・PhaseOne シュナイダー全レンズレビュー
●今気になる最新ツール
・第16回 FUJI FILM X-E1
・第15回 On One Software Perfect Effects Free 4
・第14回 DxO ViewPoint
・第13回 SIGMA DP1Merrill + DP2Merrill
・第12回 SONY Cyber-shot DSC-RX100
・第11回 Fuji Film X-Pro1
・第10回 Schneider PC-TS Macro-SYMMAR 90mm f4.5 HM For Canon
・第9回 SIGMA SD1 Merrillの実力
・第8回 Phese One Media Proでセレクト作業を高速化する。
・第7回 Canon Digital Photo Professionalのデジタルレンズオプティマイザ機能を試す。
・第6回 Adobe Photoshop Lightroom 4を試用する
・第5回 PhotoShop CS6 Extendedの新機能
・第4回 SONY NEX-7をテストする
・第3回 フィルムをシミュレーションする「DxO FilmPack3」
・第2回 富士フイルム「X10」

・第1回 ミラーレス一眼「ニコン1 V1」
●新製品インタビュー
・PHASE ONEを次のステージに牽引する
シュナイダーの交換レンズ

・写真表現を極めた高精度ビューカメラ
「COLAVOLEX V2」の開発コンセプトに迫る

●プロカメラマンのためのこだわりグッズ
・第1回:ミニノートPCで最小構成の連結撮影
●PCJ Review
・ストロボコントロールプラグイン「Profoto Air」
・自動画質向上RAW現像ソフトウェア「DxO Optics Pro 6」
・デジタルカメラバック
Aptus II 10R

・直観的に使える現像ソフト
「Capture One 5 Pro」





第16回 富士フイルム X-E1

このコーナーでは、コンパクトデジタルカメラからハイエンドカメラ、撮影用品、各種ソフトウェアまで、仕事や作品制作、趣味を問わず、プロカメラマンが使ってみたくなる話題のツールを毎回取り上げていく。

文:津島隆雄
1971年青森県生まれ。学校写真カメラマン、コマーシャルスタジオのアシスタントを経て1999年よりフリー。 物撮りから人物などさまざまな写真業務全般、画像処理全般を手がける。
http://www.gungho.or.tv/
◯富士フイルム X-E1基本スペック

・有効画素数  1,630万画素
・撮像素子   23.6mm×15.6mm(APS-Cサイズ)X-Trans CMOSセンサー
・撮影感度   ISO200〜ISO6400(1/3段ステップ)
       (標準出力感度)AUTO(400)/AUTO(800)/AUTO(1600)/AUTO(3200)/
               AUTO(6400)
・液晶モニタ  2.8型低温ポリシリコンカラー液晶モニター 約46万ドット(視野率約100%)
・ファインダー 電子ビューファインダー0.5型 有機ELファインダー 約236万ドット 
        視野率約100%アイポイント:約23mm 視度調整範囲:-4m-1〜+2m-1 アイセンサー付き
・サイズ   (幅)129mm×(高さ)74.9mm×(奥行き)38.3mm(奥行き最薄部 30.9mm)
・重さ     約350g(付属バッテリー、メモリーカード含む)

キットレンズ
●フジノンレンズ XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
・レンズ構成  10群14枚(非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚)
・焦点距離  18 - 55 mm(35mm判換算:27 - 84 mm相当)
・絞り    広角端:F2.8~F22 望遠端:F4~F22(1/3ステップ)
・撮影距離  ワイド端:約30cm〜、テレ端:約40cm〜
・寸法・質量 65.0mm×70.4mm(ワイド端)/97.9mm(テレ端)約310g(レンズキャップ・フード含まず)

使用レンズ
●フジノンレンズ XF14mmF2.8 R
・レンズ構成  7群10枚(非球面レンズ2枚、異常分散レンズ3枚)
・焦点距離   14mm(35mm判換算:21mm相当)
・絞り     F2.8~F22(1/3ステップ)
・撮影距離   約18cm〜
・寸法     65mm×58.4mm

使用レンズ
●フジノンレンズ XF60mmF2.4 R Macro
・レンズ構成  8群10枚(非球面レンズ1枚、異常分散レンズ1枚)
・焦点距離   60mm(35mmフィルム換算:91mm相当)
・絞り     F2.4〜F22 (1/3ステップ)
・撮影距離   約26.7cm〜
・寸法・質量  64.1mm×70.9mm 約215g(レンズキャップ・フード含まず)

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●X-E1の概要

「X-E1」は、富士フイルムのXシリーズのレンズ交換式ミラーレスカメラ「X-Pro1」に続くカメラである。X-Pro1のハイブリットファインダーはなくなり、電子ファインダーになっているため、X-Pro1に比べてすっきりとしたデザインになっている。また、若干小型、軽量化され、価格も抑えているが、画質、使用感はX-Pro1に劣らない仕上がりとなっている。本体は、ブラック、シルバーの2タイプ用意されていて、高級感のある質感を持つしっかりとした作りとなっている。

●作例

◀・XF60mmF2.4R使用
 ・1/280
 ・f8
 ・ISO800
 ・無処理JPEG
 ・FilmシュミレーションVelvia/ハイライトトーン+1/シャドウトーン+1/
 ・ダイナミックレンジ400% /シャープ+2

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富士フイルムらしいフィルムシミュレーションを使用し、撮影したままのJPEGのデータである。デフォルトのままの設定では私には若干甘く感じられるので、ハイライトトーン、シャドートーン、シャープを強めている。私にはこのぐらいの設定の方が、よりVelviaらしく感じられた。

◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・32mm(35mm換算49mm) 
 ・1/400 
 ・f5.6 
 ・ISO800 
 ・無処理JPEG 
 ・FilmシュミレーションVelvia/
 ・ハイライトトーン+1/シャドウトーン+1/ダイナミックレンジ400%/シャープ+2

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こちらも同じ設定での撮ったままのJPEG。撮影アスペクト比は2:3、16:9、1:1の3パターン。筆者は正方形が好きなので1:1が撮れるのは嬉しい。

◀・XF35mmF1.4 R
 ・1/950
 ・F2.0
 ・ ISO200
 ・RAWファイルをAdobeCameraRawにて処理

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アドビのCameraRaw7.3とCapture One7.0.2でRAW画像処理に対応している(Capture One7は暫定対応)撮影したままのJPEGでも十分高画質なのだが、使い慣れた処理ソフトでさらに画像処理を詰められるのはありがたい。ローパスレスのC-MOSとクリアでヌケの良いXFレンズの組み合わせは、高画質で、質感描写も素晴らしい。

◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・18mm(35mm換算27mm) 
 ・1/40 
 ・f4 
 ・ISO1600 
 ・JPEGファイルを AdobeCameraRawにて処理

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フィルムシミュレーションのモノクロモードは、通常、Yフィルター、Gフィルター、Rフィルターをシミュレートしてくれる。そのままでも十分なのだが、ちょっとした味付けをAdobe CameraRawで加える。

◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・55mm(35mm換算83mm) 
 ・1/210 
 ・f4 
 ・ISO1600 
 ・JPEGファイルを AdobeCameraRawにて処理

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こちらも撮ったままのモノクロJPEGをAdobe CameraRawを使用してちょっと画像処理を加える。JPEGも十分高画質なので、ちょっとした画像処理をしても画質低下は少ない。

◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・28mm(35mm換算43mm) 
 ・1/320 
 ・f8 
 ・ISO800 
 ・JPEGファイルをDxO Optics Pro8+FilmPackにて処理

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こちらはDxO Optics Pro8+FilmPackで処理している。フィルムシミュレーションモノクロ+DxOFilmPackで、さまざまなフィルムを表現することができる。今回はFilmPackではFuji NEOPAN ACROSを使用している。

◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・46mm(35mm換算69mm) 
 ・1/900 
 ・f4 
 ・ISO800 
 ・RAWファイルをAdobeCameraRawにて処理

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X-Pro1に比べて小型、軽量化されている。数字で見れば若干なのだが、意外と小さく感じられるため、持って歩くことが苦にならない。旅行などで「本当は1眼レフを持っていきたいのだが、荷物が大きくなる、でも高画質で撮りたい、さてどうしようか?」と言った要望に十分応えることができる。

◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・55mm(35mm換算83mm) 
 ・1/55 
 ・f5.6 
 ・ISO1600 
 ・RAWファイルをAdobeCameraRawにて処理

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カメラの露出は若干明るめに振るようである。今回、ほとんどの場合で、露出補正はアンダー側に振って撮影している。露出補正は独立したダイアル式なので、操作に迷うことなく使用できる。シャッタースピード、レンズ絞りも独立したダイアル式なので使いやすい。各種設定メニューも分かりやすい階層で理解しやすい。また、Qボタン1つで各種設定の一覧にアクセスできて、そこでさまざまな設定がすぐに行える。

◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・29mm(35mm換算43mm) 
 ・1/40 
 ・f6.4 
 ・ISO1600 
 ・RAWファイルをAdobeCameraRawにて処理

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AFは必要十分の速度に感じられる。AFのフォーカスエリアの設定、移動はちょっと慣れるまでに時間がかかるかもしれない。

◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・55mm(35mm換算83mm) 
 ・1/105 
 ・f6.4 
 ・ISO1600 
 ・RAWファイルをAdobeCameraRawにて処理

 (クリックで拡大)


◀・XF14mmF2.8R使用 
 ・1/140 
 ・f16 
 ・ISO200 
 ・RAWファイルをAdobeCameraRawにて処理

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◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・35mm(35mm換算54mm) 
 ・1/250 
 ・f9 
 ・ISO200 
 ・RAWファイルをAdobeCameraRawにて処理

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◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・37mm(35mm換算56mm) 
 ・1/30 
 ・f7.1 
 ・ISO200 
 ・RAWファイルをAdobeCameraRawにて処理

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◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・55mm(35mm換算83mm) 
 ・12秒 
 ・f8 
 ・ISO200 
 ・RAWファイルをAdobeCameraRawにて処理

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◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・18mm(35mm換算27mm) 
 ・1/1700 
 ・f7.1 
 ・ISO200 
 ・RAWファイルをCapture One7にて処理

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◀・XF18-55mmF2.8-4R使用 
 ・22mm(35mm換算33mm) 
 ・1/680 
 ・f8 
 ・ISO200 
 ・RAWファイルをCapture One7にて処理

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X-E1の最大の魅力である、1,630万画素のローパスレスC-MOSの画質は素晴らしい。そして、定評のあるXFフジノンレンズ、そしてアナログの操作感を備えた、クラシックなデザイン。高精細な液晶ファインダーを装備してカメラとして確実に完成度を上げている。

小型・軽量化されているので、ズームレンズと組み合わせると抜群の機動性を発揮する。バランスのとれた非常に良く仕上がったカメラであると思う。富士フイルムのXシリーズの今後にも期待したい。


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