全身像を撮影した写真ではドレスのエッジ、目の輪郭などは解像していますが、眉毛、まつげは解像していません。このまま A4サイズであれば印刷しても持ちますが、顔の部分をトリミングして使用するのは難しいでしょう。600万画素のデジタルカメラの限界点です。この場合眉毛やまつげなどは非常に高周波線分が高いため(眉毛やまつげの太さなどが3ピクセルに収まらない)、元々の画像内で解像、記録されていないのです。記録されていない「形」を再現することは不可能なのです。
半身画像はまつげや眉毛が、ややぼけているもののそこそこ解像しています。同じ画素数ですがトリミングしなければA3程度にプリントが可能です。「全体の空間周波数が下がってきた」と捉えて良いと思います。
さらに顔のアップとなると眉毛や睫毛が1本づつ判定できるほど解像しています。人物表現において、もっとも小さな形として要求される髪の毛、眉毛に対して最低でも3ピクセル程度のピクセルを使用して記録しており、産毛さえかすかに記録していました。「記録したい形」の中に記録不可能な高周波成分がすでになくなっているのですね。
このアップで撮影した画像はたった600万画素ではありますが、拡大するための情報がきちんと記録されているため、どれだけ大きくプリントしても十分に形や質感を再現可能です。
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