この格子の1つひとつが1ピクセルだと仮定する。そこに上図のように1ピクセルよりも細い線と1ピクセルよりもやや太い線、約2ピクセル、約4ピクセルの線と角度を持った線が投影されたとする。垂直な線は直線上に小さなでこぼこ…つまりテクスチャーを持っている。
この格子の1つひとつが1ピクセルだと仮定する。そこに上図のように1ピクセルよりも細い線と1ピクセルよりもやや太い線、約2ピクセル、約4ピクセルの線と角度を持った線が投影されたとする。垂直な線は直線上に小さなでこぼこ…つまりテクスチャーを持っている。
センサー上に結像した光は実際にはこのように記録される。
(1)1ピクセルよりも細い線は運良く1ピクセルに収まった場合、それ自身よりも細い形を記録できないので、元の線よりも太った1ピクセル分として記録される。ただし、元の線が真っ黒でも余白との平均値で描かれるのでグレーの線となる。
(2)通常はこれが一番多いのだが、2ピクセルにまたがって存在した場合はもともとが1ピクセルよりも細い線であっても2ピクセルの太さで記録され、これもまた1ピクセル中に存在する線分の濃度に応じてより薄い線として記録されてしまう。
(3)1ピクセルよりも太い線だったときに、初めて真っ黒な部分が記録されるが、それも完全に1ピクセル内に収まっている部分だけで周辺は淡いグレーになる。
(4)やや太い線だった時に、やっと周辺部も濃くなるが真っ黒にはならない。この線の太さの違いは周辺の濃さとしてしか記録されない。
(5)4ピクセルあると、3ピクセル分は真っ黒になり、もっとも端のピクセルが淡いグレーになるだけですむ。ここまできて、やっと線の端が丸いかもしれない、という気がしてくる。ただし線にあるテクスチャーはまったく再現されない。
(6)緩やかな角度を持った細い直線はまっすぐな直線が徐々に1ピクセルずつ移動していくように記録される。この現象は建築などを撮影している時によく見かけるので経験している場合もあるだろう。
(7)さらに角度がつくと階段状に記録される。まさしくドット絵となる。
(8)その線がさらに細くなると途中が切れて見えてしまうこともある。
もちろん現実の世界に直線はなく、曲線と曲線の集合体なので、これが曲がるとなるとさらに線分はぶつ切り状態で記録される。
▲今度はピクセルピッチを1/2にしてみた。先ほどよりは「左上の図にある大元の線分らしい」記録のされ方になっているのがよく分かる。緩い角度の線はやや階段状だが細い線もつながり出している。空間周波数という見方でみると最初から太い、しっかりした線は低周波成分。1ピクセル前後に当たる線が高周波成分ということになる。同じ被写体を撮影してもピクセルピッチが異なれば、高周波成分にも、低周波成分にも成り得るし、同じ被写体、同じデジタルカメラカメラで撮影していても、寄って撮れば低周波、引いて撮れば高周波成分として扱われる。
▲さらにピクセルピッチを1/4にしてみた。ここまでくると太い線の中のテクスチャーらしいものも記録され出す。細い斜めの線も、やや太ってはいるものの、それらしい再現で描かれていることに気付くだろう。
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