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リレーコラム
女子フォトグラファーの眼差し

本ページは、女性フォトグラファーの皆様によるリレーフォトコラムです。カジュアルなプライベートスナップから作品まで、仕事とも一味違う、リラックスしたパーソナルショットを拝見できればと思います。カメラはiPhoneなどスマホもOKです!

 

第104

齊藤優子

東京・八王子生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。広告制作会社を経て写真家鳥巣佑有子氏に師事。現在フリーランスで活動中。

 


▲食べるか寝るか。だいたい2択。自宅で撮影。すべてCANON 5D MarkⅢ(50mm/1.4)。(クリックで拡大)
 
 

▲(クリックで拡大)
 

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●誰かを生きる

3年前に結婚した。
名字が”山本”になった。
最近の挨拶は「山本優子と申します。」
公的な場での証明書ももちろん。



先日、健康診断を受けに病院へ行った時のこと。

「山本さぁ~ん。山本優子さぁ~ん。」



呼ばれてもイマイチ反応しづらい。
嫌いとかではない。
夫のことはもちろん好きだ。

未だに慣れずにいる夫側の苗字。

マスオさんの気持ちが今ならよく分かるかもしれない。



証明書の写真はもちろん自分だ。
徹夜明けの顔で不意を狙われた写真が今もある。
でも見慣れない名前がそこに。
違和感でしかない。




はて、私は一体誰なのだ。




以前は「齊藤」だった。というか今も。
古い友人も昔のあだ名で呼んでくれている。
素直にいられるのは気のせいか。



婚姻届の話を母とした際、何の気負いもなく戸籍を夫側の実家にするという話をした。
なぜなら書く欄が一箇所しかないからだ。


すると、「私はあなたを産んだのは八王子なのだから、変えてほしくないなぁ。」と唯一口を出した。




ハッとした。

戸籍の意味が。




写真の仕事は旧姓を名乗っている。
これが自尊心というものか。誇りを持っている。
子が付く名前はもう絶滅危惧種なのか。



画数で50画越えていたが、今は30画ほどだ。
全体でぎっしりしていた見た目が、今はなんだかスマートで上品だ。




あ。そうか。




夫婦別姓に賛成か否かという話ではない。
女優「山本優子」を演じ続ける覚悟が必要なんだ。




この違和感と共に生きていくのが妻の役目。





次回は清水朝子さんです。
(2022年7月12日更新)



●連載「女子フォトグラファーの眼差し」のバックナンバー
第33回~
第1回~第32回

 

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