JCリーダーズコンテスト2019
第2回「街」と「花」の写真コンテスト、受賞作品の発表です!
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大賞・・・賞金10万円
City作品9:畠山 啓 様
(京都府)37歳 会社員 男性
テーマ賞・・・賞金2万円×2名様
Flowers作品9:西村英朋 様
(福岡県)46歳 会社員 男性
※City作品は受賞者のご都合で辞退となりました。
協賛企業賞
●ライカ賞・・・「ライカ ゾフォート LimoLand by Jean Pigozzi」
City作品11:斎藤理音 様
(神奈川県)22歳 プログラマー 男性
Flowers作品13:大沢 愛 様
(神奈川県)18歳 画家 女性
●ワコム賞・・・Wacom Intuos Pro Medium「PTH-660/K0」
City作品5:ニシヨシユキ 様
(東京都)27歳 会社員 男性
●銀一賞・・・シンクタンクフォトのカメラバッグ「スペクトラル8」
Flowers作品11:maru 様
(福岡県)43歳 カメラマン 男性
※JCリーダーズコンテスト協賛企業賞の賞品はこちら
審査方法
本コンテストは「次世代フォトグラファーにとっての最初のステップ」をコンセプトに、「独自性」「可能性」に重点を置いて審査をしています。審査員のお2人には、各作品に10点満点(0.5ポイント刻み)で採点していただき、お2人の合計点数の高い順に受賞作品といたしました。
また協賛企業賞は、すべての作品から各企業の審査基準に基づいて選定いたしました。
総評
小林幹幸氏
このコンテストの2回めになり、少しのレベルアップが見られて嬉しく思いました。しかし、気軽な応募なのか、組の意味を考えていなかったり、単写真を数枚応募してみたような感じもまだ多い。
今後は応募の仕組み、組みなのか、単写真2枚なのか、明記させたり、テーマとキャプションも応募に加えてみては? と思う。
新しい才能の発掘なら、コンテストの応募からシステムを変えてみたらどうか? Twitter、Instgram、Facebookの中にはもっともっと良い才能が埋もれている。1人でも多くの人に応募してもらい、レベルアップさせるにはどうしたら良いか? 審査員の力ではなく、サイトの作り方やTwitterなどとの密な連携によって、審査員がRTしやすい状況を作ること。Twitterで受賞作の紹介を報告することがないと、今後の発展は怪しいと感じた。
●Flowersの応募作品について
まだまだ自然の花を撮るネイチャー作品が多い。同じ写真が多い。選べないで応募するような、選択眼のない人も多かった。組み写真とは何か? 共通項をあぶり出し、匂いや考えを伝える…花とは何か。根本に迫った作品は皆無。発想の貧困さも感じた。
作品9の西村さんの作品発想、元写真の力強さ、インパクト、ともに満点であった。文句の出ない作品です。
作品8の鳥海さんは花をきれいなものとも捉えていない、悲しみさえも感じる街のエッセンスとして新しい捉え方をしたと思う。
作品12の横川さん 人物写真だが、花のワンピース、黄色い花弁のような中に佇む女性に発想の豊かさを感じた。
作品11のmaruさん、2枚めまではよかったが3枚めが惜しい。組み写真ではないのか、良い写真だが、テーマが一貫していないので惜しい採点になった。
作品13の大沢さん、一枚の絵のような画面が新しい。これは撮り続けることによってより良い作品に育つ予感を感じた。
作品16の斎藤さん、新しい花のイメージである。チャレンジに拍手を送りたい。3枚めは目線があることによって花の写真ではなく人物写真になってしまっていてテーマからずれたように思う。色調も一貫していない。技術向上を含め、撮り続けていくと面白い写真になっていく可能性があります。
●Cityの応募作品について
街を風景と見る人とストリートスナップに見る人と分かれてきたと思うが、花と同じく、このコンテストは若手の登竜門であるので、ネイチャーや風景写真は不利なように思う。
作品1のirohaさん、懐かしい心象風景、淡い思い出のような感じが良かった。
作品4の鳥海さん、忘れ去られた記憶なのだろう、幼少の思い出のような、父に連れられた記憶のような感じがする。どこか湿ったトーンに街の匂いを感じる。
作品8アイバさん、気持ちの良い写真です。視点もアイデアも良いですが、同じ場所だけでなく、違う場所、もしくは角度を変えるなど変化は欲しいです。センス抜群の作品です。
作品11斎藤さん、街を取りながら人間世界のユーモアや優しさへの視点が見えます。色を合わせたらもっとよかったのではと思います。
HASEO氏
今回の作品を見させていただいた。作品点数は昨年よりも減っていたが、全体的なレベルは上がっていたのではないかと思う。
技巧的な作品やレタッチに頼る作品というよりも、独自の世界観を確立し、そしてそれに基づいて写真を撮るといった作業をしている人たちが多いように感じた。
Cityの大賞になった畠山 啓さんの作品などは、ただの街を街のように撮るのではなく、自分の視点で見た街、自分の世界観に沿った街というテーマが現れた作品だったのではなかろうか。ただの傍観者ではない自分の主義主張が入った立派な作品であると思う。
またFlowerの作品に関して言えば、大沢さん、10代の子がライカ賞を受賞したということも非常に驚きではあった。すでに感性が非常に磨かれており、誰のものでもない、花という物体に対して自分の感性で自分の撮りたいものを撮っていると言えるだろう。得てして主張しすぎて破綻しがちな色彩とその構図、それを絶妙のバランスで磨き上げ、そして誰が見ても独特の彼女の世界に沿った花であると言える。
難しい技法やPhotoshopやインターネットで学んだ技術による、それらしい作品というものは見ていてつまらないものであり、個性的なつもりをした無個性であると私は感じてしまう。
今回の受賞作品たちのようにただの傍観者でもなく、ただの技術披露の場でもなく、ただのレタッチの場でもない、自分自身の目で見た花や街の世界観というのが今回のコンテストで現れたのはよかったのではないだろうか。
まず自分の世界観を確立し、それに沿ったものを撮影していくという行為が必要なのではないかと思う。そのように私は強く感じた。
森屋義男(Japan Creators編集長)
まず、作品をお寄せいただきました応募者の皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。そして審査員のお2人には審査と真摯な総評をいただきありがとうございました。
今回、審査員のお2人からお名前が挙がった皆さんは、どなたが受賞されてもおかしくない僅差であったことをお伝えしておきます。
さて、写真を選び、使う立場の編集者から見て、今回の応募作品の多くは、十分各種商業メディアに掲載できるレベルです。ほとんどの編集者は、実は写真の技法などに詳しくありません、撮影の現場に立ち会わない限りは、その作品がどのような条件、状況で撮られたかなどは想像もつかないのです。
その分、提示された写真を予断なく選ぶことができます。編集者やディレクターなど、選ぶ立場の評価基準は、インパクトがあるか、いままでにない写真か、誌面に映えるか、コンセプトやメッセージを感じるか、などになります。もっと言ってしまえば、直感で「あり」か「なし」か、なのです。今回の受賞作品は作家性が高い分、そういった商業用途の基準は超えているようにも思います。このコンテストの受賞をきっかけに、皆様のさらなる飛躍を期待しております。
さて、今回のコンテストは、運営側に大きな課題を残しました。一言でいえば、応募者の減少です。おそらく、前回の受賞作品を見て、今回の応募をあきらめてしまった人が多かったのではないかと推測しています。
「次世代フォトグラファーにとっての最初のステップ」という本コンテストのテーマは、言い方を変えれば「今までにない作品を撮れる写真家を世に出したい」ということです。それは最新テクニックの写真という意味ではありません。たぶん皆様の中の”個性”がまだ眠っているだけなのではないでしょうか?
「街」と「花」はファーストステップとしては撮りやすいテーマだと思っていますので、これからも続けていく予定です(テーマを追加していく可能性はあります)。
本コンテストはメジャーなコンテストに比べると、専門性が高いイメージかもしれませんが、それが他にない特徴ともいえるでしょう。今後は各種SNSと連携しつつ、よりよいコンテストのあり方を検討していきます。
来年も皆様の力作をお待ちしています!
(2019年4月30日更新)
※注意事項
・応募作品はオリジナルで国内外未発表のものに限ります。他のコンテスト/コンペとの二重応募の場合、断りなくエントリーを取り消しますので予めご了承願います。
・本コンテストのすべての応募作品の著作権、特許、実用新案、意匠、商標などの権利は、応募者に帰属します。
入賞作品に対してその発表に関する権利は主催者が保有するものとします。
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