・PCJ Special Talking「今、フォトグラファーを取り巻く環境を語り合う」
・国産で2kg以下のモノブロックストロボを選ぶ
・PCJ特別企画 話題のニュープロダクトで表現新領域へ! 話題の逸品ガイド
・デジタル一眼ユーザーのための中判カメラ徹底ガイド
|
ProCameraman.jp編集部
中判デジタルというと、フィルムに対応した中判カメラのボディにデジタルカメラバックを単体で購入してシステムを組むのが一般的だった。しかし最近は、デジタル専用のカメラボディの登場や、ボディとカメラバックが一体型となった商品構成がトレンドとなりつつある。こうしたトレンドを踏まえた各社の最新中判カメラシステムを紹介しよう。
●フェーズワン645DF
●Leaf Aptus-II 10
●マミヤ645DF
●ハッセルブラッドH4D
●ジナーHy6
●LEICA S2
●PENTAX 645D
レンズシャッターにも対応した「フェーズワン645DF」 |
価格(1年保証の場合)
フェーズワン645DF+P65+カメラキット(SK80mmf2.8LS付き):6,195,000円
フェーズワン645DF+P45+カメラキット(SK80mmf2.8LS付き):3,990,000円
フェーズワン645DF+P40+カメラキット(SK80mmf2.8LS付き):3,360,000円
フェーズワン645DF+P30+カメラキット(SK80mmf2.8LS付き):2,520,000円
フェーズワン645DF+P25+カメラキット(SK80mmf2.8LS付き):2,310,000円
フェーズワン645DF+P21+カメラキット(SK80mmf2.8LS付き):1,890,000円
フェーズワン645DF+P20+カメラキット(SK80mmf2.8LS付き):1,680,000円
■デジタルカメラバックのリーディングカンパニー
Phase Oneといえば、デジタルイメージキャプチャーの黎明期からトップクオリティを牽引し続けるリーディングカンパニーだ。創業は1993年で、ドラムスキャナの製造に関わってきたスタッフによってデンマークでスタート。当初はスキャニングタイプのハイエンドデジタルカメラバックの開発が中心で、1996年にはSCSIで接続する「StudioKit」(900万画素)や「PhotoPhase」(3,600万画素) などをリリース。特にフェーズワンの名を世界中に轟かせたのは、1998年にリリースした600万画素のシングルショット対応デジタルカメラバック「LightPhase」。フィルムと競合できるほどのクオリティを瞬時に撮影できることが世界中で話題となった。
当時からフェーズワンの優位性は各社のカメラバックと使い比べてみれば明確だった。使いやすくてRAWデータの持っているポテンシャルを最大限に生かせる現像ソフトウェア「Capture One」や、カメラバックの悩みである冷却ファンによる騒音もLightPhaseから現在のモデルに至るまで特許を持つ省電力技術(スリーピング・アーキテクチャー)により、ファンレスでコンパクトなボディを実現している。近年のモデルであれば、高感度設定が可能で画素数の切替えもできる独自技術「Sensor+」で「デジタルカメラバックは高感度がまったく使えない」というイメージを払拭し始めたり、コンパクトフラッシュの容量がいっぱいになるまで撮影を続けられるなど、数々の技術で他社よりも一歩上回っている。現在発売されているフラグシップモデル「フェーズワン P65+」は645判フォーマットのCCDサイズに6,050万画素を実現。他社が追従できないスペックで業界をリードし続けている。
■レンズシャッターとフォーカルプレーンシャッターに対応
フェーズワンは2007年にマミヤ・デジタルイメージングと戦略的提携を行い、2008年に同社初のカメラシステム「フェーズワン645AF」を発売。このカメラボディはマミヤ製の「マミヤAFDIII」をベースにしたものだ。ここで紹介する「フェーズワン645DF」は、その2世代目となる後継機で、前機種からさまざまな改良が加えられている。
最大の特徴は、レンズシャッターを搭載した新レンズに対応したこと。このレンズを使えば、従来のフォーカルプレーンシャッターが対応する60分から1/4,000秒までの領域の中で1秒から1/800秒まではレンズシャッター、それ以外の範囲は自動的にフォーカルプレーンシャッターへとシームレスな切り替えを実現している。また、ストロボ同調速度は最速1/800秒、P40+またはP65+で使用した際は何と1/1,600秒まで対応している。
|
|
◀マミヤとシュナイダーとの共同開発によるレンズシャッター式交換レンズをラインナップ(クリックで拡大) |
「コンポーネントを自由に選択できる」というモジュラーシステムを採用し、幅広い交換レンズやデジタルカメラバックの互換性もウリだ。
純正のフェーズワン・デジタルレンズは広角の28mmから150mmの5本の短焦点レンズと1本のズームレンズをラインナップし、レンズシャッターはシュナイダーブランドの55mm、80mm、110mm(すべてf/2.8)をリリース。レンズシャッター対応レンズは、新設計の交換レンズにシャッターを搭載しただけでなく、コーティングを変更しているので解像力が向上しているのも特徴だ。
ラインナップの豊富なマミヤ645AF用交換レンズにも対応するほか、別売の「ハッセルVレンズアダプター」を使えば、ハッセルブラッドVシステムの交換レンズを使用可能。Macro-Planar 120mmといった定番の交換レンズをこのシステムでも使うこともできる。
デジタルカメラバックのマウントはマミヤ645マウントを採用。他のカメラメーカーでもライセンス料なしでデジタルカメラバックの開発が可能なマウントで、フェーズワンでは「オープンプラットフォームバックマウント」と呼んでいる。ボディとデジタルバックとレンズがセットになったキットで販売され、主にP65+、P40+、P45+、P30+、P25+などのデジタルカメラバックとともにラインナップされている。ちなみに、過去に発売したマミヤマウントのデジタルカメラバックを使用することも可能だ。
|
|
◀フェーズワンP+シリーズやリーフのデジタルカメラバックに対応。フェーズワンP+シリーズは、上下左右に離れた4つのボタンですべて設定できる。手袋などをしていて細かい操作が困難な状況でも操作が行えるように工夫が凝らされている(クリックで拡大)
|
カメラボディでは、従来機種よりもシャッターを押した感覚が向上しており、オートフォーカスの大幅な高速化、シャッターのタイムラグなども改善されている。
RAW現像ソフト「Capture One」が使えることも、大きなポイントだ。一連の作業を効率よく処理できて、補正が困難なレンズ収差などの補正に対応するほか、Pro版はニコンやキヤノンといった主要な35mmデジタル一眼レフカメラにも対応している。使用カメラを変えても慣れたCapture Oneで現像作業をできるというのは、非常に便利だ。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▲シャッターボタンの押した感覚が改善された(クリックで拡大) |
|
▲アイカップは外部光を完全にシャットアウトするように変更された(クリックで拡大) |
|
▲ボディのデザインも若干変更された(クリックで拡大) |
■デジタルカメラバックの仕様 |
|
P 65+ |
P 40+ |
P 45+ |
P 30+ |
P 25+ |
センサー名 |
ダルサ製 |
ダルサ製 |
コダック製 |
コダック製 |
コダック製 |
センサーサイズ |
40.4×
53.9mm |
32.9×
43.9mm |
36.8×
49.1mm |
33.1×
44.2mm |
36.7×
48.9mm |
ピクセル数 |
6 ,732×
8 ,984 |
5 ,484×
7 ,320 |
5 ,412×
7 ,216 |
4 ,872×
6 ,496 |
4 ,080×
5 ,436 |
ピクセルサイズ |
6×6ミクロン
(フルレゾ
リューション)/
12×12
ミクロン
(Sensor+) |
6×6ミクロン
(フルレゾ
リューション)/
12×12
ミクロン
(Sensor+) |
6.8×6.8
ミクロン |
6.8×6.8
ミクロン |
9×9
ミクロン |
レゾリューション |
60.5
(フルレゾ
リューション)/
15.0(Sensor+) |
40
(フルレゾ
リューション)/
10(Sensor+) |
39 |
31.6 |
22 |
感度 |
50、100、200、
400、800
(フルレゾ
リューション)/
200~3,200
(Sensor+) |
50、100、200、
400、800
(フルレゾ
リューション)/
200~3,200
(Sensor+) |
50、100、200、400、800 |
100、200、400、800、1,600 |
50、100、200、400、800 |
露出時間 |
1/10 ,000
~1分 |
1/10 ,000
~1分 |
1/10 ,000
~1時間 |
1/10 ,000
~1時間 |
1/10 ,000
~1時間 |
A/Dコンバーター |
16bit |
16bit |
16bit |
16bit |
16bit |
キャプチャーレート |
1秒/コマ
(フルレゾ
リューション)/
1.4秒(Sensor+) |
1.2秒/コマ
(フルレゾ
リューション)/
1.8秒(Sensor+) |
0.67秒 |
0.8秒 |
0.67秒 |
現像ソフト |
Capture One
(Mac OS X/
Windows) |
Capture One
(Mac OS X/
Windows) |
Capture One
(Mac OS X/
Windows) |
Capture One
(Mac OS X/
Windows) |
Capture One
(Mac OS X/
Windows) |
|
デジタルバック専用ボディとしてリニューアルした「マミヤ645DF」 |
価格(1年保証の場合)
マミヤ645DFボディ:オープンプライス
マミヤデジタルバックM/645DFキット:オープンプライス
「マミヤ645DF」は、2009年10月に発売した645判フォーマットのデジタルバック専用カメラボディだ。細かい同梱物の違いはあるが、ボディの仕様はフェーズワン645DFと同じと考えてよい。
マミヤの645AFシリーズは、1999年に「645AF」をリリースして以来、「645AFD」(2001年)、「645AFD II」(2005年)、「645AFD III」(2008年)と進化して、6世代目の「645DF」で初めてフィルムへの対応を廃止。デジタルカメラバック専用機となることで、フィルム使用機では実現が難しかったシャッタータイムラグの短縮や、AF合焦スピードなどのパフォーマンスを向上した。
また、フェーズワンやシュナイダーと中判カメラ向けレンズの協業で実現したレンズシャッター内蔵レンズ「マミヤ セコールAF80mm F2.8 LS D」や「マミヤセコールAF55㎜F2.8 LS D」との組み合わせて、最高速1/800秒までのストロボ同調を実現するようになった。
対応するデジタルカメラバックは、マミヤMシリーズデジタルバックやマミヤZD Backなど。マミヤMシリーズには、44.2×33.1mmのCCDサイズを搭載した1,800万画素の「M18」、48.9mm×36.7mmのCCDサイズを搭載した2,210万画素の「M22」、44.2×33.1mmのCCDサイズで3,160万画素を搭載した「M22」の3機種がラインナップされている。
レンズシャッター式80mmレンズとマミヤのM18やM22、M31のいずれかをセットにした「デジタルバックM/645DF/AF80㎜LS Dキット」のほか、フォーカルプレーンシャッター式80mmレンズとマミヤのM18やM22、M31のいずれかをセットにした「デジタルバックM/645DF/AF80㎜Dキット」やボディ単体でも販売中。
|
|
◀フェーズワン製のカメラバックと予想されるマミヤMシリーズデジタルカメラバック(クリックで拡大) |
■デジタルカメラバックの仕様 |
|
M31 |
M22 |
M18 |
センサー名 |
- |
- |
- |
センサーサイズ |
33.1×44.2㎜ |
36.7×48.9㎜ |
33.1×44.2㎜ |
ピクセル数 |
4,872×6,496 |
4,080×5,436 |
3,678×4,904 |
ピクセルサイズ |
6.8×6.8ミクロン |
9×9ミクロン |
9×9ミクロン |
レゾリューション |
31 |
22 |
18 |
感度 |
100~1,600 |
50~800 |
100~800 |
露出時間 |
1/10,000~1時間 |
1/10,000~1時間 |
1/10,000~1時間 |
A/Dコンバーター |
16bit |
16bit |
16bit |
キャプチャーレート |
1.25秒/フレーム |
1.5秒/フレーム |
0.8秒/フレーム |
装着可能カメラ |
645AFDⅢ/AFDⅡ/AFD RZプロⅡD(別売デジタルアダプターHX701使用にて) |
各種ビューカメラ(フェーズワン社フレックスアダプター使用にて) |
現像ソフト |
Capture One
(Mac OS X/Windows) |
Capture One
(Mac OS X/Windows) |
Capture One
(Mac OS X/Windows) |
|
ピントにこだわる新機能を搭載した「ハッセルブラッドH4D」 |
価格(1年保証の場合)
ハッセルブラッドH4D-60:5,754,000円 ハッセルブラッドH4D-50:4,410,000円 ハッセルブラッドH4D-40(HC80mm付き):3,360,000円
ハッセルブラッドといえば、カールツァイスの交換レンズを採用した6×6判対応の中判カメラ「ハッセルブラッドVシステム」があまりにも有名だ。しかし、2002年にAFや645判フォーマット、フジノンが手がけた交換レンズを採用したまったく新しいカメラシステム「ハッセルブラッドHシステム」を発表。この新しいシステムにツァイスの交換レンズが採用されなかったことなどが大きな話題を呼んだ。
しかし、Hシステムの最大の特徴は設計段階からデジタル対応を見据えて開発されたレンズの性能にある。例えば、Hシステムを普段から使っていて、たまにフィルム時代のVシステムの交換レンズをデジタルで使用したりすると"ピントが甘い"と感じたことがある人もいるはず。中判デジタルカメラは、デジタルに対応した交換レンズでなければせっかくの解像度を発揮できない。その点、Hシステムはいち早くデジタルに対応したレンズを多数ラインナップしていることや、シャープさなどは競合製品に比べて優れている。
また、その交換レンズの性能を生かすために、絞り込んでいくとピントの位置が後ろに移動する問題を補正する「ウルトラフォーカス」や、コサイン誤差を修正する「トゥルーフォーカス」など、ピントを徹底的に合わせる機能をボディに搭載しているのも強みだ。
|
|
◀Hシステムのレンズはレンズシャッター式で、全速の1/800までストロボと同調が可能(クリックで拡大) |
近年のHシステムは、「ボディ」と「デジタルカメラバック」は「一体型」として設計されているのも他社にはない特徴だ。ボディとデジタルバックは「フォーカスキャリブレーション」がとられピントも最適化されている。使用ボディ、使用カメラバック、使用現像ソフトを限定することで、撮影中のピントの微調整や現像段階で色収差やディストーション補正、周辺光量補正など各プロセスで最良の結果を出すように設計されている。また、これらのレンズ収差補正は、テレコンバータやエクステンションチューブ、シフト/ティルトのアダプター「HTS1.5」を使用した場合にも機能する。
ほかにも、他社ではカメラボディとカメラバックにそれぞれバッテリーが必要だがハッセルブラッドはボディのグリップ部のバッテリー1つで動作し、電源ボタンも他社はカメラボディとカメラバックにあるがハッセルブラッドはボディだけ。感度などの設定をボディ側の液晶画面でも設定できたり、デジタルバックの設定をグリップから手を離さずにダイヤルとボタン操作できるのも、一体型だからできる芸当だ。それゆえ、H3D以降のボディは他社のデジタルバックには対応しないことに注意が必要だ(デジタルバックをビューカメラに付けて使用することは可能)。
|
|
◀ボディとデジタルカメラバック部分は物理的に外せるが、Hシステムは一体型と考えてよいだろう(クリックで拡大) |
■3つの解像度のラインナップ
2010年春より発売を開始したH4Dシリーズの最大の特徴は、「トゥルーフォーカス」だ。スクリーンの中心部でフォーカスをロックして、カメラを振ってフレーミングを再構成すると、近接撮影の場合はコサインの誤差が発生してピントがずれる。そこでH4Dシリーズからカメラに新しく搭載されたモーションセンサーによって構図変更の際にカメラの動きを捕らえて正確な焦点を計算し、ピントを微調整する機能を搭載した。
使用手順は、トゥルーフォーカスボタンを押すと音がしてピントが合う(ファインダー内の右下のアイコンがぐるぐる回る)。この状態でモーションセンサーがオンになり、その状態からカメラを振ってトリミングを再構成してシャッターを切ると、ピントのリングが少しだけピクリと動いて切れる。そのわずかな「ピクリ」が補正された証拠だ。また、シャッターボタン半押しでトゥルーフォーカスモードになるように設定することもできる。
|
|
◀右グリップの親指部分に新しく追加されたトゥルーフォーカスのボタン(クリックで拡大) |
|
|
◀画面の中央で被写体にピントを合わせる(左)。被写体に焦点を合わせた状態で、構図を変更すると誤差が生じる(右) |
H4Dシリーズのラインナップは非常にシンプルで、4,000万画素の「H4D-40」と5,000万画素の「H4D-50」(H4D-50はマルチショットモデルH4D-50MSもあり)、6,000万画素の「H4D-60」の4種類。従来シリーズまで画素数によってキャプチャーレートがバラバラだったが、H4Dシリーズからすべて1.1秒間隔になった。しばらくはH3Dシリーズも引き続き販売される。
H4D-40のCCDサイズは33.1×44.2mmで、36×48mmに最適化されたファインダーを搭載。撮影範囲はスクリーン全面より小さいので、スクリーン上の撮影範囲を示すフレームがある。
H4D-50のCCDサイズは36.7×49.1mmで、36×48mmに最適化されたファインダーを搭載。見たままの画角全面をそのまま写し込むことができる。
H4D-60は、フェーズワンP65+に並ぶ6,000万画素モデルを実現したモデルで、春以降に発売予定。6,000万画素でダルサ製のCCDサイズを採用と聞くと「P65+と同じCCDを採用?」と思われるが、CCDサイズは645判フォーマットより94パーセントと若干サイズが小さいので、異なるものと予想される。ビューファインダーは未発売の「HV 90x-II」を標準で搭載。恐らく、645判フォーマットの94パーセントに最適化されたファインダーだと予想される。36×48mmセンサーのサイズに最適化された「HCD 28mm F4」と「HCD 4.0-5.6/35-90」のレンズには「マージナルクロップ」と呼ばれる機能で対応できる予定だ。
|
|
◀ファインダーは交換が可能で現在、645判フィルムサイズに最適化された「HV90x」と、48×36mmのデジタルセンサーサイズに最適化された「HVD90x」、ウエストレベルファインダーHVMの3種類をラインナップ。48×36mmクラスのCCD搭載モデルにはHVD90xが搭載されており、ファインダーの全面をそのまま撮影することが可能だ(クリックで拡大) |
■デジタルカメラバックの仕様 |
|
H4D-60 |
H4D-50 |
H4D-40 |
センサー名 |
ダルサ製 |
コダック製 KAF-50100 |
コダック製KAF-40000 |
センサーサイズ |
40.2×53.7mm |
36.7×49.1mm |
33.1×44.2mm |
ピクセル数 |
6,708×8,956 |
6,132×8,176 |
5,478×7,304 |
ピクセルサイズ |
6ミクロン |
6ミクロン |
6ミクロン |
レゾリューション |
60 |
50 |
40 |
感度 |
100、200、400、800 |
50、100、200、400、 800 |
100、200、400、800、 1600 |
露出時間 |
1/800~32秒 |
1/800~32秒 |
1/800~256秒 |
A/Dコンバーター |
16bit |
16bit |
16bit |
キャプチャーレート |
1.1秒 |
1.1秒 |
1.1秒 |
装着可能カメラ |
H4Dカメラボディ、ビューカメラ |
H4Dカメラボディ、ビューカメラ |
H4Dカメラボディ、ビューカメラ |
現像ソフト |
Phocus
(Mac OS X/Windows)
|
Phocus
(Mac OS X/Windows)
|
Phocus
(Mac OS X/Windows)
|
|
フィルムとデジタルに対応したハイブリッドシステム「ジナーHy6」 |
価格(1年保証の場合)
ジナーHy6(ボディのみ):852,600円 ジナーHy6+s65r(ボディ+80mmレンズ+eSprit65LV):3,580,500円
Sinar Hy6は、AF対応でフィルムとデジタルの両方に対応するハイブリッドレンズシャッターカメラだ。多くの中判カメラシステムは645判フィルム対応のカメラをベースに設計されているが、Hy6は将来56×56mmまでのセンサーサイズにも対応できるように6×6判をベースに設計されているのが特徴だ。
ファインダーには、ウェストレベルファインダーを標準状態で搭載。ハッセルブラッドVシステムのように、上からのぞき込むようにしてフレーミングを行う。どのメーカーでもウェストレベルファインダーのボディとデジタルカメラバックを組み合わせて使うと縦位置と横位置の切り替えに悩まされるが、Hy6ではレボルビングに対応したデジタルカメラバックをラインナップ。カメラバックを垂直位置から水平位置に回転させることで、縦位置と横位置をスムーズに変更することができる。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▲デジタルカメラバックを回転させるように縦位置と横位置の切り換えが可能。液晶画面の向きも自動的に変化する(クリックで拡大) |
|
|
◀ウエストレベルファインダーを搭載した状態。本体はコンパクトだ(クリックで拡大) |
オプションで45度のプリズムファインダーも用意されており、交換は左右のスイッチをつまんで乗せるだけ。横向きに付けることも可能
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▲上下左右が正像の画像が得られる45度プリズムファインダー。横向きに取り付けることも可能(クリックで拡大) |
|
|
右側にあるアジャスタブルコントロールグリップは手の形にデザインされている。グリップの指先にシャッターボタンがあり、無理に力を入れることなくシャッターを切ることができる。ミラーショックはきわめて小さいので、どのカメラシステムよりもシャッタースピードの遅い手持ち撮影に対応しやすいだろう。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▲右側のアジャスタブルコントロールグリップにはLCDを搭載。グリップの角度は3段階ごとに角度を調節できる(クリックで拡大) |
|
▲左側面には露出モードや測光モードのスイッチが並ぶ。物理的に切り替えられるので、分かりやすい(クリックで拡大) |
|
|
交換レンズは、シュナイダーやツァイスブランドがラインナップされているローライ6008シリーズのものを使用できる。また、デジタルに対応したシュナイダー製のスーパーアンギュロンAFD 50mm/F2.8やクセノタールAFD 80mm/F2.8、テレクスナーAFD 180mm/F2.8などの新レンズもラインナップされている。
他社のカメラシステムでは、撮影時に使用したレンズに応じて現像段階で収差を補正するのがトレンドだが、Hy6の交換レンズははじめから補正する必要がないほど高性能なのがウリで、撮りっぱなしでもきれいに撮れるのが特徴だ。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▲クセノタールPQS 80mm F2.8 HFT(左)とプラナーPQ 110mm F2 HFT(右)。シュナイダーやツァイスといったドイツの優秀なブランドのレンズを使用することができる(クリックで拡大) |
|
|
デジタルカメラバックは「eMotion」シリーズと「eSprit65LV」に対応。「eSprit65LV」は、44×33mmのコダック製CCDを搭載し、6,496×4,872ピクセルで3,160万画素の撮影に対応する。撮影間隔は最高毎秒1.1コマと高速。JPEGとRAWデータを同時に記録することが可能。JPEGは4種類の品質を設定可能で、RAWデータは汎用性が高いDNGを採用しているのでさまざまな現像ソフトに対応可能だ。
カメラバックのアダプタ部分を交換することで、Hasselblad V 500シリーズやHasselblad H1/H2、マミヤ645 AFD I/IIに対応が可能。「ブツ撮りはマミヤのボディを使いたいが、ポートレートはウェストレベルファインダーのHy6を使いたい」という用途ごとにカメラボディを使い分けることも可能。アダプタで各社のデジタルバックに対応できるのはジナーのカメラバックだけだ。
|
|
◀各社中判カメラのカメラアダプターが用意されており、交換すればシーンに応じて各社のボディを使い分けることができる(クリックで拡大) |
■デジタルカメラバックの仕様 |
|
Sinarback eSprit 65 LV |
Sinarback eMotion 75 LV |
センサー名 |
コダック製KAF31600CE |
ダルサ製FTF5066C |
センサーサイズ |
33×44mm |
36×48mm |
ピクセル数 |
4, 872×6, 496 |
4, 992×6, 668 |
ピクセルサイズ |
6.8ミクロン |
7.2ミクロン |
レゾリューション |
31.6 |
33 |
感度 |
100~800 |
100~800 |
露出時間 |
1/10, 000~32秒 |
1/10, 000~4秒、
ロングタイム4~32秒 |
A/Dコンバーター |
16bit |
16bit |
キャプチャーレート |
1.1秒/コマ |
1.5秒/コマ |
装着可能カメラ |
Sinar Hy6、Hasselblad V 500シリーズ、Hasselblad H1/H2、
マミヤ645 AFD/AFD II |
Sinar Hy6、Hasselblad V 500シリーズ、Hasselblad H1/H2、マミヤ645 AFD/AFD II、マミヤRZ 67 、マミヤ645 Pro、コンタックス645、4×5カメラ、Sinar p3SL、Sinar f3SL |
現像ソフト |
Sinar eXposure(Mac OS X) |
Sinar eXposure(Mac OS X)/
CaptureShop(Mac OS X) |
|
45×30mm のSフォーマットを採用した「LEICA S2」 |
価格(1年保証の場合)
LEICA S2(ボディのみ)2,625,000円
LEICA S2は、7,000×5,000ピクセルで記録できる約3,750万画素のCCDサイズを搭載したデジタルカメラだ。CCD は35mmフィルムフォーマットと同じアスペクト比3:2を継承するライカが新しく定義した30×45mmの「Sフォーマット」に対応。このCCD はコダック製がS2のために開発したもので、35mmフィルムフォーマットの延長上の感覚で中判の撮影ができるのが特徴だ。
他社の中判カメラシステムと明らかに違うところは、非常にボディがコンパクト。カメラのボディからデジタルカメラバックを外すことができない一体型。重量は1,410グラムしかなく、ニコンやキヤノンのフラグシップモデル並みのようにも見えてしまう。
S2の交換レンズには、通常のレンズのほかに、今後レンズシャッターを用いたセントラルシャッター搭載モデルの2種類をラインナップ。セントラルシャッター搭載レンズを使えば、1/500秒までストロボと全速で同調することが可能で、フォーカルプレーンシャッターを使えば最高1/4,000秒まで対応する。2つのシャッターはメインスイッチを切り替えることで、いずれかを選ぶことができる。
現在ラインナップされている交換レンズは、ズマリットS f2.5/35mm、ズマリットS f2.5/70mm、アポ・マクロ・ズマリットS f2.5/120mm、アポ・エルマーS f3.5/180mmの4本。セントラルシャッターを搭載したレンズは通常のレンズよりも10万円ほど高くなる見込みだ。
CFとSDのカードスロットを搭載し、RAWデータのフォーマットはDNGで記録する。現像ソフトはAdobe Photoshop Lightroom 2 が付属。PCとの接続はUSBケーブルで対応可能だ。
■デジタルカメラバックの仕様 |
|
LEICA S2 |
センサー名 |
コダック製 |
センサーサイズ |
30×45mm |
ピクセル数 |
5, 000×7, 500 |
ピクセルサイズ |
6ミクロン |
レゾリューション |
37.5 |
感度 |
160、 320、 640、 1, 250 |
露出時間 |
フォーカルプレーンシャッター使用時は1/4.000~32秒(フラッシュ同調速度は1/125秒)、レンズシャッターシャッター使用時は1/500~8秒(フラッシュ同調速度は1/500秒) |
A/Dコンバーター |
16bit |
キャプチャーレート |
1.5秒/コマ |
装着可能カメラ |
- |
現像ソフト |
Photoshop Lightroom(Mac OS X/Windows) |
|
4,000万画素で100万円を切る価格を実現した「PENTAX 645D」 |
価格(1年保証の場合)
ペンタックス645D:オープンプライス
ペンタックスはペンタックス6×7やペンタックス645といった中判フィルムカメラを発売し、日本を代表するカメラマンに愛用されてきたが、2009年、中判フィルムカメラ市場から撤退を発表した。しかし、2010年、約4,000万画素の44×33mmサイズのコダック製CCDを搭載したペンタックス645Dを5月20日に発売することを発表。特徴は価格で、実売想定価格は80万円台という、従来の中判カメラシステムの半額以下で発売される見込みだ。
カメラのボディからデジタルカメラバックを外すことができない一体型で、ローパスフィルターは搭載していない。レンズマウントは「PENTAX 645AF2マウント」と呼ばれ、フィルム時代のsmc PENTAX 645対応レンズがすべて使用できる。ボディと同時に35mm判換算で焦点距離43.5mm相当の画角が得られるデジタルに対応した標準レンズ「smc PENTAX-D FA645 55mmF2.8AL」が発売予定。
14ビットの記録に対応や11点ワイドAFセンサー、デュアルSD/SDHCメモリーカードスロット、ゴミ除去性能、8種類のカスタムイメージ、電子水準器など、コンシューマー機で培ったさまざまな技術がペンタックス645Dにも搭載される予定だ。
■デジタルカメラバックの仕様 |
|
ペンタックス645D |
センサー名 |
コダック製 |
センサーサイズ |
44×33mm |
ピクセル数 |
5,440×7,264ピクセル(RAWを使った場合の最大サイズ) |
ピクセルサイズ |
6ミクロン |
レゾリューション |
40 |
感度 |
AUTO/200~1000、拡張/100~1600 |
露出時間 |
1/4,000~30秒 |
A/Dコンバーター |
14bit |
キャプチャーレート |
約1.1秒/フレーム、RAW(PEF)+JPEG(40M・★★★):約13コマまで、 RAW(PEF):約13コマまで、 RAW(DNG):約13コマまで、 JPEG(40M・★★★):約13コマまで |
装着可能カメラ |
– |
現像ソフト |
PENTAX Digital Camera Utility 4
(Mac OS X/Windows) |
|
↑Page Top
|
|