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Portfolio NOW!

このコラムでは、毎回1人のデザイナーに旬のデザインを見せていただき、その作品作りのきっかけ、コンセプト、世界観、制作テクニックなどを語っていただきます。リレーコラムですので、掲載クリエイターには次の方にバトンを渡していただきます。

 

Designer FILE 22

末永 剛

末永剛(すえなが ごう): 東京芸術大学卒。在学中より企業プロモートやアートプロジェクトを経験し、 卒業後は音と映像と演劇を融合させたメディアアート作品を中心に制作活動を続ける。2013年より(株)サイバーエージェントのアートディレクターとして、多くの企業広告を手がける。2016年よりデジタルハリウッド大学院にて「デジタル時代のアートディレクション概論」非常勤講師。

●難民問題への新たなアプローチ
「つなごう難民プロジェクト」

・社会問題とデジタルコミュニケーション

このプロジェクトでは、難民という社会問題について向き合うことになった。社会貢献には以前より興味関心が強く、国連UNHCR協会の依頼を受け、この仕事に取り掛かった。「難民」についてはさまざまな定義があるが、「紛争や迫害などのために命の安全が脅かされ、やむを得ず他国に避難した人」のことをいう。現在世界最大の人道危機と言われているシリアを含め、難民は6,500万人を超え、現在も増え続けている。

難民支援を考えるときに弊害となるのが、自分事化できないことだった。なぜなら、難民が陸続きにやってくる可能性が高い国は別として、日本は海に囲まれており難民の受け入れも少ない。だから、難民と呼ばれている人々が困っているのを、ニュース見ていて知ってはいるのだが、行動に移すには至らない。このプロジェクトを通じ、難民問題に対して、もう一歩踏み混んだ関心を持ってもらう必要があった。


つなごう難民プロジェクトのキービジュアル(クリックで拡大)
 

CONCEPT

コンセプトは「笑顔でつながる」。難民のイメージというと「テロや爆撃で家を壊され、家族を失う人々」「ボートで泣いている子供」「長い道を延々歩く後ろ姿」など、つらく苦しいイメージが一般的。

辛く苦しい状況をそのまま伝え、「救いの手を差し伸べましょう」というストレートなコミュニケーションも必要だが、今回は、これまでとは違った角度から難民の姿を伝えることで、今までとは異なる層の人たちにも興味、関心を持ってもらいたいと考えた。

施策としてはテレビ広告の予算はなく、デジタル中心。その代わりデジタルではWebサイト、ジェネレーター、動画配信。リアルではヨルダンの難民キャンプでの撮影、ダンスワークショップ、街頭用のツール制作とさまざまなコンテンツ、メディア施策を立体的に組み合わせた企画「つなごう難民プロジェクト(http://tsunago-nanmin.jp/)」となった。

キーとなるコンテンツはダンス(正確にはモーション)で、ノンバーバルなコミュニケーションを目指した。身体の動きとを企画の中心に置く上では流石組代表のムラコシヨシトさんに多くのアイデアをいただいた。

・LOGO

「つなごう難民プロジェクト」という日本語ロゴができ、日本版サイトが落ち着いてから、英語サイトも合わせて制作することとなった。そのタイミングで、英語版のロゴの開発に取り掛かった。直訳ではなく、楽しく参加したくなるようなタイトルで、その上「おおきなわ」を作る動作が今回のプロジェクトのキーだったので、タイトルは「WOW (with Refugees)」とし、人が「動き」で喜びやつながりを表現しているロゴを制作した(日本語ロゴはWebサイト制作を依頼した株式会社創さん制作)。


英語版サイト用のロゴ
 

・WEB(GENERATE)

このサイトの大きな特徴としては「動画投稿」をすると、「GIFアニメ」が合成されて、クリエイティブが吐き出され、シェアされるという、いわゆる動画ジェネレーターの仕組み。投稿ハードルが高いので、なるべく少ない手順でジェネレートの体験まで到達するように設計しつつ、裏側でフレームとなる大量の動画を制作している。

モーショングラフィックと動画ジェネレートの仕組みを合同会社 Cさん、サーバーサイドのユーザーの動画との合成を凸版印刷さんに依頼した。多くのフレームパターンを準備し、それがランダムに組み合わさることで、毎回違った難民の方たちと一緒に動く動画になっている。


つなごう難民プロジェクトのWebサイト
 

・MOVIE

「コンセプト編」「ドキュメント編」の2つの動画を制作した。今回の「みて」「きいて」「はなそう」「おおきなわ」の動きの開発と、ヨルダン難民キャンプでのダンスワークショップを南流石さんに、カメラと編集はドローイングアンドマニュアルさんに依頼した。

現地では多くのUNHCR職員、NGOの方たち、コーディネーターの斉藤亮平さんの協力を得て大成功に終わり、現場で生まれた本物の笑顔が映像に収められている。また、ジェネレートのために 300人以上の人を撮影し、2,000ファイル近くの動画切り出しをする上で、多くの方に協力していただいた。


ワークショップなどによる動画の数々








・TOOL

国連UNHCR協会の主な活動の1つとして、街頭での啓蒙と募金活動があり、そこで「つなごう難民プロジェクト」を伝える手段としてチラシを制作した。たき工房さんに依頼し、普通のチラシではなく、目に止まり、持って帰ってもらえるようなツールになった。UNHCRロゴの中心はさまざまな国の難民をモチーフにしている。

UNHCRロゴの中心はさまざまな国の難民をモチーフにしている。


・COMMENT

この仕事に関わらせていただいて本当に光栄に思う。中東(ヨルダン)へ取材、撮影に行って大きくイスラムに対する印象が変わった。そうさせたのは自分が今まで知らなかったイスラム圏の人たちの人懐っこい優しさや、楽しそうな笑顔だった。

宗教の違いや、ニュース報道の影響でイスラム圏の人たちに対する偏見が少なからずあるが、このプロジェクトを通してそれが少しでも変わるきっかけになったらこんな嬉しいことはない。中長期的に続けていくプロジェクトとして、今後もさまざまなイベントで登場するので、街で見かけた時には是非。












次回は冨田一樹さんの予定です。
(2016年10月6日更新)

 

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