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若手デザイナーが仕事目線で語る、
特色印刷可能なインクジェットプリンタ
「エプソンSC-P5050」


スペシャルインタビューの第4回は、印刷会社での業務の経験を持つ橋詰冬樹さん。印刷会社で培った印刷物へのシビアな目で、デザイナーのパートナーとしてのSC-P5050を語っていただいた。

取材協力:エプソン販売株式会社

第4
特色表現を検証する!
「エプソンSC-P5050」による
出力のディテールを探る


橋詰冬樹(Hashizume Fuyuki):グラフィックデザイナー/デザインディレクター。1986年生まれ、長野県出身。NY School of Visual Arts中退。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。全国カレンダー展金賞および銀賞、経済産業大臣賞、松永真審査員特別賞、浅葉克己審査員特別賞、Gregor international Calendar Award銀賞および銅賞、日本BtoB広告賞(カレンダー部門)金賞および銅賞、NY TDC入賞など受賞多数。
https://tor.myportfolio.com/

撮影:小長井ゆう子
進行:森屋義男/Japan Creators編集長

●エプソンSC-P5050 製品問い合わせ先
SC-P5050(エプソン)http://www.epson.jp/products/largeprinter/scp5050/
ソフトウェアRIP(株式会社ソフトウェア・トゥー)http://www.swtoo.com/efi/


▲エプソン「SC-P5050」。298,000円。(クリックで拡大)
 
▲本体前面の左右に11色の専用インクを収納。左側に特色用のインクが入る。(クリックで拡大)
 
▲RIPソフト「EFI Fiery eXpress」の操作画面。(クリックで拡大)
●印刷会社からデザイナーとして独立

--まず、橋詰さんの経歴からお聞かせください。

橋詰:アメリカに2年間留学後、武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科に編入し、卒業後に凸版印刷株式会社に入社しました。アートディレクターとして主にカレンダー作りの仕事をしていました。カレンダーは凝った印刷を行うことが多く、そこで企画提案から現場までいろいろ携わっていました。ソフトウェアのオペレーションも現場で学び、今、専門学校でPhotoshop、Illustratorの講師もやっています。凸版印刷は6年間勤めた後、2017年の夏に独立しました。現在まだ独立4か月目です(笑)。

--独立されて間もないんですね。今はどのような案件が多いですか?

橋詰:前職でカレンダーを扱っていたこともあり、カレンダーの仕事が多いです。あとは、美術館の図録やポスター、チラシ、チケットなどを手掛けています。

--デザインはやはり紙メインですか?

橋詰:そうですね、紙が好きです。最近は印刷業界が縮小していると言われていますが、その理由を自分なりに考えてみた結果、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスに比べ、印刷物の表現が追いついていないからだと思うんです。RGBとCMYKの違い、色域の狭さという特性の違いもありますが、もっと言うならば印刷が慢心しているというか、簡単に刷りすぎています。

デジタル媒体であれば、すぐにアップデートをし、クオリティーを上げていけますが、紙は一旦表に出てしまうとやり直しが効かない。デジタル媒体のスピードに負けまいとすると、印刷のクオリティがどんどん下がってしまいます。

デジタル媒体の日常化で印刷業界がシュリンクしていくのは時代の流れだと思うのですが、僕はもともと印刷、紙とインクが大好きで、凸版印刷に入社しました。実際の業務を経験したなかで、印刷の未来に希望を持つとしたら、印刷の品質にこだわるしかないと今は思っています。

当然コストも上がりますが、印刷品質だけではなく、例えば触感とか匂いとかの感覚を持たせることはネットより紙の方が優位なのではないでしょうか。

--なるほど。デジタルよりも紙が勝っている面も少なくないですね。

橋詰:現状、ディスプレイでしか表示できないデジタルデバイスに比べて、紙はむき出しというか、モノですよね。やはり物質としての強さを感じます。

例えば書籍は、電源がいらない、開けばすぐ読めるアクセス性、デコボコ、ザラザラといったテクスチャなど、紙ならではの魅力があり、また古本のように、紙が経年変化していく過程も好きですね。

--若い世代の人たちがフィルムカメラにはまったりと、テクノロジーが進化する反面、そういった昔ながらのモノの良さが再認識されてきているように感じます。

橋詰:そうですね、Webデザインをやっている友人も、印刷に興味を持ってくれて、ちゃんと手に重みが残るモノっていいよねとかよく話しています。またデジタルで最先端をいっていた別の友人の会社が最近家具作り始めたりして(笑)、どんな表現でも形にしたい、プリントしたいという欲求が人にはあるような気がします。

--ネットに押され気味の印刷業界、一方で若い世代はアナログ回帰、といったお話ですが、そういった中で、今回デジタルでありながらスーパーアナログ的な特色プリンタ、SC-P5050をお使いいただきましたので、印刷のプロの目線でお話いただきたいと思います。


▲印刷にこだわる橋詰さん


●SC-P5050の特色再現性を実証する

--まず、実際にプリントアウトされて、ファーストインプレッションはいかがでしたか。

橋詰:そもそも、これまではプリンタで特色を再現しようとは思いもしなかったです。従来のデザイン作業では、特色チップを見ながらカンプを作っていって、初校で初めて実際の印刷物の色を見て「あれっ!?」と焦ることがしばしばありました。ですので、こうして手軽に特色が確認できるのは便利ですね。しかもその再現性もかなり高いです。

--特色の再現性は納得レベルですか。

橋詰:印刷所目線になってしまいますが、印刷は生ものなので、印刷物といえども実は機械のコンディションやその日の天気などいろいろな要素に左右されています。どの色をターゲットにするかというのが結局現場での目となってしまいます。そういう場合にもしSC-P5050で出力したターゲット、色見本があると、心強いですね。

また、色校正の際も、もう少しビビッドな赤とか、もうちょっと明るい赤とか抽象的な指示を入れるよりは、SC-P5050で出した色見本に近づけてくださいと言ったほうが現場に伝わりますよね。お客さんと仕事をする上では、自分の作品を作るわけではないので、何より関係者みんなでコンセンサスをとれるのがよいですね。

--具体的に、DICやPANTONEの特色チップと比較していかがですか?

橋詰:それはほとんど違和感を感じませんでした。実際僕は8割程度合っていればいいと思っていて、ピッタリ合っていても、結局紙やインクの練りで印刷自体特色どおりには100%再現できませんから。方向性、イメージが再現できていればまったく問題ないです。

SC-P5050の特色再現性は印刷の現場でも十分過ぎるクオリティです。カンプとしてはこれ以上必要ないレベルです。逆に印刷で追えなくなる気がします(笑)。

--デザイナーさんはよくカラーレーザープリンタを用いますが、さすがに特色の再現は難しいでしょうから、SC-P5050がデスクトップ型では現在唯一の色見本プリンタになるかもしれません。


▲SC-P5050の出力を待つ。A2ノビサイズを最高画質設定で打ち出し約10分で完了する。(クリックで拡大)

▲プリントアウトの品質を印刷目線でチェック。(クリックで拡大)

●SC-P5050によるプリントのディテールを検証


--橋詰さんは前職で印刷に関するシビアな目が鍛えられていると思いますが、SC-P5050のプリントアウトの品質はいかがですか?

橋詰:今回、SC-P5050の試用用データを作りました。特色だけではなく、グレー系、スミ系も随所に入れていますが、その差もちゃんと表現できています。

驚いたのは、K100、特色の黒、リッチブラックの3つの差がちゃんと出ていたところです。黒系の中でもきちんとトーンが差別化されています。普通のインクジェットプリンタでは、ただの黒い帯になってしまうと思います。

またRIPソフトの設定によっても出力傾向を変えられますね。インクを混合せず、Kインクのみで素直に黒を出すモードを用いると、リッチブラックの再現性も微妙に異なってきます。このモードですと、6級程度の細かい文字がよりクリアに見えます。罫線の描画もよく、0.05ミリ罫もしっかり再現されています。

それと、グレーのグラデーションですが、階調表現は色が転びやすく、実際の印刷でも非常に難しいのですが、SC-P5050でもスミ50%辺りがやや黄色っぽく見えます。これは半調にしたときのKインクの特性かもしれません。

●金と銀、蛍光色も試してみる


--SC-P5050は、PANTONE、DICの特色印刷可能と言っても、蛍光色、金、銀の出力には対応していません。今回あえてテスト出力してみましたが、実際に印刷をご覧になってどうでしたか? まず金と銀。

橋詰:個人的な所感では、金の方はいい感じです。光沢系の紙に印刷したときの再現性は高いのかなぁと思います。銀は少し重たい印象で、メタリックな輝きはないのでグレー系に見えます。


▲金と銀をプリントアウトして、最も近い特色チップ3枚を中央に置いてみた。(クリックで拡大)
 


--蛍光ピンクや蛍光グリーンなど、その他の蛍光色はどうですか?

橋詰:蛍光色すごいですね(笑)。蛍光ピンク、蛍光オレンジ、いずれもこれだけ明度、彩度の高い色は普通のインクジェットではありえないです。これだけ鮮やかさが再現されていれば、蛍光色と言ってもおかしくないレベルだと思います。カンプなどでも十分使えます。

これくらい蛍光色が出れば、原画の鮮やかさも表現できるので、イラストレーターの方が喜ぶかもしれません。よくDMやフライヤーのイラストが原画と同じものとは思えないほどかけ離れていることが多いので、個展の案内DMなどを作るときにSC-P5050を使用すると良いと思います。


▲RIPソフトとSC-P5050




▲橋詰さんの作ったプリンタ検証用のチャート。プリンタの性能があからさまになるチェックポイントで構成されている。(クリックで拡大)

▲橋詰さんの仕事から、写真をプリントアウト。線数の高いオフセット印刷とSC-P5050のプリントアウトを比較したが、遜色ない仕上がり。RIPソフトでコントラストを何度か調整した。(クリックで拡大)

●シェアオフィスなどに最適

--印刷品質には満足いただきましたが、橋詰さんだったらSC-P5050をどのように活用しますか?

橋詰:まず印刷所経験の目線で言いますと、イメージ的にSC-P5050は、B1の大判インクジェットプリンタのサブ機的位置づけに思えます。B1プリンタがフル稼働している部署などであれば、ニーズは高いと思います。印刷所では、大量にプレゼン用のカンプを出力するので、B1プリンタが使用中のときにA2をプリントしたい場合などにSC-P5050があれば、コスト的にも時間的にも有効かなと思います。

--それはある程度の規模の部署への導入の場合ですね。個人のデザイナーが利用する観点ではいかがでしょう。

橋詰:僕のデザインワークで考えても、使いどころはいろいろあるプリンタだと思いますが、年間の稼動を考えると、僕1人だと持て余してしまいそうです。まだ、これだけのクオリティのプリントを毎日何枚も必要としないので。

ですので、個人デザイナーによるSC-P5050の活用シーンとしては、10人前後のデザインオフィスやシェアオフィスが現実的かと思います。デザイナー数人で共有しながら使えば、コスト的なメリットも十分出ると思います。

僕も含めて、多くのインディペンデント系のデザイナーは、なるべく身軽でいたいと考えていると思います。SC-P5050を稼動させるための仕事やデザインを優先しては、本末転倒になってしまいますし、またSC-P5050を導入した場合のコストをデザイン料に乗せられるかも難しいところです(笑)。

--出力センターをシェアする感覚で手軽に使えるといいですね。

橋詰:それが一番気楽です(笑)。使いたいときにすぐ使える環境ができればいいですね。1枚出力ごとにお金払ってもいいですし、むしろシェアオフィスの運営会社が設置して、それをセールスポイントにユーザーを募集してもいいと思います。SC-P5050の運用コストも家賃に含めて、使い放題にしていただければ最高ですね。

一度、SC-P5050をライオンの檻の中に放り込んでもらって(笑)、そこで得られる反応やフィードバックによって、デザイナー自身のワークフローも変化していくかもしれません。いろいろ使いこなすことでの新しい発見など、まだまだトライアンドエラーによって発展していくプリンタだと思うので、まず気軽に使える環境があれば嬉しいです。

--ありがとうございました。デザイナーは、特色を含めたプレゼン用カンプや色校正が手軽に出力できれば、という思いを切実に持っています。SC-P5050がその思い、願いを実現してくれればと思います。



 

2017年10月、東京・弊社編集部にてインタビュー。
(2018年1月15日更新)

 

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