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リレーコラム
女子フォトグラファーの眼差し

本ページは、女性フォトグラファーの皆様によるリレーフォトコラムです。カジュアルなプライベートスナップから作品まで、仕事とも一味違う、リラックスしたパーソナルショットを拝見できればと思います。カメラはiPhoneなどスマホもOKです!

 

第130

服部芽生

服部芽生(はっとりめい):1995年生まれ、神奈川県鎌倉市在住。多摩美術大学卒業。西野壮平氏に師事。人物撮影を中心に、雑誌、Web、動画など幅広く活動中。ライフワークとして農場や牧場に行き、自然や動物の写真を撮り続けている。
https://www.meihattori.com/
Instagram:@____meimei

 


▲夜の海。iPhoneにて撮影。(クリックで拡大)
 
  

▲夜の海。iPhoneにて撮影。(クリックで拡大)
 

▲夜の海。iPhoneにて撮影。(クリックで拡大)


▲夜の海。iPhoneにて撮影。(クリックで拡大)
 

▲ピンホールカメラにて撮影。(クリックで拡大)


●2024年、夏。


夜光虫をフォトグラムを用いて写し取ろうと試みた。

夜光虫は海の中で光を放つプランクトンで、物理的な刺激を受けると反応して青白く輝く。その神秘的な光を何とかして写真に収めたいと思い、夜の海に入った。

印画紙を袋の中から取り出して、海の中に沈め、夜光虫の光を捕まえて写し取ろうとした。しかし、期待していた夜光虫の光の軌跡は、印画紙には反映されず、印画紙を持っていた指の跡だけが写し出される結果となった。

それでも、暗い海の中でキラキラと輝く夜光虫はとても美しく、まるで星空が降りてきたかのようだった。フォトグラムのことは一旦諦め、ゴーグルを着けて潜り、手足をバタバタと動かして、目の前に広がるたくさんの小さな光に夢中になった。

ふと空を見上げると、星空が見えた。夜光虫と星空、この2つの小さな光の光景が目の前でつながり、自分自身が宇宙にいるような感覚に包まれた。

次の日、作業をしていた暗室のカーテンにふと目をやると、小さな傷がたくさんあることに気が付いた。そこから漏れる光がまるで夜光虫や星空のように見え、昨晩の海の中で見た光景が頭に浮かんだ。カーテンの傷は針穴のような形をしていて、その穴を覗いてみると外の風景がうっすらと見えた。まるでピンホールカメラのようだねと、仲間と話していると、1人が段ボールを組み立てて針で穴を開けて、ピンホールカメラを作った。

実際にそのピンホールカメラで撮影してみると、目の前にある景色がぼんやりと映し出された。その景色は、どこか幻想的で、不思議で、魔法のように感じられた。小さな穴を通して見えた世界は、まるで夜の海で見た夜光虫や星空の光みたいに、キラキラと輝いていた。


次回は木本日菜乃さんです。
(2024年8月15日更新)



●連載「女子フォトグラファーの眼差し」のバックナンバー
第33回~
第1回~第32回

 

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