▲「窓、バリバリ」(クリックで拡大)。使用カメラ:RICOH FF-9D |
|
|
▲「油壺の海」(クリックで拡大)。使用カメラ:RICOH FF-9D |
|
|
▲「ギャラリーメンバーの楊 喻雯さん」
(クリックで拡大)。次回は彼女のコラムです。使用カメラ:RICOH FF-9D
|
|
|
▲「今年の夏はたくさん移動した」(クリックで拡大)。使用カメラ:RICOH FF-9D
|
|
|
▲「入善の星」(クリックで拡大)。使用カメラ:Canon EOS55
|
|
|
●サマーバケーションと本物の学生
カメラマン、写真作家の他に、4月から母校の写真専門学校でゼミの講師をしている。今は夏休み期間中だ。ということはもう13回も「授業」をしたらしい、信じられない。
今年の初旬、前任の先生のご退職が決まったらしく、卒業生でありゼミの出身者である私に打診があった。打診が来るかもという噂を最初に聞いたときは完全に冗談だと思い呑気に流していたが、内心先生かぁいつかそんなことができたら嬉しいなと思い、脳内で妄想の学生を3人ほど作り出してかわいがっていた。
(妄想の)学生たちにいろいろなことを教えられるように、カメラマンとしても写真作家としても、もっと精進しなければと思いはじめた矢先、本物の打診が来た。本当に私でいいのかと思ったが、妄想ではなく本物の学生たちに会ってみたくなり、ありがたくお受けすることにした。
受け持つことになったのは2年生の4人。私の前に講師を務めていた先生はかなり活躍しているカメラマンなので、先生が変わってがっかりするのではと最初の授業が始まるまで心配していたが、本物の学生たちは、もちろん思うところはあるかもしれないけれど、毎週新作を見せてくれたり、質問をしてくれたり、撮影に行ったとか、面接が決まったとか、インターンに行ったとか、ホットなトピックも報告してくれる。みんなひたむきで応援したくなるいい子だ。なので私も、自分がどう思われるかとかは一旦考えず、とにかくみんなの球を全力で打ち返そうと思った。
しかし相変わらず前任の先生に嫉妬はしているので、前任の先生のInstagramやHPを何回も見にいっている。何回も見にいきすぎてきっと相手のInstagramの「知り合いかも?」のところに私のアカウントが表示されてしまっていることだろう。不気味で申し訳ない。
私が初めて母校に来たのは17歳の時、高校生に向けたオープンキャンパスで、師匠である緒方秀美さんが講師を勤めていた。男性の先生の後ろから若い女性のカメラマンが出てきた時、女性は男性の先生のアシスタントだと勝手に思っていたので、とても衝撃を受け、本人と写真の格好良さにもさらに衝撃を受けて、こういう生き方があるんだと思った。絶対にこの学校に入ってこの人に教えてもらおうとその時進路を決めた。
高校生の時は、アルバイトで30分レジに入っただけでレジの金額を2万円合わなくしてしまったりしていたので、写真の学校に入って、カメラマンとして今暮らせていて本当によかったなと思っている。写真の学校を進路に選ぶくらいだから、写真の道でしか生きていけない子もきっといると思う。そういう子を応援できたら私は嬉しい。
10月からは1年生も10人ほど授業に参加してくることになった。飛んでくる球が3倍くらいに増えてしまう。変化球や豪速球にボコボコにされないよう頑張らなくてはならない。
これを書いているのは8月末、もうすぐ夏が終わる。夏休みの課題は写真100枚の提出にした。秋と400枚の写真が待ち遠しい。夏より冬が好きだから。
次回は楊 喻雯さんです。
(2023年10月5日更新)
●連載「女子フォトグラファーの眼差し」のバックナンバー
第33回~
第1回~第32回
|