がないまぜになった不思議な感覚

ときどき、ちょっと遠出をして、朝日や夕日を見に行くことがある。「朝日を浴びると身体にいい」と誰かが言っていたし、なによりも、誰に邪魔されることなく、自分だけの風景や静寂なひとときを好きなだけ貪ることが出来るのがいい。とにかく衝動的に(そして定期的に)私は「生きている光り」を浴びに行きたくなるのだ。撮影目的で出かけるわけではないので、その時はだいたいカメラは自宅か車の中に置きっぱなし。とはいえ、ポケットの中には、ちゃっかりiPhoneは入っているのだけど。

神々しいまでの輝きを放つ朝の光、息をのむほど美しく幻想的な夕暮れの空。「今目にしている風景は、瞬きした瞬間、もう過去の風景になってしまうのかな」なんてちょっとセンチメンタルなことを、頭の隅で考えてみたりみなかったり。ひとしきり自分だけの風景を味わい尽くした後は、結局やっぱり写真撮りたい欲が、身体の奥からむくむくと沸き起こる。

美しくも儚い大自然のワンシーンを、ファインダー越しに切り取る行為。シャッター音の後に生まれる、達成感と罪悪感がないまぜになった不思議な感覚。写真を撮れば撮るほど、カメラを好きになればなるほど、この感覚は私の中で静かに膨らみ続けている。

言い古された表現かも知れないけど、私はこれからも「心のフィルムに焼き付ける」ように写真を撮り続けていきたい。あるがままの心と目が捉えた、無垢な風景を自分でも見てみたいから。



次回は高杉記子さんです。
(2016年10月12日更新)


●連載「女子フォトグラファーの眼差し」のバックナンバー

 

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