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2012年9月18日〜23日、ドイツ・ケルンにあるケルンメッセで第32回Photokina2012が開催された。来場者数約185,000人で前回の2010年181,464人より増えたという。最近はWebなどで情報を確認してから来場する傾向があるためか、初日は思ったよりも混雑していなかった。すでにいろいろなメディアで「フォトキナレポート」が伝えられているので概要はそちらに任せ、ここでは中判デジタル関連の動向を中心にレポートしていく。

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続々と会場へ向かう来場者(クリックで拡大)

●Phase One

第2会場に位置していたPhaseOneブース。展示されていた新製品は「645DF+」とシュナイダーのレンズ「240mmLS」、「28mmLS」、「75ー150mmLS」の全4種類。残念ながらデジタルバックの新製品はアナウンスがなかった。

Phase One 645DF+は従来機645DFを最新のハードウェア・パーツに最適化するために、ファームウェアを1から見直し、高速・高精細なオートフォーカスを実現したとのこと。またカメラボディのバッテリーパックがアルカリ電池から7,2Vリチウムイオンバッテリーに変更。1回の充電で約1万ショットまで撮影可能となり、従来のアルカリ電池を使用した場合と比較して駆動時間が約3倍になった。このバッテリーは現行の645DFにも使用することが可能で、バッテリーと充電器のみの商品展開も予定している。日本での発売予定日は未定。

SK28mmLSはシンクロ同調1/1600秒。画角は102°最短焦点距離は35cm。チューリップフラワーレンズフードを採用。SK240mmLSはシンクロ同調1/1000秒。風景写真やMixedライトでのビューティー撮影に適している。最短焦点距離は170cmで、メタルフードを採用。SK75-150mmLSはシンクロ同調1/1000秒でf4/f5.6-f22。最短焦点距離は100cmで2013年展開予定の商品。

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28mm、240mm、75-150ズームとラインナップが拡充されたシュナイダーブランドのLSレンズ。登場が期待されていた超広角・望遠・ズームが加わった。どのレンズもデジタルカメラ用のレンズとしては最高峰の性能を誇る(クリックで拡大)

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Phase Oneの新しいボディ「645DF+」(クリックで拡大)

●Mamiya&Leaf

Mamiya&Leafブースは第9会場に位置していた。PhaseOne社の複写用カメラiXRにPhotokinaでは初展示となるMamiya&Leaf製品デジタルバックCredoを装着。CAMBOのデジタル複写台を使用して複写システムとして展示。またRolleiflex Hy6とCredo80(8000万画素機)を展示。Hy6マウントのCredoは中国のみで展開を予定しているとのこと。

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Mamiya&Leafブースから(クリックで拡大)

●Hasselblad

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同じく第2会場のHasselblad展示ブースでは、新製品であるH5Dを公開。それ以外にも1つ前のモデルであるH4D-40のフェラーリモデル。またソニーのAPS-C CMOSセンサー搭載のNEX-7をベースにしたミラーレス機「Lunar」(ルナ)のプロトタイプを展示していた。Hasselbladのカメラが月面着陸してから50年を記念してこの名前が付けられたそうで、価格はレンズ付きで€5,000を予定。プロトタイプの展示であったが「ハッセルブラッドがついにコンシューマ機を」と大きな反響を呼んでいた。

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H5Dは40/50/60メガピクセルの各シングルショットモデルと50メガピクセルのマルチショットがラインナップされ、2012年12月からの出荷予定。Lunarは特徴的なグリップやボディの素材に自由度を持たせたカスタムメイド的な考え方のカメラ。投入後の展開が楽しみだ(クリックで拡大)

●Leica

Leicaブースは第一会場に位置し、カメラ機材とフォトギャラリーを単一ブースで展開した。Leica S2の後継機である「Leica S」、ライカMシリーズで初めてライブビュー対応した「Leica M」、その廉価版である「Leica M-E」、「V-Lux4」、「D-Lux6」、「X2 Paul-Smith」に加えレンズも3種もラインナップしていた。

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Leica Sは45×30mmの3,750万画素CCDを搭載し、中判デジタルには珍しい3:2のアスペクト比。中判デジタルカメラとしてはコンパクトなボディが特徴の一体型(クリックで拡大)

●キヤノンとニコン

キヤノンはEOSシリーズ初の無線LAN機能、GPS機能を内蔵した「EOS 6D」を展示。画像エンジンとしは1Dx、5DmkIIIと同じDIGIC5+を搭載している。5DmkIII同様のフルサイズ機であるが高感度特性の向上、小型軽量化したモデルとなっている。ブースには多くの人が集まり、実際に機材を触るまでにかなり待たされる状態だった。また、ミラーレス機の「EOS M」も人気を集めていた。


photoニコンブースの目玉は,新製品D600。非常に多くの人だかりができていた。日本での発売は9月27日からの予定だが、ケルン市内のカメラ店ではフォトキナに合わせた形で販売を開始。D800よりもコンパクト・軽量化され取り回しの良いフルサイズ機となっている。

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●その他のブースから

レンズ関係で目立ったのはシュナイダー。すでに4年前にPhase One、2年前に3本の35mmDSLR用レンズを発表しているが、今回はマイクロフォーサーズ用と35mmDSLR用レンズの5本の交換レンズを発表した。種類はマイクロフォーサーズ用「SUPER ANGULON 14mm F2」・「XENON 30mm F1.4」・「MAKRO SYMMAR 60mm F2.4」と35用の「PC-TS Super-Angulon 28mm f4.5 HM」・ 「Makro Symmar 85mm f2.4」でデザインもシュナイダーらしく質実剛健なもの。ドイツ・老舗の光学メーカー健在を実感した。

韓国のレンズメーカーSAMYANGからは、 APS-C用「10mm f2.8 ED AS UMC CS」や「TS 24mm f3.5 ED AS UMC Specifications」が参考出品されていた。価格設定にもよるがTSレンズは注目されそうだ。

それ以外で目についたのは、Webコンテンツでは当たり前になってきている3D画像用の撮影機器。
前回のフォトキナでは2次元画像からのソフトウェアでの擬似3Dの加工ソフトが主流であったが、今回は複数のカメラでの同時撮影する機材やロボットアームによるPC制御撮影など、撮影時に3Dで取り込む方法が展示の主流となっていた。

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Phase Oneブースで展示されていた「3D-VIZ AT360」は 3D撮影用ターンテーブルで 撮影ソフト「Capture One 6」とAT360制御用ソフトウェアを連動させ超リアリティ3D撮影を行うというもの。現時点では、日本国内では販売展開を予定していないようだが、今後さらなる進化と需要を感じる製品だけに期待したい(クリックで拡大)
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●最後に面白アイテム? の紹介。

ここ数年で、カメラマンの間ではiPhoneを持っている人が急増。持っていない人がいないほどだ。また、Androidスマートフォンも徐々に多くなっているが、ほとんどユーザーが保護ケースを使用しているのは周知の通り。

それならデジタル一眼レフにも保護するものがあってもよいと思っていたら、フォトキナにこんなものが。なんと、デジタル一眼レフ用プロテクター「easyCover」。プロカメラマンが愛用するキヤノン、ニコンの機種別で販売。

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これなら、プロの過酷でハードな使用に対しても機材の破損や摩耗などから、大切なカメラを守ってくれるかも…?(クリックで拡大)






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