5,000万画素の画像:50メートルほど離れた位置から120mmで撮影した写真。最初に出した九段で撮影しました(ISO100、1/125 F8)。もちろんメインの被写体は斜光を浴びる桜で、日が当たっている桜と影になっている桜、斜光の綺麗さに心を引かれてシャッターを切りました…ところが画像を開いてみて撮影した自分自身がびっくりしてしました。それほどの望遠レンズではありません…120ミリの中望遠です。それなのに下生えの雑草たちがこれほどまでに生き生きと描写されているとは…通常メインに狙ったものしか気にしていないのですが、この感動は大きいものでした。
取得した画像にごまかしがないのです。イメージセンサが大きいため、ピントはかなり浅く、少し遠いところはすぐに“ぼけ”始めています。でも焦点面に合焦した部分はこれでもかと解像し、それがまた素晴らしい立体感を醸し出してます。この写真はフレスコ・ジークレで長辺1200mm、解像度180dpi相当でプリントし、今でも自宅の壁に貼ってあります。11×12のフィルムであったとしても、とうていたどり着けない立体感、空間感でお気に入りの1枚となっています。筆者が中判カメラにのめり込んだ1枚と言っていいでしょう。
これらの写真は、かつての「大型カメラ」を使用している感覚で「しっかりと三脚を立て、じっくりと構図を決め、日の光のタイミングも見計らいながら息を吐きつつシャッターを切る」そんな写真の楽しさを改めて実感できるのです。この感覚も「中判カメラならでは」といえます。
さらに8,000万画素となると、ロール紙を長辺方向に使ったプリントでなければその良さを実感できないほどの情報量を持ちます。8,000万画素という条件をクリアーするだけのレンズとセットで使用してこそのお話しで、アーカイブ系列の仕事でなければここまでの解像力は不要だと思われるほどです。1ショットタイプのデジタルカメラがここまでの解像感を持ったとき、これまで弱点とされていた偽色、偽解像、色分離といったほとんどの弱点を克服してしまいます。画素数を増やすことで、デジタルカメラには再現力不足とされていた「立体感」まで取り込むことが可能になったのです。現在の1ショット機がかなえられる「最高の」画質がここにあると思います。
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