・PhaseOne シュナイダー全レンズレビュー
●今気になる最新ツール
・第19回 PhotoshopCC
・第18回 PENTAX RICOH IMAGING PENTAX 645D
・第17回 Nikon D7100
・第16回 FUJI FILM X-E1
・第15回 On One Software Perfect Effects Free 4
・第14回 DxO ViewPoint

・第13回 SIGMA DP1Merrill + DP2Merrill
・第12回 SONY Cyber-shot DSC-RX100
・第11回 Fuji Film X-Pro1

・第10回 Schneider PC-TS Macro-SYMMAR 90mm f4.5 HM For Canon
・第9回 SIGMA SD1 Merrillの実力
・第8回 Phese One Media Proでセレクト作業を高速化する。
・第7回 Canon Digital Photo Professionalのデジタルレンズオプティマイザ機能を試す。
・第6回 Adobe Photoshop Lightroom 4を試用する
・第5回 PhotoShop CS6 Extendedの新機能
・第4回 SONY NEX-7をテストする
・第3回 フィルムをシミュレーションする「DxO FilmPack3」
・第2回 富士フイルム「X10」

・第1回 ミラーレス一眼「ニコン1 V1」
●新製品インタビュー
・PHASE ONEを次のステージに牽引する
シュナイダーの交換レンズ

・写真表現を極めた高精度ビューカメラ
「COLAVOLEX V2」の開発コンセプトに迫る

●プロカメラマンのためのこだわりグッズ
・第1回:ミニノートPCで最小構成の連結撮影
●PCJ Review
・ストロボコントロールプラグイン「Profoto Air」
・自動画質向上RAW現像ソフトウェア「DxO Optics Pro 6」
・デジタルカメラバック
Aptus II 10R

・直観的に使える現像ソフト
「Capture One 5 Pro」





第19回 PhotoshopCC

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://www.gungho.or.tv/
◯必要システム構成
Windows
・インテルPentium4またはAMD64プロセッサー(2GHz以上)
・Microsoft Windows7(servicePack1)、Windows8
・1GB以上のRAM
・2.5GB以上の空き容量のあるハードディスク
・1024×768以上の画面解像度をサポートするディスプレイ
・512MG以上のVRAMのVRAMを搭載した16bitのカラー表示可能なOpenGL2.0グラフィックカード
・ライセンス認証、メンバーシップ検証にはインターネット接続と登録が必要

Mac OS
・インテルマルチコアプロセッサー(64bit対応必須)
・Mac OS X v10.7、v10.8
・1GB以上のRAM
・3.2GB以上の空き容量のあるハードディスク
・1024×768以上の画面解像度をサポートするディスプレイ
・512MG以上のVRAMを搭載した16bitのカラー表示可能なOpenGL2.0グラフィックカード
・ライセンス認証、メンバーシップ検証にはインターネット接続と登録が必要

Adobe PhotoShopCCのサイトへ



●PhotoshopCCの概要

Photoshop Ver.1登場から14番目のPhotoshopがCCである。CCとはCreative Cloudの略称で、このバージョンから今までのパッケージ版(永久ライセンス版)は終了となる。今後はAdobe Storeで決済し、Adobe Creative Cloudからダウンロードするか、販売店などでダウンロードカードを購入してダウンロードする方式へと変更になる。価格はCreative Cloudに含まれるすべてのツールを使える「Creative Cloud通常版」が月5,000円(年間プラン)または月8,000円(月々プラン)、Photoshopなど1つのツールだけを使える「単体サブスクリプション版」が月2,200円(年間プラン)または月3,200円(月々プラン)となる。

また今回の新シリーズ移行を記念した特別提供版も用意されており、CS3以降のユーザーには「Creative Cloud通常版」が月3,000円(年間プラン・初年度価格)で提供される。そのほか7月31日までの期間限定で、さらに安価に加入できるキャンペーンも実施されている

購入ガイドへ

どのコースで契約するかは、個々の環境で異なるが、Photoshop以外にLightroomやIllustrator、Premiereなどすべてのツールを月5,000円(年間プラン)で使用できるのは、写真以外に、動画に仕事範囲を拡げようとしているフォトグラファーなどには魅力的なプランであると思われる。

今までのPhotoshop CS6は併売されるが、パッケージ版は在庫がなくなり次第終了。個人向けはダウンロード販売となる。CSシリーズのバージョンアップ予定はない。しかし、Camera Rawに関しては現段階では今後新しいカメラが出てもバージョンアップで現像対応する予定。ツールの新機能に関してはCC以降での対応となる。


● Camera Rawの進化/Uprightテクノロジー

◀「Upright」適用前
 (クリックで拡大)


Camera RawはVer.8となり「Uprightテクノロジー」がレンズ補正に加わった。この「Uprightテクノロジー」は自動で画像を解析し、ワンクリックで強力にパースを補正することができる。

◀「Upright」A(オート)適用
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◀「Upright」水平補正のみを適用
 (クリックで拡大)


◀「Upright」水平および垂直の遠近法の補正を適用
 (クリックで拡大)


◀「Upright」フル:レベル、水平および垂直の遠近法の補正を適用
 (クリックで拡大)


以上のようにワンクリックで自動で強力な画像補正を行う。かなり便利なツールである。

◀「Upright」適用前
 (クリックで拡大)



◀「Upright」フル:レベル、水平および垂直の遠近法の補正を適用
 (クリックで拡大)


ワンクリックでかなり良好に補正されている。外観撮影、室内撮影などの強力なサポートツールである。

■Camera Rawの進化/「円形フィルター」

フィルター処理に「円形フィルター」が加わる。今までのバージョンでは、「段階フィルター」があり、補正を段階的に直線的にかけることができたが、「円形フィルター」はその名のごとく円形に補正をかけることが可能。

◀「円形フィルター」適用前
 (クリックで拡大)


◀「円形フィルター」適用
 (クリックで拡大)


「円形フィルター」を使用することによって、被写体の周囲を落として、被写体を浮かび上がらせたり、印象づけたりすることが可能となる。また、明るさやコントラストなどの補正以外に、シャープやノイズ軽減、フリンジ軽減などの補正も利用できる。

また、このCamera RawはPhotoshop内でフィルターとしても使用できるようになっている。画像処理作業中に、Camera Rawに戻って、異なる露出の画像を作成して、レイヤー合成する、といった作業が、Camera Rawに戻ることなく効率よく作業できる。また、スマートオブジェクトとして利用できるので非破壊編集が可能で、あとで何度もやり直すことも可能となっている。

■新フィルター/「ぶれの軽減」
◀「フィルター→シャープ→ぶれの軽減」
 (クリックで拡大)


シャープのフィルター内に「ぶれの軽減」が加わった。このフィルターはぶれた写真を自動解析して、失われたディテールを回復するフィルターである。

◀「ぶれの軽減」左:オリジナル 右:適用後
(クリックで拡大)


完璧にぶれが補正出来ているわけではないが、ぶれて失われたディデールとシャープが補正されている。大きく使用するには厳しいが、小さく使用される印刷物や、Web媒体などでは、十分に力を発揮するツールである。


■拡大してもきれいな「画像解像度」

「画像解像度」も改善されている。従来のバイキュービック・バイリニア・ニアレストネイバーの3種類に今回「 ディテールを保持(拡大)」が追加された。この機能は、低解像度の写真を拡大して綺麗に印刷にできるようにするための拡大方法である。

◀画像解像度」左:500万画素から拡大 右:2,000万画素等倍
 (クリックで拡大)



上のキャプチャーは、左の約500万画素のJPEGを右の198%拡大の約2,000万画素に「ディテールを保持(拡大)」で拡大した画像。右は約2,000万画素のJPEG。ディテールやシャープも維持されて、きれいに拡大されている。カメラの記録画素数がLMSと選べ、RawデータもS Mなど記録できるようになったが、それにともない、間違って小さい画素数で記録してしまった時のリペアや、より高画素数を求められた時でも、従来よりきれいに拡大可能となった。

以上のような機能の他に、スマートシャープの刷新でより高画質で自然な仕上がりを得ることができたり、ぼかしなどのフィルターのスマートオブジェクト対応によって高画質を維持したまま画像処理することや、何度でもやり直しができるようになっている。また、CCに統一されたことによってExtendedの3D編集ツールや解析ツールも利用できるなど、さまざまな機能が追加されている。
また、今後さらなる強力なツールや、便利な機能などの追加は随時アップデートされる。Photoshopにおいて、常に最新で最強の画像処理アプリケーションの機能を使用できるのは大いに魅力的である。


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